短編物語パンドラ 【百合】

わまり

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弁明 23

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「お邪魔します」
カノが家に来た。

「私の部屋でいい?」
荷物を持ったカノに聞く。
荷物と言っても鞄の中に服がはいっているだけなのだが。
「両親も帰るの少し遅くなるみたい」

「そっか、じゃあ…」
カノは少し顔を赤らめた
「そうだ、ご飯って作るの?」

「うん、材料はあるから何作ろうかなって思ってたとこ」
「カレー辺りが手軽かな」

「じゃあ手伝うね」
元気よく私の横に並び、キッチンについていく。

「いいよお客様なんだし…」

「今日は泊まるだけ、別にお客様なんかじゃないよ」そう言うとカノは冷蔵庫を見始めた「うん、それ以外も作れるけどカレーにしよっか」

「料理できるの?」
カノが料理する所なんて見たこと無かったので、首を傾げる

「できるよ、任せといて」

ほとんどカノが仕上げてしまい、私は切るのと時間を測るのしかやっていない。

食後、カノが風呂に入らないかと誘ってきた。「でももう中学生…」

「いいじゃんたまには、一緒に入ろうよ」
強引に手を引いて誘ってくる。

「…わかった、まってて」
そう言って部屋に引き返す。
パジャマを取り、風呂場へ向かった。
泊まる時に一緒に風呂に入るなんて、中学生ですると思っていなかった。

風呂場の前にはすでにカノがいた。
私はとっくに入ってるものだと思っていた
「先、入らないの…?」

「もしかして脱ぐの見られるの恥ずかしい?」「風呂場ではどうせ裸なんだし、いいじゃん」
カノが脱ぎ始めた。つい目を逸らしてしまう。

「そ、そうだけど…」
なるべくゆっくりと脱ぐ。
カノが入った所で少し手を止め、深呼吸をする。どこか身体に変な所はないだろうか、なぜか恥ずかしい…

手で隠しながら風呂場に入る
「なに恥ずかしがってるの?女同士じゃん、いつものと少しキャラ違う…」

「だって…」
「それと、あんま見ないで…」
入口に立つ私を眺めている。
ささっと体を流し、洗い始める
横ではカノが体を洗っているが、時折こちらを見てくる。

「背中、洗おっか?」
私が石鹸を手で伸ばしている時、髪を洗ったカノが言ってきた。

「い、いいよ…」

「遠慮しないの、というか否定してもやるつもりだったし」
そう言うと後ろに回り込み、背中に手を当てた。暖かい感触がする。

「ねえ、長くない…?」
私は背中を丸めてじっとしていた。
ずっと背中を手で擦られている。

「あ、ごめん無心になってた」
カノは慌てて洗い流す

私とカノで湯船に浸かる
「少し狭いね」
二人も入ると湯船は小さく、体が当たって引いてしまう。

「うん…」
ぼーっとした顔でカノが答えた
さっきからこんな状態で、どうしたんだろ

「カノ?のぼせた?」
顔をのぞき込んで聞く

「ううん、そうじゃないよ」
壁にもたれ、私をじっと見つめる。
長い間見られていたので、少し気まずくなって目を逸らした。
「ねえ、ちょっと聞きたいことがあるの」

私はカノに顔を向けた
「聞きたいこと?」

「うん、この前地震が起こるって、そう言ってたじゃん」
カノは湯船に肩まで浸かった

「そうだね」
その話題を持ち出されるとは思っていなかった。少し緊張する。

「私、信じるからさ」
「その事について、もっと教えて欲しいの」真剣な眼差しでカノは私を見つめる。
冗談には見えなく、信じてもらえるかどうかはともかく、聞いて欲しかった私としては嬉しい事だった。

「ほんと…?」
念のために聞く

「ほんとだよ」

カノになら言える、そう思って私は話し始めた。
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