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弁明 2
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あれからは普通に授業をし、下校した。寝たおかげで眠くならずに済んだ。
学校でも、いまもまだ少しでももやもやする。夢なのに、どうしても夢と思えない。
その日はいつも通りに寝た。
布団に入り、電気を消すとあの夢の感触が思い出される。あの時みたいに不自由ではないが。
…なんで夢のこと考えてるんだろ
確かに、夢なのに忘れないというのは不思議だ。印象に残った夢なら覚えていることもあるのだが、今は鮮明に思い出せる。
もし、もしあれが何かを暗示しているのなら、私はどうなってしまうのだろうか?
そんなことを考えながら目を閉じた。
ゴーッという音がする。
ーーーーー
「…佐伯さん…?」
なにか声が聞こえる。
あれ、病室…昨日の夢みたいな…
「佐伯さん、佐伯さん?」
医師が呼びかける。
またあの夢か。
焦点の定まっていない目を医師に向ける
「どうしました、ボーッとして」
眠りから覚めたような気だるさがあり、「いえ」と声をだそうとするが、出ない。
ゆっくり首を横に振った。
「まだ少し現状が受け入れられていないのでしょう、少しずつ慣れていきましょう」
医師は持っている紙を見て、質問をしてきた。
「なにか今の状況について心当たりはありますか?」
夢だという事くらいだろうか、それ以外はわからない。どういう設定なのか。
それにしてもリアルな夢、私の中学生活の方が夢なのではと思えてくる。
首を横に振った。
「完全に記憶はないのか…」
「なぜ怪我をしたか、とは分かる?」
怪我?私に包帯は巻かれていないが…
じっと医師を見ていると気付いたようで
「そっか、それもわからないんだね」
「君は手術後だ。皮膚は治ってるし、大きな損傷はない。少し動かしづらいだろうが、徐々に慣れるさ」
手術後…、そんなに怪我をしたのか?
私はてっきり病気だと思っていた。
何が起こったのかと聞きたいが、手も動かせないし声も出ない。医師の次の言葉を待つ。
「今の君にあまり負担をかけたくないんだけどね…、大分気になってるだろうし、少しだけ」医師は資料を膝の上に置いて私を見た。
「君は2017年2月26日に起きた大地震に巻き込まれた」「救助されたのが3月8日で、それからはこの状態なんだよ」
地震…?記憶が無い。
いや違う、そもそもこれは夢だから…、リアリティがあり過ぎてついホントの事の様に思ってしまう。
医師の言葉を聞くのも面倒で、ベッドに体を預けた。陽の光が窓から差し込み、白い壁を照らす。
痛みがある夢、夢の中は痛みはないと思ってたんだけどな…
まだ鈍痛がし、手や足はろくに動かせない
金縛りみたいだ、折角の明晰夢だってのに、何も出来やしない。
医師と看護師は私の様子を見て引き上げていった。病室には静寂が訪れる。
数10分ボーッとしていると、段々視界が暗くなってきた。意識が遠のく。
学校でも、いまもまだ少しでももやもやする。夢なのに、どうしても夢と思えない。
その日はいつも通りに寝た。
布団に入り、電気を消すとあの夢の感触が思い出される。あの時みたいに不自由ではないが。
…なんで夢のこと考えてるんだろ
確かに、夢なのに忘れないというのは不思議だ。印象に残った夢なら覚えていることもあるのだが、今は鮮明に思い出せる。
もし、もしあれが何かを暗示しているのなら、私はどうなってしまうのだろうか?
そんなことを考えながら目を閉じた。
ゴーッという音がする。
ーーーーー
「…佐伯さん…?」
なにか声が聞こえる。
あれ、病室…昨日の夢みたいな…
「佐伯さん、佐伯さん?」
医師が呼びかける。
またあの夢か。
焦点の定まっていない目を医師に向ける
「どうしました、ボーッとして」
眠りから覚めたような気だるさがあり、「いえ」と声をだそうとするが、出ない。
ゆっくり首を横に振った。
「まだ少し現状が受け入れられていないのでしょう、少しずつ慣れていきましょう」
医師は持っている紙を見て、質問をしてきた。
「なにか今の状況について心当たりはありますか?」
夢だという事くらいだろうか、それ以外はわからない。どういう設定なのか。
それにしてもリアルな夢、私の中学生活の方が夢なのではと思えてくる。
首を横に振った。
「完全に記憶はないのか…」
「なぜ怪我をしたか、とは分かる?」
怪我?私に包帯は巻かれていないが…
じっと医師を見ていると気付いたようで
「そっか、それもわからないんだね」
「君は手術後だ。皮膚は治ってるし、大きな損傷はない。少し動かしづらいだろうが、徐々に慣れるさ」
手術後…、そんなに怪我をしたのか?
私はてっきり病気だと思っていた。
何が起こったのかと聞きたいが、手も動かせないし声も出ない。医師の次の言葉を待つ。
「今の君にあまり負担をかけたくないんだけどね…、大分気になってるだろうし、少しだけ」医師は資料を膝の上に置いて私を見た。
「君は2017年2月26日に起きた大地震に巻き込まれた」「救助されたのが3月8日で、それからはこの状態なんだよ」
地震…?記憶が無い。
いや違う、そもそもこれは夢だから…、リアリティがあり過ぎてついホントの事の様に思ってしまう。
医師の言葉を聞くのも面倒で、ベッドに体を預けた。陽の光が窓から差し込み、白い壁を照らす。
痛みがある夢、夢の中は痛みはないと思ってたんだけどな…
まだ鈍痛がし、手や足はろくに動かせない
金縛りみたいだ、折角の明晰夢だってのに、何も出来やしない。
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