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第4章 獣王国編2
第108話 もうすぐ3回目の結婚式4
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獣王国で結婚の準備が着々と進む中、忘れた頃にどこからかエルヴィーノを呼ぶ声がしだした。
(・・・リアン。モンドリアン)
「あっ、これは!」
フィドキアが念話で話し掛けている事に気づき龍人の腕輪に魔素を送った。
「モンドリアン聞こえるか?」
やはりフィドキアだった。
「あぁ聞こえているよ。どうした?」
「お前の伝言を聞いた。1つを除いて条件が有る」
(へぇ嫌がるか、ごねると思っていたが)
「何だ、言ってみろよ」
寛大な自分は少しぐらい聞いてやろうと思った。
「我が召喚されて見世物になった後で、王都アレグリアの街中を散歩したいから付き合え」
「ナニィ! 今そっちに行くから待ってろ」
「馬鹿、来てもいな・・・」
監視室に転移したエルヴィーノは顔を見る前から愚痴を言っていた。
「フィドキアァ、何考えてんだよぉ」
文句を言いながらリビングに行くとフィドキアはおらずラソンとカマラダだった。
「あれ? 今フィドキアと念話してたけど居ないの?」
「まだ帰って無いんだよねぇ」
困った顔のカマラダがラソンを見た。
「しょうがないわねぇ」
そう言って、壁の上に沢山並んでいる外部の風景が映し出されている魔導具の1つにフィドキアが映りエルヴィーノと話し始めた。
「まったくお前は我の話を最後まで聞け!」
「普段”あんな事”しないから、こっちに来た方が良いと思ったからだろ!」
深い溜息をついてラソンが「まぁまぁ2人共」と間に入る。
それを見ていたカマラダがクスクスと笑っていた。
「で、なんで散歩なんかしたいんだよ」
「気分転換だ。付き合うのか、嫌なのか返事をしろ」
「分かった、分かった」
「散歩の時は財布を忘れるなよ」
そう捨て台詞を吐いて通信を切ったフィドキア。
「なっ何なんだ、あの3Dは! どうせ自分が食べられなかった”串”を食べに行きたいだけの癖に! 素直にそう言えばいい物を・・・」
龍人2人に笑われているエルヴィーノは詰まらない事に腹を立てていた。
「その3Dって何ですか?」
カマラダが聞いてきたら、ラソンがクスクスと笑い出した。
「んっ? 知りたいの? アイツは本当に言葉が少なくてダメなドラゴンだろ? 表情が相手に伝わらなくてダメだろ? だからDAME DAME DORAGONの頭文字を略して3Dってあだ名を付けてやったのさ」
それを聞いて
「プゥーッ、ア―ハハハハハッ」
スッゴイ受けてる。
「まぁ用も済んだ事だし帰るな」
笑いながら手を振るラソンとカマラダだった。
一応全ての準備は終わったが、獣王には召喚の説得は難航していると言っておこう。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「お待ちください、父上。我が創造主よ。どちらへ行かれるのですか?!」
歩きながら話すのは、悠久の時を経て再生した”ロサ”こと、オルギデア・ロサ・ティロと、フィドキアの2人だった。
「フィドキアよ。私には”コラソン”の記憶が有ると教えたな」
「ハイ」
「再生した事の嬉しさのあまり、私もお前もすっかり忘れていた事が有る」
腕組みし頭をひねるフィドキアは思い出せないでいた。
「馬鹿者、私の監視役が居ただろぅ」
「ハッ、ヴィオレタ・ルルディ!!」
「そうだ。これから”アレ”の所に行くが、”ヤツ”がお前にした提案、面白いではないか。私も礼がてら手伝おうと思ってな」
「そのような手間は私が致しますので父上はお戻りください」
「・・・フィドキアよ、黙って付いて来い」
「はい」
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
獣王国から遥か南西の海域に島があり、そこにある妖精の国が周りから隠れるように存在し、更に島の奥には太古の昔から原生林が生い茂っている。
原生林と妖精の国との中間に転移したオルギデア・ロサ・ティロとフィドキアは飛ぶように森の中を進んで行った。
同時刻、妖精の国では物凄い魔力が突然現れた事に驚き緊急警戒態勢を取っていた。
「皆の者ちょっと待て、小さい方の魔力には覚えが有る。(小さいと言ってもこの島を覆う程の物と更に巨大で濃厚な魔素を持つ者を感知していた)これは・・・龍人か?! ハッ、もしや!」
ヴィオレタ・ルルディの直感は”元棘王”だと思い、猛烈な勢いで飛んで行った。
「ルルディ様ぁ~」
家臣が慌てて後から追い掛ける。
原生林の中心には巨大な木が有った。
樹齢は千や万できかない老巨木だ。
「コヤツ、まだ生きておったのか」
オルギデア・ロサ・ティロが壁の様な老木に手を当てて魔素を送り込んでいると
「そこで何をしている! それは我らが守り神、神代の霊木だぞ! 手を離せ!」
慌てて飛んできたヴィオレタ・ルルディが叫んだ。
「久しぶりだな、ヴィオレタ・ルルディ」
声を掛けるフィドキア。
「後ろのヤツは誰だ! 手をどけろ! 龍人」
まくしたてるヴィオレタ・ルルディが飛びかかった。
その時 ! 巨大な老木の枝がヴィオレタ・ルルディを捕まえた。
「うるさーなールルデは、おとなすくすろ」
巨大な幹から現れた顔のような部分から声がする。
「わてにマソを送ってるの、おまは誰ぞ」
「フ~ム。あれから、どれだけの時が流れたのか分からないが、随分と久しぶりにお前の声を聴いたが訛っているぞ、アルセ・ティロよ」
シ―――ンと静まり返る。
が、老木の目が巨大になりオルギデア・ロサ・ティロを見下ろした。
バキバキ、バサバサと老木が震え表皮が崩れ落ちているのが解る。
「いっ、一体どうしたのですか長老!」
叫ぶヴィオレタ・ルルディ。
「嬉しくて身震いしているのさ」
そう答えるフィドキア。
「そっその名前。今は誰も知らんワテの名と、この魔素。そっ、それにその姿は! おおおおおおおぉぉぉ!!!」
小刻みに震えていた老木が緑色の葉を付け、一斉に花を咲かせた!
「御久しゅうございます。”ロサ様”。我が創造主である父よ」
変な喋りが無くなった老木のアルセ・ティロ。
満開の紅い花を咲かせる巨大な老木に島中の妖精が集まって来た。
アルセ・ティロは世界に数本しか居ない始まりの原木のうち、最も古い一本。
紅い花を咲かせるのがロサの血脈を証明し、種族は違うがフィドキアの弟になる。
300年周期で転生し代々棘王を見守る役目を担っていた聖妖輪廻華王ヴィオレタ・ルルディだが、度重なる転生で元のロサの姿、形は既に忘却の彼方にあったのだ。
「ルルディ様! こちらの方達は一体誰ですか?」
「多分あの方が・・・」
自信の無かったヴィオレタ・ルルディにフィドキアが答える。
「棘王となっておられたが、再生して元のお姿に戻られたオルギデア・ロサ・ティロ様だ」
「「「「「えええええっっっ!」」」」」
妖精たちが驚いいた。
「アルセ・ティロよ、久しぶりに私と共に来い」
「ロサ様、有り難きお言葉ですが、私の魔素はほとんど無く、この大樹と成り果てた身体も動く事が出来ません」
ロサはしばし考えた後で大樹に当てた手が”めり込んで”身体ごと老木の中に入って行った。
しばらくすると出て来たが、右腕はまだめり込んだままだ。
「どうした早く出て来い」
ロサが呼びかけると手を掴まれた腕が大樹から出て一気に引っ張り出された。
その姿はロサと良く似た色白で緑色の髪をした青年の姿だった。
「おお、アルセ・ティロ! 昔の姿ではないか!」
懐かしく駆け寄るフィドキア。
「ええ、ロサ様に身体を作って頂きました」
「お前の核に大樹の養分を集めた”だけの事”だ。それに若い姿の方が良いと思ってな」
「ありがとうございます父上」
羨ましそうにみているフィドキアだった。
「オルギデア・ロサ・ティロ様、初めてお目にかかります、ヴィオレタ・ルルディと申します」
聖妖輪廻華王ヴィオレタ・ルルディと配下の妖精が一堂に膝まずいた。
「ヴィオレタ・ルルディよ、度重なる転生で忘れているかも知れないが、その方とお前の初代はお会いしているのだぞ」
「・・・」
老木の中から出て来た若い男に言われ、返す言葉が無かったルルディ。
「あぁ、この身体はロサ様に作って頂いた”在りし日の私だ”」
鈍い妖精たちにフィドキアが教える。
「まだ解らないか? お前たちの守り神だった神代の霊木の核を使い人化して若返ったアルセ・ティロだ」
「ほっ本当ですか!」
ルルディが信じられない顔で聞いて来た。
「我ら龍人が不死なのは知っているな?」
うなずくルルディ。
「我が名と創造主たる父の名に掛けて、若返った我が弟のアルセ・ティロに間違い無い」
「「「「「ハハァァー」」」」」
ひれ伏す妖精たち。
「所で立ち話もなんだ、どこか落ち着いて話せる場所は無いか?」
ロサの要望に応えるルルディ。
「では、妖精の国にどうぞいらしてください」
案内するルルディに付いて行くロサ、アルセ、フィドキア達に妖精の群れ。
花と木に囲まれた妖精の国では奥の一室に、一同と妖精の重臣が話していた。
その話しはロサを救ってくれたモンドリアンが、元棘の森跡地に新しく棘城を作りたいと申し出が会って、力を貸して欲しいと頼ってきたことに対して、どのように力を貸すかの意見を出し合っていた。
予備知識として、龍人の存在、モンドリアンとコラソンの経緯などを含め城の地下もしくは街中に自分達の施設も作ると申し出が有った事などをフィドキアが説明した。
簡単に決まったのは、街の一番外周りを木か棘で囲う事。
問題なのは城を何で作るかだ。
木や棘は火に弱い。
他の国のように石積みの方が丈夫で長持ちなのは解かっている。
「石や土の魔法が得意なのは” バレンティア”ですが、どうされますか? 父上」
フィドキアがロサに問いかけたのは、もう1人の龍人の事だった。
「ふ~む・・・”アレ”に頼んでみるか」
ロサの言うアレとはバレンティアでは無くて、”プリムラ”と言うロサと同位の存在だった。
そしてプリムラの居る場所に転移するロサ。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
とある場所で
「久しぶりだな、プリムラ」
「ロサッ! やっと戻れたのね。この時をどれだけ待ち侘びた事でしょう」
「心配をかけたね、プリムラ。また以前の様に愛してあげよう」
近づいた2人は見つめ合う。
「ふふふふっ」
「ところでプリムラにお願いしたい事が有ってね」
「なぁに言ってみて」
経緯を説明るロサ。
「・・・と言う訳で城と街を作るのにバレンティアの力を借りたいのだが」
「そうね、貴男を助け出したのだからその程度の事であれば良いわよ。私から伝えておくわ」
「良かった。じゃ、城作りを手伝って来るからヨロシク!」
「もう! ロサッたら!」
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
再び妖精国に戻り
「” バレンティア”の件は頼んできたから連絡が有るだろ」
勝手に居なくなり、問題を解決して現れたロサが考えを告げた。
「この後、私の子孫でもあり私を救ってくれたモンドリアンに会うのだが、彼の前ではオルギデア・ロサ・ティロでは無く、成長したコラソンとして会おうと思うがどうだ?」
「ハッ、御心のままに」
フィドキアは久しぶりにロサが自由になれた事が嬉しくて、どんな質問に対しても良い返事をしていたのだった。
そこに
「私もお供して宜しいでしょうか?」
そう問いかけて来たのはヴィオレタ・ルルディだった。
「棘王様の監視役として存在していた私達なのにお役に立てなかったので、せめて新しい棘城の為に何かお役に立ちたいのです。オルギデア・ロサ・ティロ様、どうかお願い致します」
その懇願はヒシヒシとロサに伝わった。
「分かった。同行を許そう」
嬉しそうなルルディを放置して考えるロサ。
(我とフィドキア、アルセ、ヴィオレタ・ルルディ、バレンティアか、どのような城にするかモンドリアンと相談しないとバレンティアに作らせるわけにはいかんなぁ)
「フィドキアよ、モンドリアンと会って状況を確認してから我らが会う時を調整してくれ」
「ハッ、畏まりました」
あとがき
いっぱい関係者が出てきました。
(・・・リアン。モンドリアン)
「あっ、これは!」
フィドキアが念話で話し掛けている事に気づき龍人の腕輪に魔素を送った。
「モンドリアン聞こえるか?」
やはりフィドキアだった。
「あぁ聞こえているよ。どうした?」
「お前の伝言を聞いた。1つを除いて条件が有る」
(へぇ嫌がるか、ごねると思っていたが)
「何だ、言ってみろよ」
寛大な自分は少しぐらい聞いてやろうと思った。
「我が召喚されて見世物になった後で、王都アレグリアの街中を散歩したいから付き合え」
「ナニィ! 今そっちに行くから待ってろ」
「馬鹿、来てもいな・・・」
監視室に転移したエルヴィーノは顔を見る前から愚痴を言っていた。
「フィドキアァ、何考えてんだよぉ」
文句を言いながらリビングに行くとフィドキアはおらずラソンとカマラダだった。
「あれ? 今フィドキアと念話してたけど居ないの?」
「まだ帰って無いんだよねぇ」
困った顔のカマラダがラソンを見た。
「しょうがないわねぇ」
そう言って、壁の上に沢山並んでいる外部の風景が映し出されている魔導具の1つにフィドキアが映りエルヴィーノと話し始めた。
「まったくお前は我の話を最後まで聞け!」
「普段”あんな事”しないから、こっちに来た方が良いと思ったからだろ!」
深い溜息をついてラソンが「まぁまぁ2人共」と間に入る。
それを見ていたカマラダがクスクスと笑っていた。
「で、なんで散歩なんかしたいんだよ」
「気分転換だ。付き合うのか、嫌なのか返事をしろ」
「分かった、分かった」
「散歩の時は財布を忘れるなよ」
そう捨て台詞を吐いて通信を切ったフィドキア。
「なっ何なんだ、あの3Dは! どうせ自分が食べられなかった”串”を食べに行きたいだけの癖に! 素直にそう言えばいい物を・・・」
龍人2人に笑われているエルヴィーノは詰まらない事に腹を立てていた。
「その3Dって何ですか?」
カマラダが聞いてきたら、ラソンがクスクスと笑い出した。
「んっ? 知りたいの? アイツは本当に言葉が少なくてダメなドラゴンだろ? 表情が相手に伝わらなくてダメだろ? だからDAME DAME DORAGONの頭文字を略して3Dってあだ名を付けてやったのさ」
それを聞いて
「プゥーッ、ア―ハハハハハッ」
スッゴイ受けてる。
「まぁ用も済んだ事だし帰るな」
笑いながら手を振るラソンとカマラダだった。
一応全ての準備は終わったが、獣王には召喚の説得は難航していると言っておこう。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「お待ちください、父上。我が創造主よ。どちらへ行かれるのですか?!」
歩きながら話すのは、悠久の時を経て再生した”ロサ”こと、オルギデア・ロサ・ティロと、フィドキアの2人だった。
「フィドキアよ。私には”コラソン”の記憶が有ると教えたな」
「ハイ」
「再生した事の嬉しさのあまり、私もお前もすっかり忘れていた事が有る」
腕組みし頭をひねるフィドキアは思い出せないでいた。
「馬鹿者、私の監視役が居ただろぅ」
「ハッ、ヴィオレタ・ルルディ!!」
「そうだ。これから”アレ”の所に行くが、”ヤツ”がお前にした提案、面白いではないか。私も礼がてら手伝おうと思ってな」
「そのような手間は私が致しますので父上はお戻りください」
「・・・フィドキアよ、黙って付いて来い」
「はい」
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
獣王国から遥か南西の海域に島があり、そこにある妖精の国が周りから隠れるように存在し、更に島の奥には太古の昔から原生林が生い茂っている。
原生林と妖精の国との中間に転移したオルギデア・ロサ・ティロとフィドキアは飛ぶように森の中を進んで行った。
同時刻、妖精の国では物凄い魔力が突然現れた事に驚き緊急警戒態勢を取っていた。
「皆の者ちょっと待て、小さい方の魔力には覚えが有る。(小さいと言ってもこの島を覆う程の物と更に巨大で濃厚な魔素を持つ者を感知していた)これは・・・龍人か?! ハッ、もしや!」
ヴィオレタ・ルルディの直感は”元棘王”だと思い、猛烈な勢いで飛んで行った。
「ルルディ様ぁ~」
家臣が慌てて後から追い掛ける。
原生林の中心には巨大な木が有った。
樹齢は千や万できかない老巨木だ。
「コヤツ、まだ生きておったのか」
オルギデア・ロサ・ティロが壁の様な老木に手を当てて魔素を送り込んでいると
「そこで何をしている! それは我らが守り神、神代の霊木だぞ! 手を離せ!」
慌てて飛んできたヴィオレタ・ルルディが叫んだ。
「久しぶりだな、ヴィオレタ・ルルディ」
声を掛けるフィドキア。
「後ろのヤツは誰だ! 手をどけろ! 龍人」
まくしたてるヴィオレタ・ルルディが飛びかかった。
その時 ! 巨大な老木の枝がヴィオレタ・ルルディを捕まえた。
「うるさーなールルデは、おとなすくすろ」
巨大な幹から現れた顔のような部分から声がする。
「わてにマソを送ってるの、おまは誰ぞ」
「フ~ム。あれから、どれだけの時が流れたのか分からないが、随分と久しぶりにお前の声を聴いたが訛っているぞ、アルセ・ティロよ」
シ―――ンと静まり返る。
が、老木の目が巨大になりオルギデア・ロサ・ティロを見下ろした。
バキバキ、バサバサと老木が震え表皮が崩れ落ちているのが解る。
「いっ、一体どうしたのですか長老!」
叫ぶヴィオレタ・ルルディ。
「嬉しくて身震いしているのさ」
そう答えるフィドキア。
「そっその名前。今は誰も知らんワテの名と、この魔素。そっ、それにその姿は! おおおおおおおぉぉぉ!!!」
小刻みに震えていた老木が緑色の葉を付け、一斉に花を咲かせた!
「御久しゅうございます。”ロサ様”。我が創造主である父よ」
変な喋りが無くなった老木のアルセ・ティロ。
満開の紅い花を咲かせる巨大な老木に島中の妖精が集まって来た。
アルセ・ティロは世界に数本しか居ない始まりの原木のうち、最も古い一本。
紅い花を咲かせるのがロサの血脈を証明し、種族は違うがフィドキアの弟になる。
300年周期で転生し代々棘王を見守る役目を担っていた聖妖輪廻華王ヴィオレタ・ルルディだが、度重なる転生で元のロサの姿、形は既に忘却の彼方にあったのだ。
「ルルディ様! こちらの方達は一体誰ですか?」
「多分あの方が・・・」
自信の無かったヴィオレタ・ルルディにフィドキアが答える。
「棘王となっておられたが、再生して元のお姿に戻られたオルギデア・ロサ・ティロ様だ」
「「「「「えええええっっっ!」」」」」
妖精たちが驚いいた。
「アルセ・ティロよ、久しぶりに私と共に来い」
「ロサ様、有り難きお言葉ですが、私の魔素はほとんど無く、この大樹と成り果てた身体も動く事が出来ません」
ロサはしばし考えた後で大樹に当てた手が”めり込んで”身体ごと老木の中に入って行った。
しばらくすると出て来たが、右腕はまだめり込んだままだ。
「どうした早く出て来い」
ロサが呼びかけると手を掴まれた腕が大樹から出て一気に引っ張り出された。
その姿はロサと良く似た色白で緑色の髪をした青年の姿だった。
「おお、アルセ・ティロ! 昔の姿ではないか!」
懐かしく駆け寄るフィドキア。
「ええ、ロサ様に身体を作って頂きました」
「お前の核に大樹の養分を集めた”だけの事”だ。それに若い姿の方が良いと思ってな」
「ありがとうございます父上」
羨ましそうにみているフィドキアだった。
「オルギデア・ロサ・ティロ様、初めてお目にかかります、ヴィオレタ・ルルディと申します」
聖妖輪廻華王ヴィオレタ・ルルディと配下の妖精が一堂に膝まずいた。
「ヴィオレタ・ルルディよ、度重なる転生で忘れているかも知れないが、その方とお前の初代はお会いしているのだぞ」
「・・・」
老木の中から出て来た若い男に言われ、返す言葉が無かったルルディ。
「あぁ、この身体はロサ様に作って頂いた”在りし日の私だ”」
鈍い妖精たちにフィドキアが教える。
「まだ解らないか? お前たちの守り神だった神代の霊木の核を使い人化して若返ったアルセ・ティロだ」
「ほっ本当ですか!」
ルルディが信じられない顔で聞いて来た。
「我ら龍人が不死なのは知っているな?」
うなずくルルディ。
「我が名と創造主たる父の名に掛けて、若返った我が弟のアルセ・ティロに間違い無い」
「「「「「ハハァァー」」」」」
ひれ伏す妖精たち。
「所で立ち話もなんだ、どこか落ち着いて話せる場所は無いか?」
ロサの要望に応えるルルディ。
「では、妖精の国にどうぞいらしてください」
案内するルルディに付いて行くロサ、アルセ、フィドキア達に妖精の群れ。
花と木に囲まれた妖精の国では奥の一室に、一同と妖精の重臣が話していた。
その話しはロサを救ってくれたモンドリアンが、元棘の森跡地に新しく棘城を作りたいと申し出が会って、力を貸して欲しいと頼ってきたことに対して、どのように力を貸すかの意見を出し合っていた。
予備知識として、龍人の存在、モンドリアンとコラソンの経緯などを含め城の地下もしくは街中に自分達の施設も作ると申し出が有った事などをフィドキアが説明した。
簡単に決まったのは、街の一番外周りを木か棘で囲う事。
問題なのは城を何で作るかだ。
木や棘は火に弱い。
他の国のように石積みの方が丈夫で長持ちなのは解かっている。
「石や土の魔法が得意なのは” バレンティア”ですが、どうされますか? 父上」
フィドキアがロサに問いかけたのは、もう1人の龍人の事だった。
「ふ~む・・・”アレ”に頼んでみるか」
ロサの言うアレとはバレンティアでは無くて、”プリムラ”と言うロサと同位の存在だった。
そしてプリムラの居る場所に転移するロサ。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
とある場所で
「久しぶりだな、プリムラ」
「ロサッ! やっと戻れたのね。この時をどれだけ待ち侘びた事でしょう」
「心配をかけたね、プリムラ。また以前の様に愛してあげよう」
近づいた2人は見つめ合う。
「ふふふふっ」
「ところでプリムラにお願いしたい事が有ってね」
「なぁに言ってみて」
経緯を説明るロサ。
「・・・と言う訳で城と街を作るのにバレンティアの力を借りたいのだが」
「そうね、貴男を助け出したのだからその程度の事であれば良いわよ。私から伝えておくわ」
「良かった。じゃ、城作りを手伝って来るからヨロシク!」
「もう! ロサッたら!」
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
再び妖精国に戻り
「” バレンティア”の件は頼んできたから連絡が有るだろ」
勝手に居なくなり、問題を解決して現れたロサが考えを告げた。
「この後、私の子孫でもあり私を救ってくれたモンドリアンに会うのだが、彼の前ではオルギデア・ロサ・ティロでは無く、成長したコラソンとして会おうと思うがどうだ?」
「ハッ、御心のままに」
フィドキアは久しぶりにロサが自由になれた事が嬉しくて、どんな質問に対しても良い返事をしていたのだった。
そこに
「私もお供して宜しいでしょうか?」
そう問いかけて来たのはヴィオレタ・ルルディだった。
「棘王様の監視役として存在していた私達なのにお役に立てなかったので、せめて新しい棘城の為に何かお役に立ちたいのです。オルギデア・ロサ・ティロ様、どうかお願い致します」
その懇願はヒシヒシとロサに伝わった。
「分かった。同行を許そう」
嬉しそうなルルディを放置して考えるロサ。
(我とフィドキア、アルセ、ヴィオレタ・ルルディ、バレンティアか、どのような城にするかモンドリアンと相談しないとバレンティアに作らせるわけにはいかんなぁ)
「フィドキアよ、モンドリアンと会って状況を確認してから我らが会う時を調整してくれ」
「ハッ、畏まりました」
あとがき
いっぱい関係者が出てきました。
0
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