短編物語パンドラ 【百合】

わまり

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みゆりこ 11

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空が赤くなってきた。
山の斜面を逃げながら歩き、2時間
ようやく夜が明ける。

空を見上げながら、太陽が昇るのを待つ。
段々明るくなり、青い景色が見えてくる
「やっと…」
長い夜だった。
なにか分からないものに怯え、体力を使う。こんな精神にもくる状態で7時間も歩き続けたのだ。
ほぼ限界である。

「帰れるんだ…!」
りこが昇る太陽をみて嬉しそうにする

テントの道具を抱え、少しづつ足元を確認しながら下山していく。
山道は整備されているのが今分かった。
それに沿って降りる。

暫く歩くと、辺りがほぼ全て見えるくらいには明るくなっていた。
もう少しで山を囲う柵に到達する。と言っても棒に縄を付けただけだが。
今の所足音は聞こえないが、念の為注意を怠らない。

昨日の分で足が痛く、上手く歩けなかった。柵が見えてきた。
あそこを越えたら帰れる。
相手は追ってこないだろうか。
まあろくに見つけられない相手なので、追っては来れないはずだ。

「大丈夫?りこ」
りこに話しかける

「うん…もうすぐだもんね、日も出てきたし…」りこもフラフラだった

手を握って進んでいく。
もうこんな所来たくない。
結局アレが何かは分からなかったが、気になりもしない。

柵が途切れる入口に着く。
入口と言っても、その山の敷地の区切りというだけで何も無い。
柵を潜る。やっと出られた。
「りこ…、帰れるよ…?」
そう言って振り向いた。

りこの目は私の後ろの景色を捉えていた。
街が一望できる。
できる…はずはない。柵があるのは一番下、街の景色なんて見えない。

それに、私の視線の先には柵が無かった。明らかにさっきいた場所とは違う。
どういう事だ?なんで私は下山しているはずなのに山の上にいるのだ?

「みー…ちゃん…」
りこが怯えたように口を開く
「私達、下山したんだよね?」

「そのはずだけど…」

「なのに上にいる…。飛ばされた?」
「くっそー、最後の最後で」

「もう一回行こっか、走って」
山を駆け下り、柵まで走る。

さっきと変わらず柵はあった。
手を繋いで、抜ける


だめだ。さっきと同じ、通った瞬間に上へ戻された。帰れない。
「こんなことって…!」
帰れると思っていたのに、まさかの事態
このまま帰れないのか…?

相手はいるのか?
シュッとマッチを付ける。
相手は来ない。昼は活動できないのかもしれない。

気温が上がっても帰れない。
どうすればいいんだスカートの裾を掴んだ
疲れが溜まっている。
2人でその場に倒れ込んだ。
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