短編物語パンドラ 【百合】

わまり

文字の大きさ
46 / 81

みゆりこ 10

しおりを挟む
暫く走ってから、私とりこは座り込んだ。
苦しそうに息をしている。
「危なかった…」
隣でりこが泣いていた
「ごめん、私の考えが甘かった」

「…いいの」
首を振り、答えた

木の影に腰掛ける。
疲れが一気に出て、眠くなってきた
だめだ、寝たら…
りこも眠たそうにしていた
「寝ちゃだめだよ…」
はあはあと白い息を吐く

「でも…かなり疲れた…眠…」
りこがうとうとする

「ほら、立って」
このままいると寝てしまいそうなので、りこの手を引いて立ち上がる
「目を覚まして」

「うん…」
りこは目を擦っている。

とぼとぼと歩き出した。
疲れでフラフラしていて、何度もコケそうになる。私達の周りには闇が覆い被さり、足元もほぼ見えていない。上を見ながら進んでいるので茂みにぶつかる事も1度や2度ではなかった。

街の明かりはさっきよりも消えていて、今の時間を思い出させる。あと3時間ちょっと。それで帰れるのだ。
その為に今は逃げないと。

肩に何かがぶつかった。りこがもたれかかっていたのだ。
「こら、立ったまま寝ないの」
そう言ってゆする

「ん…ごめんね…」
そう言って体制を立て直そうとするが、反対側にもグラッと傾く。慌てて肩を掴んだ

「もー、しっかりして」

「だって、眠い…」
大きく欠伸をした

「はー、じゃあ乗る?」
そう言ってしゃがみ、背中を向けた

「おんぶー?いいの…?」
そう言って寄ってきた

「いいわよ、私も眠いから運動しなきゃ」

「ありがとー」
がくんと背中に体重がかかった

「ちょ…急に倒れこまないで」
脚を抱え、おんぶをする

「じゃあ寝るね…少ししたら起こして…」
そう言って顔を埋めた
すぐに寝息が聞こえてきた。

それから暫く、足音は聞こえなかった。


夜明けまであと2時間を切ったところで、りこが目を覚ます。急に動いたのでびっくりした。
「あ、みーちゃん、おはよ…って寒…」

「そりゃそうでしょ」
りこを降ろす

「大丈夫だった?」
りこが私の顔を覗いた

「ええ。なんとか」
運良く相手には会わなかった。
この時間になると、またぽつぽつと街の明かりが点いてくる。もうすぐ、と言っても2時間だが夜が明ける。

すぐに降りられるよう、注意しながらキャンプ場へ歩き始めた。

キャンプ道具に変わりは無かったが、周りには明らかに大量の足跡があった。
「ここも危険だね…」
荷物を抱え、下山の準備を始める
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

処理中です...