★淫・呪・秘・転★カテナ・コピディタス編

流転小石

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第四章 過去の真実と未来への希望

第80話 協力

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原生林の中心には巨大な木が立っていた。
樹齢は千や万ではきかない老巨木だ。

「コヤツ、このような姿で生きておったのか」
オルギデア・ロサ・ティロが壁の様な老木に手を当てて魔素を送り込んでいると声がした。

「そこで何をしている! それは我らが守り神、神代の霊木だぞ! 手を離せ!」
慌てて飛んできたヴィオレタ・ルルディが叫んだ。

「久しぶりだな、ヴィオレタ・ルルディ」
声を掛けるフィドキアだ。

「後ろのヤツは誰だ! 手をどけろ! 龍人!」
まくしたてるヴィオレタ・ルルディが飛びかかった。
その時 ! 巨大な老木の枝がヴィオレタ・ルルディを捕まえた。

「うるさーなールルデは、おとなすくすろ」
巨大な幹から現れた顔のような部分から声がする。

「われにマソを送ってるの、おまは誰ぞ」
「フ~ム。あれから、どれだけの時が流れたのか分からないが、随分と久しぶりにお前の声を聴いたがなまっているぞ、アルセ・ティロよ」

辺りが静まり返る。
老木の目が巨大になりオルギデア・ロサ・ティロを見下ろした。
バキバキ、バサバサと老木が震え表皮が崩れ落ちているのが解る。

「いっ、一体どうしたのですか長老!」
叫ぶヴィオレタ・ルルディ。

「嬉しくて身震いしているのさ」
そう答えるフィドキア。

「そっ、その名。いまは誰も知らんワレの名と、この魔素。そっ、それにその姿は! おおおおおおおぉぉぉ!!!」
小刻みに震えていた老木が緑色の葉を付け、一斉に花を咲かせた! 

「御久しゅうございます。”ロサ様”。我が創造主である父よ」
変な喋りが無くなった老木のアルセ・ティロ。
満開の紅い花を咲かせる巨大な老木に島中の妖精が集まって来た。

アルセ・ティロは世界に数本しか居ない始まりの原木げんぼくのうち最も古い一本。紅い花を咲かせるのがロサの血脈を証明し、種族は違うがフィドキアの弟になる。

300年周期で転生し代々棘王を見守る役目をになっていた聖妖輪廻華王ヴィオレタ・ルルディだが、度重なる転生で元のロサの姿、形は既に忘却の彼方にあったのだ。

「ルルディ様! こちらの方達は一体誰ですか?」
「多分あの方が・・・」

自信の無かったヴィオレタ・ルルディにフィドキアが答える。
「棘王となっておられたが、再生して元のお姿に戻られたオルギデア・ロサ・ティロ様だ」
「「「えええええっっっ!」」」
妖精たちが驚いいた。

「アルセ・ティロよ、久しぶりに私と共に来い」
「ロサ様、有り難きお言葉ですが、私の魔素はほとんど無く、この大樹と成り果てた身体も動く事が出来ません」

ロサはしばし考えた後で大樹に当てた手が”めり込んで”身体ごと老木の中に入って行った。

しばらくすると出て来たが、右腕はまだめり込んだままだ。
「どうした早く出て来い」
ロサが呼びかけると手を掴まれた腕が大樹から出て、一気に引っ張り出された。
その姿はロサと良く似た色白で緑色の髪をした青年の姿だった。

「おお、アルセ・ティロ! 昔の姿ではないか!」
懐かしく駆け寄るフィドキア。

「ええ、ロサ様に身体を作って頂きました」
「お前の核に大樹の養分を集めた”だけの事”だ。それに若い姿の方が良いと思ってな」
「ありがとうございます父上」
羨ましそうにみているフィドキアだった。

「オルギデア・ロサ・ティロ様、初めてお目にかかります、ヴィオレタ・ルルディと申します」
聖妖輪廻華王ヴィオレタ・ルルディと配下の妖精が一堂に膝まずいた。

「ヴィオレタ・ルルディよ、度重なる転生で忘れているかも知れないが、その方とお前の初代はお会いしているのだぞ」
「・・・」
老木の中から出て来た若い男に言われ、返す言葉が無かったルルディ。

「あぁ、この身体はロサ様に作って頂いた”在りし日の私だ”」
鈍い妖精たちにフィドキアが教える。

「まだ解らないか? お前たちの守り神だった神代の霊木の核を使い人化して若返ったアルセ・ティロだ」
「ほっ本当ですか!」
ルルディが信じられない顔で聞いて来た。

「我ら龍人が不死なのは知っているな?」
うなずくルルディ。
「我が名と創造主たる父の名において、若返った我が弟のアルセ・ティロに間違い無い」
「「「ハハァァー」」」
ひれ伏す妖精たち。

「所で立ち話もなんだ、どこか落ち着いて話せる場所は無いか?」
ロサの要望に応えるルルディ。
「では、妖精の国にどうぞいらしてください」

案内するルルディに付いて行くロサ、アルセ、フィドキア達に妖精の群れ。
花と木に囲まれた妖精の国では奥の一室に、一同と妖精の重臣が話していた。

その話しはロサを救ってくれた監視対象者が、元棘の森跡地に新しく棘城を作りたいと申し出があって、力を貸して欲しいと頼ってきたことに対して、どのように力を貸すかの意見を出し合っていた。

予備知識として、龍人の存在、監視対象者とコラソンの経緯などを含め城の地下もしくは街中に自分達の施設も作ると申し出が有った事などをフィドキアが説明した。

簡単に決まったのは、街の一番外周りを木か棘で囲う事。
問題なのは城を何で作るかだ。
木や棘は火に弱い。
他の国のように石積みの方が丈夫で長持ちなのは解かっている。

「石や土の魔法が得意なのは”バレンティア”ですが、どうされますか? 父上」
フィドキアがロサに問いかけたのは、もう1人の龍人の事だった。

「ふ~む・・・”アレ”に頼んでみるか」
ロサの言うアレとはバレンティアでは無くて、”プリムラ”と言うロサと同位の存在だった。そしてプリムラの居る場所に転移するロサ。


※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero


龍国内のプリムラの部屋に転移したロサ。

「プリムラ、頼みたい事が有る」
「ロサッ! 私を選んでくれたのねぇ」
「あぁ・・・プリムラ。また今度愛し合う事にしよう」
「嫌っ」
我が儘を言うプリムラの”唇を黙らせる”ロサ。

「ところでプリムラにお願いしたい事が有ってね」
「なぁに言ってみて」
ロサは経緯を説明した。

「・・・と言う訳で城と街を作るのにバレンティアの力を借りたいのだが」
「そうね、貴男を助け出したのだから”その程度”の事であれば良いと思うわ。私から伝えておくわ」
「良かった。じゃ、城作りを手伝って来るからヨロシク!」
「もう! ロサッたら!」


再び妖精国に戻る。
「”バレンティア”の件は頼んできたから連絡が有るだろ」
勝手に居なくなり、問題を解決して現れたロサが考えを告げた。

「この後、私の子孫でもあり私を救ってくれた監視対象者に会うのだが、彼の前ではオルギデア・ロサ・ティロでは無く、成長したコラソンとして会おうと思うがどうだ?」

「ハッ、御心のままに」
フィドキアは久しぶりにロサが自由になれた事が嬉しくて、どんな質問に対しても良い返事をしていたのだった。

「私もお供して宜しいでしょうか?」
そう問いかけて来たのはヴィオレタ・ルルディだった。

「棘王様の監視役として存在していた私達なのにお役に立てなかったので、せめて新しい棘城の為に何かお役に立ちたいのです。オルギデア・ロサ・ティロ様、どうかお願い致します」

その懇願はヒシヒシとロサに伝わった。
「分かった。同行を許そう」
嬉しそうなルルディを放置して考えるロサ。

(我とフィドキア、アルセ、ヴィオレタ・ルルディ、バレンティアか・・・どのような城にするか監視対象者と相談しないとバレンティアに丸投げする訳にはいかんなぁ)

「フィドキアよ、監視対象者と会って状況を確認してから我らが会う時を調整してくれ」
「ハッ、畏まりました」






Epílogo
準備万端。
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