22 / 28
22話 憑かれてる?
しおりを挟む
「うーん…」
登校してきてからずっと姫は隣の席の女の子を見つめていた。彼女はその視線に気付き、目を逸らして顔を伏せている。
「これは…どうしたかしら」
腕に微かにかかった黒いモヤ、見覚えがある。しかしこの世界には無いはずだから…、どうしてここに?
それにこれ、布施さんに取り憑いてる…?
じっと見ていると、布施さんがコチラをちらっと見て、姫が見ているのを知るとまた顔を伏せて耳を赤くする。
そうか、気まずいわよね。
そう思い、姫は目を離した。
そうすると布施さんはほっとしたように、少し顔を上げた。
家に帰り、サビエルに言う
「ねえ、クラスメイトにミヤドリが憑いてたんだけど」
「本当ですか?」
助手は手を止めて振り返る。
「ええ、出処は分からないけど、多分私達…」「被害が出る前にどうにかしなきゃならないんだけど」
「そうですね…、取り除くのはともかく、進行具合は?」
「左手のみよ、でも性質によっては悪いものでもないかもだし」
鞄を置いて服を脱いだ。
「どうする?」
「取り除きましょう、明日にでも?」
「ああでも…」
ガラスのコップを拭き、棚に戻した。
「夜にしか外に出ないんでしたね」
「張り込みしたら出ないわよね…」
どうしよう、こっそり侵入してそこで寝たフリ?
「何気なく誘ってみようかしら」
「それが1番ハードル高そうですね」
「姫、そういうコミュニケーション能力ありましたか?」
一通り終わった助手は手を洗い、ハンカチで拭きながらテーブルへ向かう。
「…自信はないけど」
「少々強引でも、泊まらせればいいのよね?」
本棚から何か本とペンを取り出している助手に言う。
助手は脇に一式抱え、机に本を広げてそこに書き込み始めた。こいつ一々忙しそうよね。
「まあ…、でも手荒な事はしないようにお願いしますね」
「分かってる、あと数日様子見てもいい?いきなり泊まれなんて変でしょ」
絶対怪しがられるわよね、転校生がいきなりそんな事言ったら。
「ええ、ですがなるべく早くにお願いしますね?」
「うん」
ミヤドリは「身宿り」が語源、その名の通り動物の身体に宿ってその魔力を吸い始める。そうすると少なからず影響が出るわけで、死に至らずとも最悪の場合四肢が動かなくなる場合もある。
布施さんは魔力を持っていないからどうなるか分からないけど…、万が一って事もある。
ろくに会話したことも無い私だからどうなるか…?
翌日、席へ向かうとクラスメイトが話し掛けてきたので軽く受け答え、机に鞄を置く。そしてできるだけ何気なく……。
「ふ、布施さん」
「よ、夜を一緒に過ごさない?」
布施さんはこちらを見てポカンと口を開いた後、みるみる顔を赤くした。
「…え?」
登校してきてからずっと姫は隣の席の女の子を見つめていた。彼女はその視線に気付き、目を逸らして顔を伏せている。
「これは…どうしたかしら」
腕に微かにかかった黒いモヤ、見覚えがある。しかしこの世界には無いはずだから…、どうしてここに?
それにこれ、布施さんに取り憑いてる…?
じっと見ていると、布施さんがコチラをちらっと見て、姫が見ているのを知るとまた顔を伏せて耳を赤くする。
そうか、気まずいわよね。
そう思い、姫は目を離した。
そうすると布施さんはほっとしたように、少し顔を上げた。
家に帰り、サビエルに言う
「ねえ、クラスメイトにミヤドリが憑いてたんだけど」
「本当ですか?」
助手は手を止めて振り返る。
「ええ、出処は分からないけど、多分私達…」「被害が出る前にどうにかしなきゃならないんだけど」
「そうですね…、取り除くのはともかく、進行具合は?」
「左手のみよ、でも性質によっては悪いものでもないかもだし」
鞄を置いて服を脱いだ。
「どうする?」
「取り除きましょう、明日にでも?」
「ああでも…」
ガラスのコップを拭き、棚に戻した。
「夜にしか外に出ないんでしたね」
「張り込みしたら出ないわよね…」
どうしよう、こっそり侵入してそこで寝たフリ?
「何気なく誘ってみようかしら」
「それが1番ハードル高そうですね」
「姫、そういうコミュニケーション能力ありましたか?」
一通り終わった助手は手を洗い、ハンカチで拭きながらテーブルへ向かう。
「…自信はないけど」
「少々強引でも、泊まらせればいいのよね?」
本棚から何か本とペンを取り出している助手に言う。
助手は脇に一式抱え、机に本を広げてそこに書き込み始めた。こいつ一々忙しそうよね。
「まあ…、でも手荒な事はしないようにお願いしますね」
「分かってる、あと数日様子見てもいい?いきなり泊まれなんて変でしょ」
絶対怪しがられるわよね、転校生がいきなりそんな事言ったら。
「ええ、ですがなるべく早くにお願いしますね?」
「うん」
ミヤドリは「身宿り」が語源、その名の通り動物の身体に宿ってその魔力を吸い始める。そうすると少なからず影響が出るわけで、死に至らずとも最悪の場合四肢が動かなくなる場合もある。
布施さんは魔力を持っていないからどうなるか分からないけど…、万が一って事もある。
ろくに会話したことも無い私だからどうなるか…?
翌日、席へ向かうとクラスメイトが話し掛けてきたので軽く受け答え、机に鞄を置く。そしてできるだけ何気なく……。
「ふ、布施さん」
「よ、夜を一緒に過ごさない?」
布施さんはこちらを見てポカンと口を開いた後、みるみる顔を赤くした。
「…え?」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる