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1 ストーカー?
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例えるなら子猫
私を親だと思ったのだろうか、
にしては隠れるものだ。
スマホを取り出し、内カメラにして後ろの動画を撮影する。
今日もいる。毎日付いてくる。
電柱、人、壁に隠れて付いてくる
短い足でちょこちょこと。
(下手だなぁ、隠れるの)
身長130センチくらいの、ピンクのセーターを着た女の子が今日も付いてくる。
四ヶ月前
悩みが出来た
毎日届く赤い封筒に入った手紙、家だけではなく学校にも届く。
初めて届いた日、中身を開けると新聞の字を切り取って貼ったような、いかにも犯人の脅迫状の様な手紙が入っていた。
恐る恐る読むと
「すきです」
と書かれた後、いかにも適当に新聞の欠片が貼り付けられていた。
翌日、また届いたので見てみた
「あいしてる」
と書かれた後、また適当に新聞の欠片が貼られていた。
その翌日、流石に怖くなったので無視して捨てていた。手紙が止む気配はない。
「ストーカー…」
ふと頭によぎる五文字、
まさか私が…
なにかしただろうか、同じ学校だっただろうか。学校の友達や、自分を見てくる人に疑いの目を向ける。
警察に言っても相手をしてもらえるだろうか。いや、手紙が届くだけで実害はない。取り合って貰えないだろう。
(どうしよう…)
こんなのいつまで続くんだろう、エスカレートしないのを願う。
月曜日、この事を友人に相談した
「委員長がー?そりゃまたなんで」
「理由なら私が知りたいって…」
「委員長モテ期到来だねー、よかったじゃん、熱烈な愛を受けてるよ!」
「有難くない愛だね、実害がないだけまだマシ」はーっ、と溜息をつき、友人を見る
「今どきあの新聞切り抜きだなんて古いねー、あはは」
「おっさんかもね」
と言い笑っている
「それは最悪…」
でもその可能性が高い。
本当にやり方が臭い。
レイプなんてされないよな…
「夜道は気を付けてねー、私も付いてくよ!」
「じゃあそうして…今の所付けられてはいないけど…」
「そのストーカーさんが手紙を入れる所は見たことあるの?」
「いえ、いつも朝いつの間にかある感じ」
「へー、じゃあ深夜かな?待機してみれば?」顎に手を当て、友人は少し身を乗り出した。何か期待してる…?
「やだよ…面倒くさい」
「でも気になるじゃん!私もいっしょにいるからさ!寝たければ寝てもいいよー!」
そういう事か、まあ寝てもいいんなら任せてみるかな。
「わかった、じゃあよろしく」
「うん!今夜行くね!」
そう言うと友人は席へ戻って行った
夜、友人が訪ねてきた
「ひっさしぶりだね!委員長のお家」
「そうね、私もあげたの久しぶりだよ」
布団を用意する
「さて、私お腹空いたー!」
腹を叩きながら友人が叫ぶ
「は?」
手を止め、友人を見る
「ん?夕食」
「食べてきてないの?てっきり食べてるもんだと」
「あは、そんなわけないじゃん!折角来たんだよ!さあ夕食!」
「食べてきて」
玄関を指差す
「うん!今からここで食べるよ!」
友人は席に付いている
「いえ、あなたの家でよ」
「そ、そんな!ひどい!」
びっくりした様子で友人が言う
「なに奢らせようとしてるのよ…」
「えー!お願い!食べさせてくれたら今はちゅーするの許可してあげるから!」
手を合わせ、頭を下げる友人
「いっつも私がキスをねだってるような言い方やめなさい」
「食べてきなさいよ」
そう言っても友人は動こうとしない
「お願い…!」
と言うだけだ
「…ったく…仕方ないわね、鍋でいい?ろくに食材ないんだから」
仕方なく準備を始める
「…えっ、そんなにちゅーして欲しかったの!?」友人が顔を上げる
「……ほんと帰れ」
友人の方を睨む
「ごめんって、ちゅーしてあげるから!」
「しつこい!」
こっちへかけてきた友人を蹴る
「きゃん!」
と言い、友人は大人しく席へ付いた
小さな鍋が1つに、茶碗が2つ食卓に並べられた。
「…肉がない」
友人が鍋の中を見ながらつぶやく
「仕方ないでしょ、これにするつもり無かったんだから」
「肉がない鍋なんて鍋じゃない!」
友人が私の肩を掴んだ
「買ってきて…!」
「…、あんたが行くなら良いわよ」
「ほんと!お金貸して!」
「ふざけてるの…?あなたの自腹よ」
「そんなぁ…なべぇ…」
友人はしょんぼりしていた
「冷蔵庫に」
そんな友人に向かって、独り言のように話しかける
「…アイスがあるから」
「食べていいの!?」
友人は目をキラキラさせていた
「ええ」
「やったー!ありがと!ちゅーしてもいいよ!」
「…しないわよ」
1度本当にしてやろうかと思った。
友人はどんな反応をするのか…
その時はすっかりストーカーの事なんて忘れていた。
私を親だと思ったのだろうか、
にしては隠れるものだ。
スマホを取り出し、内カメラにして後ろの動画を撮影する。
今日もいる。毎日付いてくる。
電柱、人、壁に隠れて付いてくる
短い足でちょこちょこと。
(下手だなぁ、隠れるの)
身長130センチくらいの、ピンクのセーターを着た女の子が今日も付いてくる。
四ヶ月前
悩みが出来た
毎日届く赤い封筒に入った手紙、家だけではなく学校にも届く。
初めて届いた日、中身を開けると新聞の字を切り取って貼ったような、いかにも犯人の脅迫状の様な手紙が入っていた。
恐る恐る読むと
「すきです」
と書かれた後、いかにも適当に新聞の欠片が貼り付けられていた。
翌日、また届いたので見てみた
「あいしてる」
と書かれた後、また適当に新聞の欠片が貼られていた。
その翌日、流石に怖くなったので無視して捨てていた。手紙が止む気配はない。
「ストーカー…」
ふと頭によぎる五文字、
まさか私が…
なにかしただろうか、同じ学校だっただろうか。学校の友達や、自分を見てくる人に疑いの目を向ける。
警察に言っても相手をしてもらえるだろうか。いや、手紙が届くだけで実害はない。取り合って貰えないだろう。
(どうしよう…)
こんなのいつまで続くんだろう、エスカレートしないのを願う。
月曜日、この事を友人に相談した
「委員長がー?そりゃまたなんで」
「理由なら私が知りたいって…」
「委員長モテ期到来だねー、よかったじゃん、熱烈な愛を受けてるよ!」
「有難くない愛だね、実害がないだけまだマシ」はーっ、と溜息をつき、友人を見る
「今どきあの新聞切り抜きだなんて古いねー、あはは」
「おっさんかもね」
と言い笑っている
「それは最悪…」
でもその可能性が高い。
本当にやり方が臭い。
レイプなんてされないよな…
「夜道は気を付けてねー、私も付いてくよ!」
「じゃあそうして…今の所付けられてはいないけど…」
「そのストーカーさんが手紙を入れる所は見たことあるの?」
「いえ、いつも朝いつの間にかある感じ」
「へー、じゃあ深夜かな?待機してみれば?」顎に手を当て、友人は少し身を乗り出した。何か期待してる…?
「やだよ…面倒くさい」
「でも気になるじゃん!私もいっしょにいるからさ!寝たければ寝てもいいよー!」
そういう事か、まあ寝てもいいんなら任せてみるかな。
「わかった、じゃあよろしく」
「うん!今夜行くね!」
そう言うと友人は席へ戻って行った
夜、友人が訪ねてきた
「ひっさしぶりだね!委員長のお家」
「そうね、私もあげたの久しぶりだよ」
布団を用意する
「さて、私お腹空いたー!」
腹を叩きながら友人が叫ぶ
「は?」
手を止め、友人を見る
「ん?夕食」
「食べてきてないの?てっきり食べてるもんだと」
「あは、そんなわけないじゃん!折角来たんだよ!さあ夕食!」
「食べてきて」
玄関を指差す
「うん!今からここで食べるよ!」
友人は席に付いている
「いえ、あなたの家でよ」
「そ、そんな!ひどい!」
びっくりした様子で友人が言う
「なに奢らせようとしてるのよ…」
「えー!お願い!食べさせてくれたら今はちゅーするの許可してあげるから!」
手を合わせ、頭を下げる友人
「いっつも私がキスをねだってるような言い方やめなさい」
「食べてきなさいよ」
そう言っても友人は動こうとしない
「お願い…!」
と言うだけだ
「…ったく…仕方ないわね、鍋でいい?ろくに食材ないんだから」
仕方なく準備を始める
「…えっ、そんなにちゅーして欲しかったの!?」友人が顔を上げる
「……ほんと帰れ」
友人の方を睨む
「ごめんって、ちゅーしてあげるから!」
「しつこい!」
こっちへかけてきた友人を蹴る
「きゃん!」
と言い、友人は大人しく席へ付いた
小さな鍋が1つに、茶碗が2つ食卓に並べられた。
「…肉がない」
友人が鍋の中を見ながらつぶやく
「仕方ないでしょ、これにするつもり無かったんだから」
「肉がない鍋なんて鍋じゃない!」
友人が私の肩を掴んだ
「買ってきて…!」
「…、あんたが行くなら良いわよ」
「ほんと!お金貸して!」
「ふざけてるの…?あなたの自腹よ」
「そんなぁ…なべぇ…」
友人はしょんぼりしていた
「冷蔵庫に」
そんな友人に向かって、独り言のように話しかける
「…アイスがあるから」
「食べていいの!?」
友人は目をキラキラさせていた
「ええ」
「やったー!ありがと!ちゅーしてもいいよ!」
「…しないわよ」
1度本当にしてやろうかと思った。
友人はどんな反応をするのか…
その時はすっかりストーカーの事なんて忘れていた。
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