七曜学園高等部

hina

文字の大きさ
23 / 27
1

23

しおりを挟む
滝までの道は途中から大きい道を逸れ、森の中の小径に入っていくルートだった。
でも綺麗に整備されていて歩き易い。

木漏れ日に目を細めながら、鳥の声を聞く。
魔獣は出ないんだろうかとちょっとドキドキしながら、泰雅と繋いだ手を強く握った。
防御魔法もかけてるし、泰雅がいるからもしもの時も何とかなるかと思いつつ、他にも歩いてる人がいるし、ここはそんな場所でもないかもなと心を落ち着かせた。

「どうせなら一角獣とかいないかなあ……」
「ん?」
「一角獣、見てみたいなあ……って」
「一角獣は幻獣園で見る方が確実じゃないか?」
「それはそうなんだけど……この辺りって魔獣出る?」
「人のテリトリーにはそんなに出ないはず、だけどな」
「と言うことは、全く出ないわけじゃないんだね」
「ああ。でも今は近くにはいないと思うよ」
「索敵してた!?」
「風魔法で周囲の音を拾ってるぐらいだけど」
「さすがですね、泰雅さん」

泰雅は真顔で僕と繋いだ手を唇まで持っていき、僕の手の甲に口付けた。

「それ、好きだね」
「俺のこと、見直した?」
「少しはね」

そう言うと、泰雅は嬉しそうに笑った。

その横顔を見上げて僕は顔を赤くしたけれど、気付かれたくなくて下を向く。

油断するとこうだ。
泰雅に心を持ってかれそうになる。

どうしても意識してしまう。


「何があっても瑠衣のことは俺が守るから安心してていいよ」
僕がダメになってしまいそうなことを言う泰雅は得意げで。
僕は何気ない風を装って言葉を続ける。

「それはどうも」
「本気なのに」
「頼りにしてるよ、幼馴染さん」

泰雅は幼馴染の言葉に微妙そうな顔をした後、立ち止まって俺の前髪にキスを落とした。

今度は怒らないで受け止める。

「瑠衣、一角獣見に行く? 来週にでも」
「ん、行く」

幻獣園は東都内にあるので、魔法陣も予約せずに見に行ける。
混んでてゆっくり見れないかもしれないけど、間近で見られるのは嬉しい。

「ペガサスも見られるかな」
「ああ、確かいたよな」
「やった! 飛ぶとこ見られるかな」
「それはどうかな」


そんな話をしていたら、いつの間にか滝のすぐ近くまで来ていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

分厚いメガネ令息の非日常

餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」 「シノ様……素敵!」 おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!! その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。 「ジュリーが一番素敵だよ」 「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」 「……うん。ジュリーの方が…素敵」 ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい 「先輩、私もおかしいと思います」 「だよな!」 これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

処理中です...