★淫・呪・秘・転★カテナ・コピディタス編

流転小石

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第三章 闇の瞑想

第50話 地に落ちた存在

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一瞬で地上に転移してきた”闇のテネブリス”。

「クソッ、失敗したか。まぁいいや、龍国がダメなら地上を破壊して全部私の物にしてやるだけよ」


”闇のテネブリス”は自らの力を開放した。


今は地上に存在する人族と同等の大きさだが変身の魔法を解きはなち、力を開放すると本来の巨大な龍になる。

転移された場所は大陸の中ほどだ。
巨大な実験動物が我が物顔で闊歩している。
それは龍国で作られた実験体だ。
様々な生物に眷族たる僕の身体情報を取り入れ意図的に生み出された存在。
実験体同士の身体情報を組み込んだり交配させたりと様々な種類の実験で産まれた生物だ。
地上の者達は言葉の通じない理性に欠けるそれらを”魔物”と呼んだ。
逆に種族を形成し意思の疎通が出来る存在を”獣人”や亜人と区別するようになっていた。

もっとも、人族も一部の僕達と交配する事で別の種族や、大量の魔素を内包する上位の人族として君臨するようになっていた。

そんな魔物の往来する大陸の中に1人の女性が現れると、濃密な魔素を感知したり匂いを嗅ぎつけ集まってくる巨大な魔物たちだ。

回りに集まって来た巨大で凶暴な魔物達。
その中心が、更に濃密な魔素を撒き散らしながら巨大化していった。

暗黒龍テネブリス・アダマスの全長はおよそ70km。
翼を広げると130kmにもなる巨大さだ。

先程まで見下ろしていた小さな存在が猛烈な勢いで巨大化し、恐ろしい魔素を発散している。
全ての魔物達はその魔素を感じ取った段階で、警戒し後ずさりしていたが、一斉に逃げ出したのだった。

それは後ろを振り返る事も無く脱兎の勢い以上の必死さだった。
小さな魔物は大きな魔物に踏みつぶされて行く。
山のように大きな魔物だと自負していた魔物も、本当に山の様な存在を感じとり必死に逃げていた。

そんな魔物達に逃げる場所など無い。
ただただ遠くに逃げる事で精いっぱいなのだ。
思考は殺されないように、喰われない様に逃げるだけだ。

全く持って遺憾の意を表明したい巨大な存在。
(誰がお前達など喰うかっ・・・だけど目障りね)

咆哮。
それは天と地、大陸と世界に轟く神とまで呼ばれた龍の咆哮だった。

逃げていた魔物達は驚き転び、1000km先まで居た動く存在が一斉にその場を離れる様に逃げ出した。
翼の有る者は飛び立ち、地を這う者は振り返りもせず、野生の感で逃げて行った。


本来の姿となった”闇のテネブリス”は眼下に見える存在が気に入らなかった。
それは集落や小さな町と言える存在。

悠久の時を求めていたが発展する文化が著しく遅く、この大陸の文明が”闇のテネブリス”が望むまでには至らなかった。
それも苛立ちの原因だろう。

(消えてしまえば良いわ)

大昔、始祖龍と一緒に不良品を処分して以来のブレスだ。
テネブリスのブレスは全てを消滅させる凶悪な力だ。

龍国ではブレス攻撃の強化魔法陣や、範囲を指定する魔法陣も開発され、テネブリスのブレスも強力過ぎるので無に帰す威力を弱める魔法陣をアルブマに開発してもらった経緯が有り、常にその魔法陣は発動している。

これは、もしも間違って同族に向けた場合、同族の魔法防御で対処できる程度にした為だ。

40kmほどの上空から勢い良く放たれた”死のブレス”。
その黒い炎の様なブレスは全てを燃やし消していった。
そこに存在していた”生”は全て死に絶えていた。
生命の全て。
大地は全ての水分が消失し、サラサラと風に飛ばされて行く。
空は酸素が無くなるが風が掻き消して元に戻る。

大きな地響きを鳴らし大地を蹂躙する”闇のテネブリス”。


※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero


一方の龍国では
聖玉を大事そうに持ち、全員に説明するアルブマだった。

「みんな、驚かせちゃたわねぇ。でも、この事は私と大神であるお母様と出した結論なの。本当は逆だったけどね、土壇場でお姉様から真相を聞いてこうなったのよ」

近づいて来た同族と使徒達がアルブマの持つ聖玉を見ている。

(みんな、心配をかけたわ。ごめんなさいね)
「姉貴なのか!?」
「姉上の念話だ」
「姉ちゃん・・・良かったぁ」
「お母様・・・」

同族と使徒のベルムが声をかける。

(アルブマ、良く聞こえないから念話するように言ってちょうだい)
「みなさん、言葉よりも念話の方がお姉様に良く聞こえると思うわ」

全員が初めての経験に驚愕するが、テネブリスが無事に本体に戻る事を研究する事で落ち着いたのだが、中央管理室で世界の状況を観察していた者が慌てふためき地上に向かう為、転移魔法を発動する所だった。








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誰が行く?
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