異世界創設者の姫は遠征したい!

わまり

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27話 一緒に夜を過ごさない?

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私は寝息を立て(起きているが)彼女の方に耳をすませる。少し前に飲んだ怪しい不味いドリンクのお陰で目は冴えていた。

その横で同じ様に寝息を立てる布施さん。
寝返りを打つと当たってしまいそうな距離だが、下手に動くと相手の憑いてるものに気付かれてしまう。
今の所そんな気配は無く、ただ布施さんの甘い様ないい香りがする。

じっと待つ。息のペースを崩さないというのは意外と苦しい。それでもずっと、その時を待っていた。
時計のカチ、カチという音が向こうで聞こえる。外からバイクや車か、そしてクラクションの音が微かにする。

ゴソッと音がした。
来たか?と体を強ばらせる。
隣の布団が持ち上がる感覚があった。本来夜は本体だけが出るはずだが…?
憑かれている側を操作することなんてできただろうか。

さっきまでの布施さんの寝息が無い。私は慌てずに今まで通り寝息を立てる。
布団が持ち上がったままだ。布施さんはベッドに座っている状態だろう。
トイレ?それともお水?

声をかけようと思ったが、もし本体が出てきていたらまずいので寝たフリを続ける。
仰向け状態なので、布施さんがこちらを見ているのは分かるが確認する事はできない。
じっと見られている。
やはり出てきたか…?

「……松坂さん」
ボソッと布施さんがそう言った。
私は返事をせず、寝たフリを続けた。
「…み、美鈴ちゃん…」
それから少し躊躇い、布施さんはそう言った。声からも恥ずかしがっているのが伺える。

…?苗字呼びが名前呼びに変わった。
今本体は出てきてないのか?
というか急に何故名前?
やっぱり名前で呼びたいって思ってる?

「…寝てるよね…?」
小さな声で布施さんはそう言い、私の肩をトントンと叩いた。これは起こそうとしていると言うより、確認しているようだったので起きるのはやめた。

何かするの?私に見られたくないこと?
窃盗とか?ウチ何も無いよ?

「みす…ずちゃん」
またゴソッと動いた。こちらに顔を向けている様子。そして段々と横へ移動し、私の真横に来た。

念のため警戒しながら寝たフリをする。
寂しいの?それなら言ってくれれば…。

それからまたゴソゴソと動く。瞼の下が暗くなった。上に布施さんの顔があるみたい。それが暗くなるにつれて、顔が近づいているのがわかった。

「…綺麗だな…髪も…肌も」
声がすぐ近くで聞こえ、驚いたが寝息を崩さなかった。
なんで急に褒めた?というか近い…。

「…ごめんね」
布施さんは小さくそう言った。
何を謝って…?と思った次の瞬間、唇に暖かい物が触れる。

…!?
ビックリして少し寝息が崩れた。
い、今何された?
急に近付いたかと思ったら…。

少し慌てたので、透視をする。
瞼が透けて、そこからは布施さんが潤んだ目でこちらを見つめ、彼女の唇に手を当てていた。

そして彼女は手を離し、また近付いてくる。少し乱れた吐息が聞こえ、それがまた口元へかかる。

ああこれ絶対接吻だ…!!
なんで?急にどして…。
また唇に暖かいものが触れる。今は見えているので、間近に彼女の顔がある。

少し濡れた唇は軽く私のに重ねるだけだったが、やがて彼女が私の顔の右に手をつくと、それは濃い物に変わっていく。

「ん…松坂さん…」
唇を舐めるように、音を立てながら激しく口を濡らしていく。

私は内心パニック状態だった。
ちょっ…!なにを…!私初めてなのに!
これまずいって、私達女の子同士!
サビエル!見てるなら助け…!

そろそろ苦しくなってくる。ただでさえ寝息を整えるのが苦しいのに、更に口を塞がれては呼吸ができない。
鼻で呼吸するのを忘れるほどに彼女はキスをする。

一旦口を離した所ですぐに息を整える。
彼女もはあはあと息をつき、「松坂さん…」と言ってからまた近寄る。

もうだめ!サビエル!助けて!
あの無能!見てんだろ!
また濡れた口と触れ合う。今度は舌を私のの中に入れてきた。

「んちゅ…はぁっ、ちゅ…じゅる…」
何とも言えないような色っぽい声を出しながら私の唾液を吸うように彼女は舌を絡ませ、私の上に覆いかぶさった身体は時折強ばった。

「…すき…だよ…んっ」
そう言って唇を離す。

…もうだめ……これ以上はまずい。
本体は一向に出てこないし、私はもう頭に血が上ってるのが分かる。
苦しい…、出来ればパジャマを脱ぎたい。

また顔が近付く。
ちょ…!もう無理だって布施さん!
くちゅくちゅと音を立てながら私の舌と布施さんの舌が絡み、唾液が口元から垂れるのが分かる。初めての様な、ただ相手を求めるキス。

…ちょ…苦し…!
そろそろ寝息を整えるのも辛い。
そう思っていると、布施さんが私の履いているパジャマのズボンとパンツを掴んだ。

よかった…この子ちゃんと分かってるじゃない、履いてると苦しいから脱がそうとしてくれてるのね、キスはともかくこちらは有難い。

そう思っていると、急に布団の中から黒いモヤが速いスピードで出てくる。
やっと来た…!
そしてそのモヤは形を作り、狐のような形に変わっていく。

あれ…こいつ…。
この白っぽい狐、ミルが持ってたやつじゃない?憑依する個体はたまに憑かれた者に幸運をもたらす効果がある。

この狐はそれで、多分急にミルの魔力が無くなったから死んだと思って別の人に乗り移ったのだろう。それが彼女。

今はいいか、そう思って私は目を閉じる。
しかしあの怪しいドリンクで眠れない。
下着を脱がそうと格闘していた布施さんは諦めたようで、離れてから布団に蹲った。そして「………っ!!」と声にならない様な声を上げた。

無理しなくていいのに…。
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