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それから王族の方々が入場してきて、王太子殿下が婚約者の方と踊る様子を眺めたりして、僕はそろそろ帰ろうと出口を目指している時だった。
あの高位貴族の男性が入ってきた時と同じ良い匂いが僕の鼻を擽った。
そしてそれはどんどん濃くなって、濃くなれば濃くなるほど僕の身体は熱く、呼吸は荒く早くなっていった。
これじゃまるで発情期……!
早く人の少ない方へ行かなくちゃと思いながら、よたよたと歩いていると、僕の肩を抱き、僕に囁く人が。
『おいで』
「え……!」
『そう。私に身を任せて。いい子だね』
驚いて見上げた先にいたのは、あの高位貴族の男性で。
しかもコマンドを出されて、僕は抵抗することも出来ず、その人に連れられて会場をあとにすることになった。
「抱き上げてもいいかな? 発情してるから、早くここから離れないと」
「えっと……お願いします」
「こういう時のために用意されている城の部屋を借りる旨は伝えているから、そこに行こうか」
「あ、馬車を家に帰さなければ……」
「君の名を伺ってもいいかな?」
「あ、名も名乗らず……ぼ……私はアニア男爵の三男でシャルルと申します」
「シャルル……。私は、シルリース公爵アーロン。君に会えて嬉しい」
「え、あ、はい。ぼ……私もです」
「僕でいいよ」
クスクスと笑う公爵閣下は危なげなく僕を抱き上げて「ちょっとごめんね」と言った後、会場にいる城の使用人に馬車のことをお願いしてくれた。
そして、足早に城の一室へ向かう。
僕はこれからどうなってしまうんだろうと思いながらも、酷くなる身体の疼きに耐えることも出来ず、良い匂いのする公爵閣下の胸に顔を押し当ててしまい、「煽らないでくれ」と、切実な様子で言われてしまったのだった。
あの高位貴族の男性が入ってきた時と同じ良い匂いが僕の鼻を擽った。
そしてそれはどんどん濃くなって、濃くなれば濃くなるほど僕の身体は熱く、呼吸は荒く早くなっていった。
これじゃまるで発情期……!
早く人の少ない方へ行かなくちゃと思いながら、よたよたと歩いていると、僕の肩を抱き、僕に囁く人が。
『おいで』
「え……!」
『そう。私に身を任せて。いい子だね』
驚いて見上げた先にいたのは、あの高位貴族の男性で。
しかもコマンドを出されて、僕は抵抗することも出来ず、その人に連れられて会場をあとにすることになった。
「抱き上げてもいいかな? 発情してるから、早くここから離れないと」
「えっと……お願いします」
「こういう時のために用意されている城の部屋を借りる旨は伝えているから、そこに行こうか」
「あ、馬車を家に帰さなければ……」
「君の名を伺ってもいいかな?」
「あ、名も名乗らず……ぼ……私はアニア男爵の三男でシャルルと申します」
「シャルル……。私は、シルリース公爵アーロン。君に会えて嬉しい」
「え、あ、はい。ぼ……私もです」
「僕でいいよ」
クスクスと笑う公爵閣下は危なげなく僕を抱き上げて「ちょっとごめんね」と言った後、会場にいる城の使用人に馬車のことをお願いしてくれた。
そして、足早に城の一室へ向かう。
僕はこれからどうなってしまうんだろうと思いながらも、酷くなる身体の疼きに耐えることも出来ず、良い匂いのする公爵閣下の胸に顔を押し当ててしまい、「煽らないでくれ」と、切実な様子で言われてしまったのだった。
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