61 / 81
弁明 3
しおりを挟む
「…また同じ夢…」
目を開けるといつも通りの天井がベッドから見えた。
同じ夢を連続で見るとあまりいい事はないみたいだし…なにかの前兆かも。
目が覚めていたのでベッドから起き上がると、まだ外が暗いのに気が付いた。薄い光がカーテンを通して部屋を照らす。
時計を見ると、5時だった
早く起きすぎた、もう1度寝てもいいかな
ベッドに入るが、すっかり目は覚めていたのでボーッとしている。
いつの間にか寝ていたか、明るい陽の光がカーテンを通して入ってきた。
「いたた…」
壁に背中を当てて寝ていたせいで首が傾き、痛んだ。
授業中もボーッとしていた。どこか気だるさがあり、考えるのは夢の事だった。前見た怖い話を思い出し、それが私にも起きるかと思うと心配になる。
病院のベッドで眠る夢、いつもなら夢を思い出す時は濃い霧がかかっているようで、輪郭だけ覚えていてそしていつか全て忘れてしまうのだが、今回は実際の出来事のように頭にこびりつく。
リアルな風景に、私の感じた感情。
地震だと告げられ、私は生き残った。
もし2017年…起こったとしたら。
……そんなはずはないか。
私に予知能力なんてないし。
夜ベッドで横になりうとうとしていると、またゴーッという音がした。
耳が悪くなったか、今度病院に…
ーーーーー
カチ、カチと時計の音が聞こえる
眠りから覚めた様でもなく、考え事をしていた後急に現実に引き戻された様に周りの状況に気が付く。
白い壁、ベッドの上だ。
(また同じ夢…)
相変わらず声は出ないが、つっかえが少し抜けたような感触がした。
時計を見ると、前回の夢と時刻は変わっていない気がした。ほんとに同じ夢なのかな…不吉。
こうしてベッドに寝かせられ、厚い布団を被せられるが不思議と暑さは感じない。そう言えば私はこの夢で1度も自分の体を見ていない。
右手は動かない。
意識を傾けると、ヒリヒリとした痛みがあるだけだ。
左手は微かに動く。握る事は難しいだろうが、指の関節が第一関節以外問題なく曲がる。
足はほぼ感覚が無く、あるのかとさえ疑う程だ。ゴムが付いているみたい。
この夢は何を暗示しているのか…
周りを見ても、ただの病室で現実感しかなく、不思議な事は今の状況くらいだ。
医師はどれくらい話してくれるか。
地震が起こるのか、何を暗示しているのか。それの手がかりでも見つけられたらいいのだが、医師は私に負担をかけたくないようだ。
手元のスイッチを探すが、どうやら右側にあるみたいだ。右手は動かない。左手で取らないと…
体を捻ろうとするが、足が使えないとかなり難しい。それに、手はともかく腕が上手く曲がらない。右手はほんの少し上下に動かせるだけで、左手は90度が限界だった。
変に体力を使ってしまう。
左手を下ろすと、何かに触れた
ナースコールのようだ、こっちにもあるじゃないか…
軽く指先で触れると、数秒後医師と看護師が駆け付けてきた。
(そうか、どうやって伝えればいいんだっけ…)なんとか左手でできないかな、と思い、左腕を少し上げて指を動かす
すると察した医師が
「少し待ってて」
と言って病室を出ていった
何を持ってくるのかと思っていたら、あまり大きくないプラスチックの玩具の様なものだった。子供が言葉を学ぶ時に使う玩具がシンプルになったような。
それを私の左手に近づける
「言いたい事があったらここに並んでる文字を指さして。ゆっくりでいいよ」
実際言われると、何を聞けばいいのか戸惑ってしまう。とりあえず矛盾点でも見つけたい。
私の指の動きを医師が真剣に見つめる。
わ た し の ぐ あ い は ど う で す か
となぞった。
医師は怪我の状態だと気付き、手元の紙を見ながら私に説明した。
「あまりショックに感じて欲しくないけど…」「まず、脳に大きな損傷を受けてね、足がほぼ動かないと思うんだ。発見された時、まだ怪我してから少ししか経ってなかったから、更に大きな被害は免れたんだけど…」
「それと、左手と右手を怪我して筋肉が壊れちゃってる。どんな状態かは君しかわからないけど、辛かったら言ってね」
「ほかに何かある?」
傷に付いては細かいな…
やっぱり現実にしか思えない。私は未来にでも飛ばされたか。
もう1度指でなぞる
ほ か の ひ と は ど こ で す か
私がなぞっていくと、段々医師の顔が険しくなっているのが見えた。
医師が躊躇っていると、看護師が「隠しておくのも…」と言った
医師は黙った後意を決して口を開いた
「君と一緒に見つかったクラスメイト、教師はみんな…」
医師は気まずそうにこちらを見た
「亡くなっているよ、君だけ生き残ったんだ。」
そういう事か、私とクラスメイトが一緒に見つかったという事は授業中に…
夢の中だが少し悲しくなる。
これが予知夢だとしたら、現実は悲惨なものになるだろうな…。
目を開けるといつも通りの天井がベッドから見えた。
同じ夢を連続で見るとあまりいい事はないみたいだし…なにかの前兆かも。
目が覚めていたのでベッドから起き上がると、まだ外が暗いのに気が付いた。薄い光がカーテンを通して部屋を照らす。
時計を見ると、5時だった
早く起きすぎた、もう1度寝てもいいかな
ベッドに入るが、すっかり目は覚めていたのでボーッとしている。
いつの間にか寝ていたか、明るい陽の光がカーテンを通して入ってきた。
「いたた…」
壁に背中を当てて寝ていたせいで首が傾き、痛んだ。
授業中もボーッとしていた。どこか気だるさがあり、考えるのは夢の事だった。前見た怖い話を思い出し、それが私にも起きるかと思うと心配になる。
病院のベッドで眠る夢、いつもなら夢を思い出す時は濃い霧がかかっているようで、輪郭だけ覚えていてそしていつか全て忘れてしまうのだが、今回は実際の出来事のように頭にこびりつく。
リアルな風景に、私の感じた感情。
地震だと告げられ、私は生き残った。
もし2017年…起こったとしたら。
……そんなはずはないか。
私に予知能力なんてないし。
夜ベッドで横になりうとうとしていると、またゴーッという音がした。
耳が悪くなったか、今度病院に…
ーーーーー
カチ、カチと時計の音が聞こえる
眠りから覚めた様でもなく、考え事をしていた後急に現実に引き戻された様に周りの状況に気が付く。
白い壁、ベッドの上だ。
(また同じ夢…)
相変わらず声は出ないが、つっかえが少し抜けたような感触がした。
時計を見ると、前回の夢と時刻は変わっていない気がした。ほんとに同じ夢なのかな…不吉。
こうしてベッドに寝かせられ、厚い布団を被せられるが不思議と暑さは感じない。そう言えば私はこの夢で1度も自分の体を見ていない。
右手は動かない。
意識を傾けると、ヒリヒリとした痛みがあるだけだ。
左手は微かに動く。握る事は難しいだろうが、指の関節が第一関節以外問題なく曲がる。
足はほぼ感覚が無く、あるのかとさえ疑う程だ。ゴムが付いているみたい。
この夢は何を暗示しているのか…
周りを見ても、ただの病室で現実感しかなく、不思議な事は今の状況くらいだ。
医師はどれくらい話してくれるか。
地震が起こるのか、何を暗示しているのか。それの手がかりでも見つけられたらいいのだが、医師は私に負担をかけたくないようだ。
手元のスイッチを探すが、どうやら右側にあるみたいだ。右手は動かない。左手で取らないと…
体を捻ろうとするが、足が使えないとかなり難しい。それに、手はともかく腕が上手く曲がらない。右手はほんの少し上下に動かせるだけで、左手は90度が限界だった。
変に体力を使ってしまう。
左手を下ろすと、何かに触れた
ナースコールのようだ、こっちにもあるじゃないか…
軽く指先で触れると、数秒後医師と看護師が駆け付けてきた。
(そうか、どうやって伝えればいいんだっけ…)なんとか左手でできないかな、と思い、左腕を少し上げて指を動かす
すると察した医師が
「少し待ってて」
と言って病室を出ていった
何を持ってくるのかと思っていたら、あまり大きくないプラスチックの玩具の様なものだった。子供が言葉を学ぶ時に使う玩具がシンプルになったような。
それを私の左手に近づける
「言いたい事があったらここに並んでる文字を指さして。ゆっくりでいいよ」
実際言われると、何を聞けばいいのか戸惑ってしまう。とりあえず矛盾点でも見つけたい。
私の指の動きを医師が真剣に見つめる。
わ た し の ぐ あ い は ど う で す か
となぞった。
医師は怪我の状態だと気付き、手元の紙を見ながら私に説明した。
「あまりショックに感じて欲しくないけど…」「まず、脳に大きな損傷を受けてね、足がほぼ動かないと思うんだ。発見された時、まだ怪我してから少ししか経ってなかったから、更に大きな被害は免れたんだけど…」
「それと、左手と右手を怪我して筋肉が壊れちゃってる。どんな状態かは君しかわからないけど、辛かったら言ってね」
「ほかに何かある?」
傷に付いては細かいな…
やっぱり現実にしか思えない。私は未来にでも飛ばされたか。
もう1度指でなぞる
ほ か の ひ と は ど こ で す か
私がなぞっていくと、段々医師の顔が険しくなっているのが見えた。
医師が躊躇っていると、看護師が「隠しておくのも…」と言った
医師は黙った後意を決して口を開いた
「君と一緒に見つかったクラスメイト、教師はみんな…」
医師は気まずそうにこちらを見た
「亡くなっているよ、君だけ生き残ったんだ。」
そういう事か、私とクラスメイトが一緒に見つかったという事は授業中に…
夢の中だが少し悲しくなる。
これが予知夢だとしたら、現実は悲惨なものになるだろうな…。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる