27 / 28
27話 一緒に夜を過ごさない?
しおりを挟む
私は寝息を立て(起きているが)彼女の方に耳をすませる。少し前に飲んだ怪しい不味いドリンクのお陰で目は冴えていた。
その横で同じ様に寝息を立てる布施さん。
寝返りを打つと当たってしまいそうな距離だが、下手に動くと相手の憑いてるものに気付かれてしまう。
今の所そんな気配は無く、ただ布施さんの甘い様ないい香りがする。
じっと待つ。息のペースを崩さないというのは意外と苦しい。それでもずっと、その時を待っていた。
時計のカチ、カチという音が向こうで聞こえる。外からバイクや車か、そしてクラクションの音が微かにする。
ゴソッと音がした。
来たか?と体を強ばらせる。
隣の布団が持ち上がる感覚があった。本来夜は本体だけが出るはずだが…?
憑かれている側を操作することなんてできただろうか。
さっきまでの布施さんの寝息が無い。私は慌てずに今まで通り寝息を立てる。
布団が持ち上がったままだ。布施さんはベッドに座っている状態だろう。
トイレ?それともお水?
声をかけようと思ったが、もし本体が出てきていたらまずいので寝たフリを続ける。
仰向け状態なので、布施さんがこちらを見ているのは分かるが確認する事はできない。
じっと見られている。
やはり出てきたか…?
「……松坂さん」
ボソッと布施さんがそう言った。
私は返事をせず、寝たフリを続けた。
「…み、美鈴ちゃん…」
それから少し躊躇い、布施さんはそう言った。声からも恥ずかしがっているのが伺える。
…?苗字呼びが名前呼びに変わった。
今本体は出てきてないのか?
というか急に何故名前?
やっぱり名前で呼びたいって思ってる?
「…寝てるよね…?」
小さな声で布施さんはそう言い、私の肩をトントンと叩いた。これは起こそうとしていると言うより、確認しているようだったので起きるのはやめた。
何かするの?私に見られたくないこと?
窃盗とか?ウチ何も無いよ?
「みす…ずちゃん」
またゴソッと動いた。こちらに顔を向けている様子。そして段々と横へ移動し、私の真横に来た。
念のため警戒しながら寝たフリをする。
寂しいの?それなら言ってくれれば…。
それからまたゴソゴソと動く。瞼の下が暗くなった。上に布施さんの顔があるみたい。それが暗くなるにつれて、顔が近づいているのがわかった。
「…綺麗だな…髪も…肌も」
声がすぐ近くで聞こえ、驚いたが寝息を崩さなかった。
なんで急に褒めた?というか近い…。
「…ごめんね」
布施さんは小さくそう言った。
何を謝って…?と思った次の瞬間、唇に暖かい物が触れる。
…!?
ビックリして少し寝息が崩れた。
い、今何された?
急に近付いたかと思ったら…。
少し慌てたので、透視をする。
瞼が透けて、そこからは布施さんが潤んだ目でこちらを見つめ、彼女の唇に手を当てていた。
そして彼女は手を離し、また近付いてくる。少し乱れた吐息が聞こえ、それがまた口元へかかる。
ああこれ絶対接吻だ…!!
なんで?急にどして…。
また唇に暖かいものが触れる。今は見えているので、間近に彼女の顔がある。
少し濡れた唇は軽く私のに重ねるだけだったが、やがて彼女が私の顔の右に手をつくと、それは濃い物に変わっていく。
「ん…松坂さん…」
唇を舐めるように、音を立てながら激しく口を濡らしていく。
私は内心パニック状態だった。
ちょっ…!なにを…!私初めてなのに!
これまずいって、私達女の子同士!
サビエル!見てるなら助け…!
そろそろ苦しくなってくる。ただでさえ寝息を整えるのが苦しいのに、更に口を塞がれては呼吸ができない。
鼻で呼吸するのを忘れるほどに彼女はキスをする。
一旦口を離した所ですぐに息を整える。
彼女もはあはあと息をつき、「松坂さん…」と言ってからまた近寄る。
もうだめ!サビエル!助けて!
あの無能!見てんだろ!
また濡れた口と触れ合う。今度は舌を私のの中に入れてきた。
「んちゅ…はぁっ、ちゅ…じゅる…」
何とも言えないような色っぽい声を出しながら私の唾液を吸うように彼女は舌を絡ませ、私の上に覆いかぶさった身体は時折強ばった。
「…すき…だよ…んっ」
そう言って唇を離す。
…もうだめ……これ以上はまずい。
本体は一向に出てこないし、私はもう頭に血が上ってるのが分かる。
苦しい…、出来ればパジャマを脱ぎたい。
また顔が近付く。
ちょ…!もう無理だって布施さん!
くちゅくちゅと音を立てながら私の舌と布施さんの舌が絡み、唾液が口元から垂れるのが分かる。初めての様な、ただ相手を求めるキス。
…ちょ…苦し…!
そろそろ寝息を整えるのも辛い。
そう思っていると、布施さんが私の履いているパジャマのズボンとパンツを掴んだ。
よかった…この子ちゃんと分かってるじゃない、履いてると苦しいから脱がそうとしてくれてるのね、キスはともかくこちらは有難い。
そう思っていると、急に布団の中から黒いモヤが速いスピードで出てくる。
やっと来た…!
そしてそのモヤは形を作り、狐のような形に変わっていく。
あれ…こいつ…。
この白っぽい狐、ミルが持ってたやつじゃない?憑依する個体はたまに憑かれた者に幸運をもたらす効果がある。
この狐はそれで、多分急にミルの魔力が無くなったから死んだと思って別の人に乗り移ったのだろう。それが彼女。
今はいいか、そう思って私は目を閉じる。
しかしあの怪しいドリンクで眠れない。
下着を脱がそうと格闘していた布施さんは諦めたようで、離れてから布団に蹲った。そして「………っ!!」と声にならない様な声を上げた。
無理しなくていいのに…。
その横で同じ様に寝息を立てる布施さん。
寝返りを打つと当たってしまいそうな距離だが、下手に動くと相手の憑いてるものに気付かれてしまう。
今の所そんな気配は無く、ただ布施さんの甘い様ないい香りがする。
じっと待つ。息のペースを崩さないというのは意外と苦しい。それでもずっと、その時を待っていた。
時計のカチ、カチという音が向こうで聞こえる。外からバイクや車か、そしてクラクションの音が微かにする。
ゴソッと音がした。
来たか?と体を強ばらせる。
隣の布団が持ち上がる感覚があった。本来夜は本体だけが出るはずだが…?
憑かれている側を操作することなんてできただろうか。
さっきまでの布施さんの寝息が無い。私は慌てずに今まで通り寝息を立てる。
布団が持ち上がったままだ。布施さんはベッドに座っている状態だろう。
トイレ?それともお水?
声をかけようと思ったが、もし本体が出てきていたらまずいので寝たフリを続ける。
仰向け状態なので、布施さんがこちらを見ているのは分かるが確認する事はできない。
じっと見られている。
やはり出てきたか…?
「……松坂さん」
ボソッと布施さんがそう言った。
私は返事をせず、寝たフリを続けた。
「…み、美鈴ちゃん…」
それから少し躊躇い、布施さんはそう言った。声からも恥ずかしがっているのが伺える。
…?苗字呼びが名前呼びに変わった。
今本体は出てきてないのか?
というか急に何故名前?
やっぱり名前で呼びたいって思ってる?
「…寝てるよね…?」
小さな声で布施さんはそう言い、私の肩をトントンと叩いた。これは起こそうとしていると言うより、確認しているようだったので起きるのはやめた。
何かするの?私に見られたくないこと?
窃盗とか?ウチ何も無いよ?
「みす…ずちゃん」
またゴソッと動いた。こちらに顔を向けている様子。そして段々と横へ移動し、私の真横に来た。
念のため警戒しながら寝たフリをする。
寂しいの?それなら言ってくれれば…。
それからまたゴソゴソと動く。瞼の下が暗くなった。上に布施さんの顔があるみたい。それが暗くなるにつれて、顔が近づいているのがわかった。
「…綺麗だな…髪も…肌も」
声がすぐ近くで聞こえ、驚いたが寝息を崩さなかった。
なんで急に褒めた?というか近い…。
「…ごめんね」
布施さんは小さくそう言った。
何を謝って…?と思った次の瞬間、唇に暖かい物が触れる。
…!?
ビックリして少し寝息が崩れた。
い、今何された?
急に近付いたかと思ったら…。
少し慌てたので、透視をする。
瞼が透けて、そこからは布施さんが潤んだ目でこちらを見つめ、彼女の唇に手を当てていた。
そして彼女は手を離し、また近付いてくる。少し乱れた吐息が聞こえ、それがまた口元へかかる。
ああこれ絶対接吻だ…!!
なんで?急にどして…。
また唇に暖かいものが触れる。今は見えているので、間近に彼女の顔がある。
少し濡れた唇は軽く私のに重ねるだけだったが、やがて彼女が私の顔の右に手をつくと、それは濃い物に変わっていく。
「ん…松坂さん…」
唇を舐めるように、音を立てながら激しく口を濡らしていく。
私は内心パニック状態だった。
ちょっ…!なにを…!私初めてなのに!
これまずいって、私達女の子同士!
サビエル!見てるなら助け…!
そろそろ苦しくなってくる。ただでさえ寝息を整えるのが苦しいのに、更に口を塞がれては呼吸ができない。
鼻で呼吸するのを忘れるほどに彼女はキスをする。
一旦口を離した所ですぐに息を整える。
彼女もはあはあと息をつき、「松坂さん…」と言ってからまた近寄る。
もうだめ!サビエル!助けて!
あの無能!見てんだろ!
また濡れた口と触れ合う。今度は舌を私のの中に入れてきた。
「んちゅ…はぁっ、ちゅ…じゅる…」
何とも言えないような色っぽい声を出しながら私の唾液を吸うように彼女は舌を絡ませ、私の上に覆いかぶさった身体は時折強ばった。
「…すき…だよ…んっ」
そう言って唇を離す。
…もうだめ……これ以上はまずい。
本体は一向に出てこないし、私はもう頭に血が上ってるのが分かる。
苦しい…、出来ればパジャマを脱ぎたい。
また顔が近付く。
ちょ…!もう無理だって布施さん!
くちゅくちゅと音を立てながら私の舌と布施さんの舌が絡み、唾液が口元から垂れるのが分かる。初めての様な、ただ相手を求めるキス。
…ちょ…苦し…!
そろそろ寝息を整えるのも辛い。
そう思っていると、布施さんが私の履いているパジャマのズボンとパンツを掴んだ。
よかった…この子ちゃんと分かってるじゃない、履いてると苦しいから脱がそうとしてくれてるのね、キスはともかくこちらは有難い。
そう思っていると、急に布団の中から黒いモヤが速いスピードで出てくる。
やっと来た…!
そしてそのモヤは形を作り、狐のような形に変わっていく。
あれ…こいつ…。
この白っぽい狐、ミルが持ってたやつじゃない?憑依する個体はたまに憑かれた者に幸運をもたらす効果がある。
この狐はそれで、多分急にミルの魔力が無くなったから死んだと思って別の人に乗り移ったのだろう。それが彼女。
今はいいか、そう思って私は目を閉じる。
しかしあの怪しいドリンクで眠れない。
下着を脱がそうと格闘していた布施さんは諦めたようで、離れてから布団に蹲った。そして「………っ!!」と声にならない様な声を上げた。
無理しなくていいのに…。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる