七曜学園高等部

hina

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よく晴れた六月下旬のこと。

今日は魔法祭が開催される。

僕の出番は少しだけなので緊張もないけど、昨日の時点で泰雅はやる気に満ちていた。

僕のファーストキスは泰雅のものなのか……。
魔法祭は毎年盛り上がるし、余程じゃないと優秀な生徒会の人達がミスするとは思えないので、もう決まったようなものかもとも思うけど、何があるかわからないし、望みは捨てないでおこう。


「瑠衣、準備出来たか?」
「うん、行こう」

今日は泰雅は別行動で、同室の豪に今日は部活がないから朝一緒に登校しようと言われてたので、今日は豪と共に部屋を出る。

「今日楽しみだな」
「僕はそうでもないかも」
「そうなのか? 変わってるな」
「ありがと」

ふふふと笑うと、豪も笑う。

「ま、色々あるよな」
「うん。本当に」


もし泰雅にファーストキスを奪われることになっても、深く気にしないことにしよう。
うん、それが良い。







「うわー寒くなってきたね」
「春夏秋ときて、次は冬だろうからね」
「あっ、泰雅様だ」
「本当だ! 泰雅様ー!」

会場である鍛錬場の見学スペースでぎゅうぎゅうに押し合いながら、このお祭りを見届けている。

前にいる同学年の生徒二人の会話を聞きながら、鍛錬場を見ていると四季がテーマの1-Gのクライマックスで泰雅が出てきた。


途端に騒がしくなる周囲に泰雅の人気を感じて、複雑な気持ちになる。

みんな泰雅の素を知らないから、こんなに歓声を送れるのだ。多分。


「あ、雪だ」
「泰雅様、呪文呟かなかったよ! 瞬きで魔力を動かしてた!」
「流石だね。あーかっこいい! もう抱いて!」
「何言ってるんだよ。俺達じゃ相手にされないわ」
「ですよねー。あーあ。存在が罪だよね」


1-Gの生徒がみんなで泰雅の魔法で作りだした雪雲を風で散らして演技が終わる。
雪のために寒かった気温も六月のものに戻る。
広い鍛錬場全体にゆっくり沢山の雪が降る様は圧巻だった。


うちのクラスは負けたなあと思いながら、ひしめきあう人々の中からどうにか抜け出す。
生徒会長のクラスも見てから抜けようかと思ったけど、それまでちょっと耐えられそうにない。


千寿達とはぐれてしまったし、この人の多さじゃ探すのも大変だから、取り敢えずゆっくり通信が出来るところに行って指輪で連絡を取ろうと決めた。
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