短編物語パンドラ 【百合】

わまり

文字の大きさ
7 / 81

ロリストーカー

しおりを挟む
例えるなら子猫
私を親だと思ったのだろうか、
にしては隠れるものだ。

スマホを取り出し、内カメラにして後ろの動画を撮影する。
今日もいる。毎日付いてくる。
電柱、人、壁に隠れて付いてくる
短い足でちょこちょこと。
(下手だなぁ、隠れるの)

身長130センチくらいの、ピンクのセーターを着た女の子が今日も付いてくる。



四ヶ月前

  悩みが出来た
毎日届く赤い封筒に入った手紙、家だけではなく学校にも届く。
初めて届いた日、中身を開けると新聞の字を切り取って貼ったような、いかにも犯人の脅迫状の様な手紙が入っていた。
恐る恐る読むと
「すきです」
と書かれた後、いかにも適当に新聞の欠片が貼り付けられていた。

翌日、また届いたので見てみた
「あいしてる」
と書かれた後、また適当に新聞の欠片が貼られていた。

その翌日、流石に怖くなったので無視して捨てていた。手紙が止む気配はない。

「ストーカー…」
ふと頭によぎる五文字、
まさか私が…

なにかしただろうか、同じ学校だっただろうか。学校の友達や、自分を見てくる人に疑いの目を向ける。

警察に言っても相手をしてもらえるだろうか。いや、手紙が届くだけで実害はない。取り合って貰えないだろう。
(どうしよう…)
こんなのいつまで続くんだろう、エスカレートしないのを願う。

月曜日、この事を友人に相談した
「委員長がー?そりゃまたなんで」

「理由なら私が知りたいって…」

「委員長モテ期到来だねー、よかったじゃん、熱烈な愛を受けてるよ!」

「有難くない愛だね、実害がないだけまだマシ」はーっ、と溜息をつき、友人を見る

「今どきあの新聞切り抜きだなんて古いねー、あはは」
「おっさんかもね」
と言い笑っている

「それは最悪…」
でもその可能性が高い。
本当にやり方が臭い。
レイプなんてされないよな…

「夜道は気を付けてねー、私も付いてくよ!」

「じゃあそうして…今の所付けられてはいないけど…」

「そのストーカーさんが手紙を入れる所は見たことあるの?」

「いえ、いつも朝いつの間にかある感じ」

「へー、じゃあ深夜かな?待機してみれば?」顎に手を当て、友人は少し身を乗り出した。何か期待してる…?

「やだよ…面倒くさい」

「でも気になるじゃん!私もいっしょにいるからさ!寝たければ寝てもいいよー!」

そういう事か、まあ寝てもいいんなら任せてみるかな。
「わかった、じゃあよろしく」

「うん!今夜行くね!」
そう言うと友人は席へ戻って行った


夜、友人が訪ねてきた
「ひっさしぶりだね!委員長のお家」

「そうね、私もあげたの久しぶりだよ」
布団を用意する

「さて、私お腹空いたー!」
腹を叩きながら友人が叫ぶ

「は?」
手を止め、友人を見る

「ん?夕食」

「食べてきてないの?てっきり食べてるもんだと」

「あは、そんなわけないじゃん!折角来たんだよ!さあ夕食!」

「食べてきて」
玄関を指差す

「うん!今からここで食べるよ!」
友人は席に付いている

「いえ、あなたの家でよ」

「そ、そんな!ひどい!」
びっくりした様子で友人が言う

「なに奢らせようとしてるのよ…」

「えー!お願い!食べさせてくれたら今はちゅーするの許可してあげるから!」
手を合わせ、頭を下げる友人

「いっつも私がキスをねだってるような言い方やめなさい」
「食べてきなさいよ」

そう言っても友人は動こうとしない
「お願い…!」
と言うだけだ

「…ったく…仕方ないわね、鍋でいい?ろくに食材ないんだから」
仕方なく準備を始める

「…えっ、そんなにちゅーして欲しかったの!?」友人が顔を上げる

「……ほんと帰れ」
友人の方を睨む

「ごめんって、ちゅーしてあげるから!」

「しつこい!」
こっちへかけてきた友人を蹴る

「きゃん!」
と言い、友人は大人しく席へ付いた

小さな鍋が1つに、茶碗が2つ食卓に並べられた。
「…肉がない」
友人が鍋の中を見ながらつぶやく

「仕方ないでしょ、これにするつもり無かったんだから」

「肉がない鍋なんて鍋じゃない!」
友人が私の肩を掴んだ
「買ってきて…!」

「…、あんたが行くなら良いわよ」

「ほんと!お金貸して!」

「ふざけてるの…?あなたの自腹よ」

「そんなぁ…なべぇ…」
友人はしょんぼりしていた

「冷蔵庫に」
そんな友人に向かって、独り言のように話しかける
「…アイスがあるから」

「食べていいの!?」
友人は目をキラキラさせていた

「ええ」

「やったー!ありがと!ちゅーしてもいいよ!」

「…しないわよ」
1度本当にしてやろうかと思った。
友人はどんな反応をするのか…

その時はすっかりストーカーの事なんて忘れていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

身体だけの関係です‐原田巴について‐

みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子) 彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。 ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。 その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。 毎日19時ごろ更新予定 「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。 良ければそちらもお読みください。 身体だけの関係です‐三崎早月について‐ https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

せんせいとおばさん

悠生ゆう
恋愛
創作百合 樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。 ※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...