能力者は現在に

崩壊 4

最近はこの能力が変な時に発動する。
感極まった時とか、怒った時とか。
「ねえ、ここから逃げた方がいいよ」
そう2人に伝える

「え、どうして…？」
篠原はきょとんとして尋ねる

「私の能力、いつ発動するか分からないの」
「だから逃げて、お願い」

「わ、わかりました…」
そう言われしぶしぶ出ていった

「良かった…」
あのままでは、2人にも被害が出る
(きっとあの2人も不幸になったのかな)

彼女達は必ず救いたい。
そう思った。
あの感覚が近付いてくる
今日は友達が死んだ日。
そして、両親が死んだ日でもある
次は私かもしれない。
今日起きてからそう思っていた

案の定だ。
ガラスにヒビが入り、床がミシミシと音を立てる
「これで、楽になれるかな？」
涙をこぼしながら言う
天井にもヒビが入り、嫌な音がして崩れ始めた




由紀はさっきのアパートから変な音がしているのに気が付いた。
「杏…あのアパート…！」
そのアパート、二階の角の部屋が歪んでいる

「由紀ちゃん…！もしかして！」
「どうする！？」

「助けよう！」
そう言い駆け出した。

あと10メートル。その手間で建物は大きな音を立てて崩れた。
「恵美…さんっ！」

急いで救急車を呼び、恵美を探す
しかしガレキが邪魔で探せない。
「嘘っ…こんな事って…！」
杏は急いで直人に電話をかけた。
「彼女の能力は、物を破壊する事だったの！」