能力者は現在に

わまり

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記憶 2

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彼女は人の記憶を消す事ができる
そう気づいた。
まさに私達はいいコンビ、いつも一緒だ

「玲子、今日お泊まりしていい?」
書類を整えながら美月が言う

「うん、いいよ」
「生徒会の仕事終わったら、一緒帰ろ」
書類を引き出しにしまい、椅子を立つ

「よかったー、じゃあ準備しなきゃ」
「先帰るねー!」

「うん!お疲れ様ー!」
(さて、私も帰るか)
夕日に照らされた校舎は輝いていた
「こんな光景だったらずっと残っててもいいよね」
深呼吸をしながら見つめる


家に着いて10分後、美月が到着した
「こういうの久しぶりだねー」

「そうだね、なんで急に?」

「別にー?明日は生徒会関係で登校する事もないでしょ?」

「うん、嬉しいよ」
笑いながら部屋へ行く


パジャマに着替え、寝床に付いた
「なんかあっという間だねー」

「そうだね、楽しいし」

「ねえ、今日、一緒に寝ない?」

「えっ…まあ、いいけど…」
顔を赤らめて玲子が言う

「赤くなっちゃって…」
美月はそう言い、笑った

布団に入り、電気を消す
「ねえ、玲子」

「ん?」

「もう辛くない?」

「うん、美月のおかげだよ」
そう言い、手を握った

「そっか、良かった…」
「私ね、悩んでる玲子がどうしてもほっとけなくて。教室で初めて見た時も、思ったんだよ」
「『あの子、可哀相だな』って。」

「美月…」

「私は力になれないのが悔しかった。だからせめて慰めてあげようって思ったの」

「そうなんだ…」
顔を赤くする玲子
「ほんとに…ありがとね」
「ねえ…抱きついていい?」

美月はちょっと驚いた顔で
「うん、いいよ」
と言った

美月の胸に顔をうずめると、もう辛い記憶は無いのに涙が出てきた
美月がいなかったら私は今どうなっていたんだろうか…そう思うと怖くなる。

「もう、また辛い事あったの?」
と、優しい声で美月が言う

「違うよ…嬉しいの」
涙を拭って答えた
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