βからΩになったなら

hina

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森の中のイタリアンレストランでランチを食べて、別荘にきて渚の手から逃れつつゆっくりして、もう夜。


オーブンで焼いたローストビーフの粗熱が取れるのを待ちながら、きのこのバターライスを炒める渚を見つめる。

イケメンはなんでも出来るのが普通なのかな。僕はイケメンじゃなくて良かった……悲しくなんてない。多分。

渚は鼻歌なんて歌いながらフライパンを振っている。

「そんなに見つめて、キスして欲しい?」
「そんなわけ……! 何か手伝えないかなって見てただけだし!」
「俺の料理姿を見つめててくれるだけでいいよ」
渚は苦笑しながら火を消して、バターライスをお皿に移した。

「いい匂いだし、お腹空いた」
「んー、お肉はもうちょっと待たないとな」

渚に背中を押され、ダイニングのテーブルセットのソファに座った。

「渚はどうやって料理を覚えたの? 誰かに教わった?」
「そうだな、父に」
「え、お父さん?」
お母さんじゃないのか。

「そう。番を喜ばせるのに覚えて損はないからと言われて」
「いつ頃のこと?」
「八歳頃だったかな」
「英才教育……」

渚はテーブルに料理を並べて、セッティングしてくれた。
「先にサラダやスープを食べてて」
「あ、お箸ある?」
「あるよ、待ってて」
渚がキッチンに戻ってお箸を取ってきてくれる。

「じゃあ、いただきます」
「どうぞ、めしあがれ」

渚特製のレモンドレッシングのかかったベビーリーフをもぐもぐしつつ、隣に座ってきた渚を見上げる。

「前も空いてるよ」
「いつものように並んで座りたい。ソファってところがいいだろ? 両親の発情期以外でも家族で使用することもあるから一人がけの椅子はあるけど、やっぱり発情期でこもるからな、いつでもくっつけるようにソファもあるんだ」
「なんて危険な……」
「素晴らしいだろ?」
「渚にはそうだろうね……」

早々にサラダを食べ終えて僕が水を飲んだところで、渚が立ち上がってアルミホイルに包まれて塊のまま置かれていたローストビーフを取り出して包丁を入れた。

「おお……!」

中がピンクで美味しそう……!
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