君の本気と僕の嘘

hina

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創也の定食のお刺身も何切れかもらったりして、大満足で食堂を出た。
味もボリュームも値段も文句なしで、海鮮丼は色んな種類の魚が丼からはみ出ていた。

「いいお店に連れて来てくれてありがとう」
「どういたしまして」
「このあとどうする?」
「一回バスの時間確認しに行こうか。それでどうするか決めよう」
「そうだね! バス大事」

田舎のバスはまさかがあるので侮れないのだ。

海の脇の道をバス停に向かって歩く。
今日は沢山歩いてる。
まだ体力はあるけど、前を歩く大きな創也の背中に急に胸がいっぱいになった。

もしかしたら、僕、創也が好き……なのかもしれない。
だけど、流石にそんな事は言えないし、気のせいかもしれないので、僕はとりあえずこの気持ちに蓋をすることにした。

「春馬? 疲れた? 大人しいね」
「あ、いや。大丈夫。バスなかったらどうしようね」
「その時はタクシーかな」
「でも僕そんなにお金……」
「俺が出すから心配ないよ」
「じゃあ、その時はお借りしますっ」
「はい」

とりあえず帰ることが出来そうなのでホッとする。あとはバスがあることを祈るのみ。

「創也は優しいよね」
「そうかな? そんな事言われないけどな」
「じゃあ僕だけに優しい?」
「だとしたらどうする?」
「喜ぶ、かな」
「じゃあ春馬にだけうんと優しくする」
「創也の取り巻きが怖いからやめて」

僕が笑って言うと、創也は首を振ったあと真面目な顔で立ち止まって言った。

「二人だけの時にだから。ね?」
「普通が良いです」
「喜ぶんじゃないの?」
「そうだけど……そうでもなくて」
「ん?」
「とにかく普通がいいです」

だってあとが怖いし、優しくされたら多分好きを自覚してしまう。

学校内では男同士で付き合ってる先輩の話も聞いたりするし、僕自身は偏見はないけど、自分が当事者になるとなったら話は別になるだろう。
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