短編物語パンドラ 【百合】

わまり

文字の大きさ
19 / 81

ロリストーカー 13(ゆき、キー子)

しおりを挟む
なにこの女子力…
ミスもなくテキパキと野菜を切り、炒める
負けてる…私こんなちっちゃな子に…

「ほらキー子さん、手が止まってる。一つ遅れると全体の時間もその分遅れるんだから」
こっちを見ずにいう

「すごいね…ゆきは…」
手際の良さに感心する

「別に、いつもパパとママが遅いから作ってるだけだし…」
照れるゆき、しかし手は止まらない
「でもやっぱり1人でやるより2人がいいや」そう言いこっちを見る

「そう?足でまといに思える…」

出来たビーフシチューは女の子が作ったとは思えない出来で、更に皿がお高そうな…
「…どう?」
ゆきが聞いてくる

「美味しいよ、料理上手いね」
サラダにパンも食卓に並べられた
まけてるなぁ…
それで、食べたら帰っていいのかな…
「ねえ、私はいつまで居ればいい?」

「明日」
手を止め、ボソッと言う
「大丈夫でしょ、今日金曜日」
そう言い私を見た

「やっぱりか…」
ほんとに泊まるんだ…

「だめなら…帰っても…いいよ」
スプーンを置きまた肩を震わせる

どれだけ寂しい思いしてるの、この子
「大丈夫、帰らないよ」
「食べないの?」

そう言うとゆきはスプーンを取り、また食べ始めた


「ねえ、いつも1人でいるの?」
食べながら尋ねる

「…うん。月水金は次の日まで帰らないの。火、木も帰るのは9時くらい」

「ほとんどいないじゃない、寂しいわよそりゃ…」

「でもパパは会社の社長で頑張ってるし、ママもその会社で頑張ってる」
「ワガママなんて言えないよ」
寂しそうにそう言う

この歳でそんな事考えて、自分の気持ち抑えてるんだ。思ってるよりずっと大人じゃないか、この子

「みかもみかの家族がいるし、夜は来れない。だから1人でいるの」

なんで自分の気持ち言わないかなー、そう思い部屋の隅にある人形を見る。寂しく無いようにと親が買ったのだろう。
「ゆきは迷惑かけたくないの?お母さんとお父さんに」

「そうだよ、私が迷惑かけちゃいけない」
きっぱりと言う

「そんな歳で難しい事考えちゃって…」
「少しくらいワガママ言ってもいいんだよ、小さな自分の娘のワガママを無視なんてしないって」

「でも…」

「一回でいいから寂しいって言ってみなよ、私が口挟む権利ないけど」
そう言い微笑んだ
「私だったらいつでも来れるから」

「…うん、そうする」
ゆきも笑った


「ねえ、キー子さんは」
片付けが終わり、テーブルで休んでいるとゆきが話しかけてきた
「あのお姉ちゃんの事好きなの?」

唐突に何を言い出すのこの子…
「え、えと…それは」
つい顔が赤くなる

「ううん、分かってるよ、見てたんだもん。」

わかってるじゃない…
「そうだよ、好きな人」

「でもお姉ちゃんはみかのものなの、取っちゃダメだよ」

「まあ、そもそも委員長は私に冷たいし、無理だよ」
取れるのなら取るって…

「冷たいのは信頼の証だと思う」
ゆきが言う

「?」
それは考えた事無かった。

「でも、取っちゃだめ」
「もし取るっていうなら」
「私が邪魔する」

「別に取らないよ…。邪魔って…何するの?」
呆れながら答える

「それは…」
ゆきは顔を赤くした
「わ、私を…」

なにを言おうとしてるんだろ
沈黙が続き、やっとゆきが決心したように口を開く

「好きになってもらうから…」
ゆきが俯いた

カッと顔が熱くなった。
どういう思考なんだこの子…っ
「な、なっ…!」
普通そこは嘘の情報流すとかするんじゃないの?

「そしたらゆきもあのお姉ちゃんも傷付かない、私は卑怯な事して邪魔したりしないからっ…」
更に顔が赤くなっている

私も顔が熱くなってきた
「や、やれるもんならやってみなよ…」
そう言い、顔を背けた。
心臓がドクドクと跳ねている。
なんでこんな子に…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

身体だけの関係です‐原田巴について‐

みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子) 彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。 ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。 その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。 毎日19時ごろ更新予定 「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。 良ければそちらもお読みください。 身体だけの関係です‐三崎早月について‐ https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

せんせいとおばさん

悠生ゆう
恋愛
創作百合 樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。 ※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...