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みゆりこ 12
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眠ってしまっていた。
相手が来ないという安心感はあったが、それよりも帰れないという絶望感が勝っていた。夜は逃げて昼は寝る、なんて最悪な生活をしなければならない。
「帰れない…んだ…」
私達はこれから誰も会うことはできないのか、家族に、そして部長にも。
6月辺りから人が増えるが、それ以前に食料が無い。人が来た所で帰れるのかも怪しいのだ。このま野垂れ死ぬのか。
起きてぼーっとしていたりこが急に肩を震わせて静かに泣いていた。
「帰りたい…帰りたいよ…」
そっと手を乗せ、身体を撫でる
「大丈夫だよ、帰れる」
自分にも言い聞かせるように言った
「だって…」
なにか言おうとしていたが、泣いていて上手く言えない様子だった。
「もう生きられないかもしれないんだよ…?」
私も涙が溢れてきた。
あとどれ位生きられるのだろうか、苦しいのだろうか。もう何もできない。したい事ができない状況。そんなの嫌だ。
りこを連れてまた柵へ行った。越えるが、いつの間に戻っている。それでも何度も行って、越えた。現状を受け止めたくない、どこかに確率があるんじゃないかと思って別の場所からも越えたが、何度やっても出ることはできなかった。
「なんでよ…なんで…なんで…!」
地面に涙が落ちた。歯を食いしばる。
「みーちゃん…」
りこが悲しそうな目で見ていた。
「…ごめん、今は体力を温存しとかないとね。」赤くなった目のまま答える
夜はまた逃げる事になるのだ。
こんな所で無駄な体力は使えない。
寝ていて目が覚めた時には辺りは薄暗くなっていた。街の明かりが目立ってくる。
太陽が沈みそうだ。
ぎゅっとりこの手を握る。
「そろそろか…」
「そうだね」
りこも街を見ていた。
あと何回見ていられるか分からない景色を。
ザッ、と足音が聞こえた
相手が来ないという安心感はあったが、それよりも帰れないという絶望感が勝っていた。夜は逃げて昼は寝る、なんて最悪な生活をしなければならない。
「帰れない…んだ…」
私達はこれから誰も会うことはできないのか、家族に、そして部長にも。
6月辺りから人が増えるが、それ以前に食料が無い。人が来た所で帰れるのかも怪しいのだ。このま野垂れ死ぬのか。
起きてぼーっとしていたりこが急に肩を震わせて静かに泣いていた。
「帰りたい…帰りたいよ…」
そっと手を乗せ、身体を撫でる
「大丈夫だよ、帰れる」
自分にも言い聞かせるように言った
「だって…」
なにか言おうとしていたが、泣いていて上手く言えない様子だった。
「もう生きられないかもしれないんだよ…?」
私も涙が溢れてきた。
あとどれ位生きられるのだろうか、苦しいのだろうか。もう何もできない。したい事ができない状況。そんなの嫌だ。
りこを連れてまた柵へ行った。越えるが、いつの間に戻っている。それでも何度も行って、越えた。現状を受け止めたくない、どこかに確率があるんじゃないかと思って別の場所からも越えたが、何度やっても出ることはできなかった。
「なんでよ…なんで…なんで…!」
地面に涙が落ちた。歯を食いしばる。
「みーちゃん…」
りこが悲しそうな目で見ていた。
「…ごめん、今は体力を温存しとかないとね。」赤くなった目のまま答える
夜はまた逃げる事になるのだ。
こんな所で無駄な体力は使えない。
寝ていて目が覚めた時には辺りは薄暗くなっていた。街の明かりが目立ってくる。
太陽が沈みそうだ。
ぎゅっとりこの手を握る。
「そろそろか…」
「そうだね」
りこも街を見ていた。
あと何回見ていられるか分からない景色を。
ザッ、と足音が聞こえた
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