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第三章 闇の瞑想
第56話 地に落ちた存在7
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二度目のクイナ・プレチェプタが放たれた。
再度大陸に襲う激しい光と爆風に爆音だ。
既にこの状況を見ていられる者は現場の龍人たちと遥か彼方の存在だけだった。
直後に人化したラソンがロサの核に向って魔法陣を使う。
「サカール!!」
するとどうだろう。
魔法陣を介し核から白い靄が出て来た。
ベルムからオルキスを経由してラソンに渡された”黒くて小さな人型の人形”を取り出した。
白い靄は小さな黒い人形を憑代として徐々に大きなって言った。
大きくなったとはいえ、幼児の大きさだ。
ラソンは幼児を抱きかかえ全員の顔を見た。
「良し、では五方陣にて封印の魔法陣を行なう」
即座にそれぞれの配置に陣取る龍人達。
「我らが父たる神よ、次なる目覚めの為にしばしの間、眠られい」
「「「コンテール!!」」」
フィドキアの掛け声と共に同時に魔法陣を放つ龍人達。
封印は見事に成功し、辺りから不快な魔素が消え去った。
とは言え、目の前にはロサの核がそのまま存在する。
この封印は核を何かに封印するものでは無く、禍々しい魔素を抑え込み棘の触手を封印するものだ。
ホッとしているのは龍人たち同様に見ていたオルキスも同じだが、野晒しのままでは別の問題が生じる。
そこに意を決して声を上げる者がいた。
「私が行ってきます」
オルキス達が振り向くとロサに似た男が立っていた。
「アルセ・ティロ!! 貴男が向かうと言うのですか!?」
「はい、我が創造主である父上を守る壁と屋根を作りましょう」
そこに口を出すもう1人の存在が現れた。
「では壁よりも家。それよりも小さなお城の方が良いわね」
「ベルム・プリム様」
オルキスがロサの創造主に気づく。
「皆さん、心配をかけましたね。大神様の予知夢ではロサが元の姿に戻るのは随分と先になると仰いました。我らはそれを信じ見守るのです」
「「「・・・」」」
本当は反論したいが無言で抵抗し、瞳をウルウルさせるオルキス達一同だ。
「解っています。どれほど待つのか想像も出来ませんが戻ったら当分の間、貴女達の自由にして構いませんよ」
全員不満だった顔が一斉に満面の笑みになった。
「それでね、多分ロサの心はあの場所に留まりたいはずよ。だからアルセ・ティロともう1人現地の近くで監視役を置きます」
「それは・・・」
オルキス以外も、もしかしたら自分がその”片翼”たる存在に抜擢されるのではないかと固唾を飲んだ。
「星の妖精王ヴィオレタ・ルルディ!! 出て来なさい」
「はい、御側に」
即座に現れたのは紫の髪を持つ背に羽の生えた女性だった。
「ヴィオレタ!! ヴィオレタが下界に行くのですか?」
「ええそうよ。これは神々がお決めになった事よオルキス」
オルキスの質問に応えたのはベルスだった。
「お母様・・・」
神々にもロサの片翼は自分だと認めてもらっていたため、当然のように自分が下界に行くものだと思い込んでいたオルキスだ。
とは言え、他のビダであれば反論もするが彼女であれば納得して諦めるしかない。
何故ならば最愛の者と”協同創生”した存在がヴィオレタ・ルルディなのだから。
「ですがヴィオレタは龍国の重要な役割が有るのでは?」
「大丈夫よ。それは星の精霊王にお願いしてあるから」
龍国内おいて目視できる形の有る物を管理する者が星の妖精王の役割で、目視出来ない形の無い物を管理する者が星の精霊王の役割なのだ。
今回の一連の事柄は例外とし龍国内総出で対処せよとの大神の指示だった。
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
封印されたロサの元を訪れたアルセ・ティロとヴィオレタ・ルルディがフィドキア達龍人に説明した。
ロサの核の周りに植物で城と囲いを作り、小さなロサを住まわせると言う。
そしてテネブリスが暴れている間はヴィオレタ・ルルディが認識阻害の結界を張り守ると言う。
小さなロサを現地に滞在させる事に、龍人たちからは反対意見も出た。
しかし本人の強い希望で現実となる。
またヴィオレタ・ルルディの結界が神と呼ぶ存在のテネブリスにどれだけ効果が有るのかも指摘されたがロサが効果を増幅させると言う。
小さなロサは、その姿で以前の記憶を宿している。
「しかし、この姿では恰好がつかないなぁ・・・ふむ・・・良し、これからはコラソンと呼ぶが良い」
「そうは言われましても父上、皆に示しも付きませんし・・・」
「心配するなフィドキアよ。いずれ元の姿に戻るのだから、それまでの話しだ」
アルセ・ティロが小さな城と囲いを棘で作り”コラソン”の指示でヴィオレタ・ルルディと共に離れた場所で監視する事になった。
魔素の少なくなった下界では肉体を長期維持する事が難しく、自ら作り出した素体に何度も転生する事が出来るヴィオレタ・ルルディ。
既に龍国では転生の実験運用が実用化され実験を重ねている段階である。
とは言え数年で”それ”が出来る筈は無かった。
数百年どころか千年も万年でも足りない時間を費やしたのだ。
とある暗黒たる存在から協力を求められた聖光の力により”切掛け”を作る事に成功し生体実験を繰り返して結果、1つの魔法陣として完成した後も試行錯誤した完成形が妖精輪廻華王と呼ばれる事となるヴィオレタ・ルルディだ。
また認識阻害の結界を良い事に、こっそりと転移して愛らしいコラソンを”こねくり回す”オルキスだったが、結局同族達が順番に訪れる事となっていた。
Epílogo
1つは、今の状態からロサの魂魄を取り出し憑依させる魔法陣。Sacarサカール(す)
1つは、龍人達でロサの核を大地に封印する魔法陣。Conterコンテール(ぽ)
再度大陸に襲う激しい光と爆風に爆音だ。
既にこの状況を見ていられる者は現場の龍人たちと遥か彼方の存在だけだった。
直後に人化したラソンがロサの核に向って魔法陣を使う。
「サカール!!」
するとどうだろう。
魔法陣を介し核から白い靄が出て来た。
ベルムからオルキスを経由してラソンに渡された”黒くて小さな人型の人形”を取り出した。
白い靄は小さな黒い人形を憑代として徐々に大きなって言った。
大きくなったとはいえ、幼児の大きさだ。
ラソンは幼児を抱きかかえ全員の顔を見た。
「良し、では五方陣にて封印の魔法陣を行なう」
即座にそれぞれの配置に陣取る龍人達。
「我らが父たる神よ、次なる目覚めの為にしばしの間、眠られい」
「「「コンテール!!」」」
フィドキアの掛け声と共に同時に魔法陣を放つ龍人達。
封印は見事に成功し、辺りから不快な魔素が消え去った。
とは言え、目の前にはロサの核がそのまま存在する。
この封印は核を何かに封印するものでは無く、禍々しい魔素を抑え込み棘の触手を封印するものだ。
ホッとしているのは龍人たち同様に見ていたオルキスも同じだが、野晒しのままでは別の問題が生じる。
そこに意を決して声を上げる者がいた。
「私が行ってきます」
オルキス達が振り向くとロサに似た男が立っていた。
「アルセ・ティロ!! 貴男が向かうと言うのですか!?」
「はい、我が創造主である父上を守る壁と屋根を作りましょう」
そこに口を出すもう1人の存在が現れた。
「では壁よりも家。それよりも小さなお城の方が良いわね」
「ベルム・プリム様」
オルキスがロサの創造主に気づく。
「皆さん、心配をかけましたね。大神様の予知夢ではロサが元の姿に戻るのは随分と先になると仰いました。我らはそれを信じ見守るのです」
「「「・・・」」」
本当は反論したいが無言で抵抗し、瞳をウルウルさせるオルキス達一同だ。
「解っています。どれほど待つのか想像も出来ませんが戻ったら当分の間、貴女達の自由にして構いませんよ」
全員不満だった顔が一斉に満面の笑みになった。
「それでね、多分ロサの心はあの場所に留まりたいはずよ。だからアルセ・ティロともう1人現地の近くで監視役を置きます」
「それは・・・」
オルキス以外も、もしかしたら自分がその”片翼”たる存在に抜擢されるのではないかと固唾を飲んだ。
「星の妖精王ヴィオレタ・ルルディ!! 出て来なさい」
「はい、御側に」
即座に現れたのは紫の髪を持つ背に羽の生えた女性だった。
「ヴィオレタ!! ヴィオレタが下界に行くのですか?」
「ええそうよ。これは神々がお決めになった事よオルキス」
オルキスの質問に応えたのはベルスだった。
「お母様・・・」
神々にもロサの片翼は自分だと認めてもらっていたため、当然のように自分が下界に行くものだと思い込んでいたオルキスだ。
とは言え、他のビダであれば反論もするが彼女であれば納得して諦めるしかない。
何故ならば最愛の者と”協同創生”した存在がヴィオレタ・ルルディなのだから。
「ですがヴィオレタは龍国の重要な役割が有るのでは?」
「大丈夫よ。それは星の精霊王にお願いしてあるから」
龍国内おいて目視できる形の有る物を管理する者が星の妖精王の役割で、目視出来ない形の無い物を管理する者が星の精霊王の役割なのだ。
今回の一連の事柄は例外とし龍国内総出で対処せよとの大神の指示だった。
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
封印されたロサの元を訪れたアルセ・ティロとヴィオレタ・ルルディがフィドキア達龍人に説明した。
ロサの核の周りに植物で城と囲いを作り、小さなロサを住まわせると言う。
そしてテネブリスが暴れている間はヴィオレタ・ルルディが認識阻害の結界を張り守ると言う。
小さなロサを現地に滞在させる事に、龍人たちからは反対意見も出た。
しかし本人の強い希望で現実となる。
またヴィオレタ・ルルディの結界が神と呼ぶ存在のテネブリスにどれだけ効果が有るのかも指摘されたがロサが効果を増幅させると言う。
小さなロサは、その姿で以前の記憶を宿している。
「しかし、この姿では恰好がつかないなぁ・・・ふむ・・・良し、これからはコラソンと呼ぶが良い」
「そうは言われましても父上、皆に示しも付きませんし・・・」
「心配するなフィドキアよ。いずれ元の姿に戻るのだから、それまでの話しだ」
アルセ・ティロが小さな城と囲いを棘で作り”コラソン”の指示でヴィオレタ・ルルディと共に離れた場所で監視する事になった。
魔素の少なくなった下界では肉体を長期維持する事が難しく、自ら作り出した素体に何度も転生する事が出来るヴィオレタ・ルルディ。
既に龍国では転生の実験運用が実用化され実験を重ねている段階である。
とは言え数年で”それ”が出来る筈は無かった。
数百年どころか千年も万年でも足りない時間を費やしたのだ。
とある暗黒たる存在から協力を求められた聖光の力により”切掛け”を作る事に成功し生体実験を繰り返して結果、1つの魔法陣として完成した後も試行錯誤した完成形が妖精輪廻華王と呼ばれる事となるヴィオレタ・ルルディだ。
また認識阻害の結界を良い事に、こっそりと転移して愛らしいコラソンを”こねくり回す”オルキスだったが、結局同族達が順番に訪れる事となっていた。
Epílogo
1つは、今の状態からロサの魂魄を取り出し憑依させる魔法陣。Sacarサカール(す)
1つは、龍人達でロサの核を大地に封印する魔法陣。Conterコンテール(ぽ)
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