★淫・呪・秘・転★カテナ・コピディタス編

流転小石

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第四章 過去の真実と未来への希望

第81話 ロサの活動

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監視対象者に連絡する為に念話で呼び出したフィドキアだった。
「・・・リアン聞こえるか?」
「あぁ聞こえているよ。どうした?」
「実は棘城の事で会って話がしたいから来てくれるか?」

監視室でいつもの様に声を掛けて居間に向う監視対象者。
「フィドキア~来たぞ~」
「やぁ、待っていたよ」
声を掛けて来たのはカマラダだった。

その横で難しい顔をしたフィドキアが腕組みしている。
ラソンは至って普通だ。

「どうしたの? 3人も居て」
誰に聞いたつもりでは無かったが答えたのはカマラダだ。

「私が君に部屋をもらえる事が気に入らないみたいなのさ、フィドキアが」
「ん? どうして」
仕方なく話すフィドキア。

「我ら龍人にはそれぞれの管轄があって、カマラダの管轄はここでは無いからだ」
「だから? フィドキア様は気に入らないとおっしゃるわけですね?」
監視対象者が急に丁寧な言葉で話すから驚いたフィドキア。

「どのような事情か知りませんがフィドキア様の代わりにいらっしゃったのであれば、私からもお礼をしなくてはと思いお約束をしました。私の勝手な約束で申し訳ありません。フィドキア様はカマラダ様に貸し1つだと思われれば良いのではないでしょうか?」

「あ、あぁ。分かった」
目を丸くしてフィドキアが監視対象者の意表を突いた接し方に戸惑って返事をした。

「じゃお土産食べよう。今日はお菓子の日です」
クスクスと笑いをこらえながら喜んだのはラソンとカマラダだ。
フィドキアは無表情で口一杯に詰め込んでいる。
龍人は甘い物もかなり好きらしい。
ラソンの入れた紅茶を飲む。

「それで、棘城のどんな話だ?」
「お前の要望を我ら龍人が受けようと思ってな」
監視対象者は驚いた。

(冗談のつもりで言った事を真に受けたのか? )
本来ならば何十年とかかる築城と城下町にどんな協力をしてくれるのか内心はドキドキしていた監視対象者にフィドキアから説明があった。

「まず、お前達が考えて提出する物が必要だ」
それは大よその見取り図だ。
城の大きさ、階数、部屋、通路、様々な施設と大きさを図面にして欲しいとの事だった。

「なんでそこまで細かくするのさ、作るのは獣人達だぜ?」
「我らが協力すると言っただろう。龍人の力を使えば城などあっと言う間に出来る!」
自慢げに話すフィドキアに、監視対象者は立ちあがり褒め称えた。
「すげぇー、すげぇーよ! 流石は龍人だ! やっぱり龍人の力は偉大だよなぁ」

監視対象者はフィドキアに向かって普段絶対にしないベタボメをすると、少し照れた様子で「とっ、当然だ」と一言だけ答えた。
他の”2人”は微笑ましく見守る更に質問した。

「城下街はどうするの?」
「城の次に作る」
「龍人最高ぉ!!」
「貴男が作る訳では無いでしょ」
監視対象者が喜ぶと自慢げなフィドキアに諫言するラソンだ。

「じゃ城の地下の迷宮はどうする? 監視室をココと同じ迷宮の最下層か、城下街にコッソリと作ろうと思っていたけど」
監視対象者の問いに一言だけフィドキアは「両方だ」と答えた。

「ええっと、じゃ迷宮は任せていいよね?」
「ええ、私達に任せて」
ラソンの返事に安心した監視対象者だった。

「あと通常の城も大体地下が有るからね」
「分かっている。地下2階分を考えてくれ」

確認の意味で聞いたが、最後に気になったのが龍人達の部屋だ。

「城下町の何処に隠し部屋を作るかも考えろよな。余り目立つ建物や大きさにするなよ。俺はもう戻るから」
「待て、まだ話は終わって無いぞ」
一応念を押して帰ろうとする監視対象者を引き止めたフィドキア。

「お前、棘の腕輪を持っているな?」
「あぁ、コラソンにもらったけど外せなくてさ」
「ウム。では魔素を送って見ろ」
「ええ!?」
コラソンは棘王に吸収されたと聞かされていたので存在しない者だと思っていたからだ。

「まっ、まさか棘王が出る訳じゃ無いよな?」
「安心しろ、成長したコラソンがお前に会いたがっているからだ」
「マジでか! 生きてやがったのかアイツ」

監視対象者は目をつむり腕に有る棘の腕輪に魔素を送って呼びかけた。
(コラソン! コラソン! 聞こえるか?)
(モンドリアンさんですね!)
(本当にコラソンか!)
(そうですよ、”2人のやりとり”をたまたま聞いてしまったコラソンです)
確かにコラソンだと確信した監視対象者だ。

(無事で良かった。パウリナもお前の事をいつも話しているからな生きていたなら、いつか会えるな)

パウリナとは、ロサの復活の為に人身御供となって眠らされていた獣人族のお姫様で、結果的に監視対象者の三番目の嫁となる女性だ。

(ハイ。お二人の結婚式に参上しようと思っています)
(本当か! それはパウリナも喜ぶぞ)
(それでモンドリアンさん。私の部屋も欲しいのですが良いですか?)
(当たり前だろ。元々お前の居た場所だからな、フィドキアに言っとくから好きなようにしてくれ。あっ、獣人達に怪しまれないようにな)
(ハイ、解かりました。では、結婚式の日にお会いしましょう)
短いやり取りだが、パウリナを連れ去った犯人とはいえ監視対象者達にとっては”悪者”では無かったコラソンに親しみを持っていた。

するとフィドキアが又難しい顔をしていた。
「どうした?」
「コラソンの居場所はどうするのだ?」
「子供の一人や二人お前の部屋の隣に作ればいいだろう」

溜息をついて説明するフィドキア。
「コラソンはお前たちが出会った時の姿では無い」
「ええっ! どうなっているんだ?」
「普通の青年だ」

監視対象者はてっきり”あの時”と同じ位の子供だと思っていた。
「そうか大人になったか。じゃ、任せる」
「ロリに私の部屋の事で相談したいから、連れて来てくれるかしら」
フィドキアに丸投げして話を切り上げようとしたらラソンから申し出が有った。
「了解、連絡するよ」


※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero


見ていた映像の内容を後で知ったテネブリス。
「全くロサったら、私に何も話さずに勝手に決めて・・・」
「でもお姉様、何でも願いを叶えると言ったのはお姉様よ」
(・・・余計な事言わなきゃ良かった)







Epílogo
その余計な一言が、後々後悔する事となる。
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