βからΩになったなら

hina

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「渚っ……僕、もう、むり……」

激しく貪るように僕を抱く渚も野生的で素敵だけど、僕はついていけずに、ついにはぐったりとしてしまう。

「瑞希……? ああ! 瑞希ごめんっ、大丈夫か!?」
「なぎさ、ごめ……だいじょ……」
そのまま僕は気を失ってしまった。




一月下旬の週末のこと。
僕は渚と門脇家の別荘に来ていた。
別荘に向かう道中から渚は僕に執拗に触れてきて、止めるのに必死になった。
別荘に着いてから、渚は箍が外れたように僕を求め身体を重ねた。
その激しさに僕はついていけずに、気を失ってしまったわけで……。

「瑞希! 良かった……! 目が覚めたんだな。良かった」
僕達は裸のままで、渚にごめんなと頬を撫でられてそっと抱きしめられた。僕は重たい腕を持ち上げて、渚に抱きついた。

「渚、大丈夫……?」
「俺は何ともないよ。瑞希こそ大丈夫か? どこか痛いところは?」
「股関節が、痛い……」
笑っていうと、渚も俺のせいだなと力なく笑う。
そんな顔させたかったわけじゃないのになと思って、「でも」と続けると渚は不思議そうな顔をする。
「嬉しい痛み」
「あーもう。また我慢出来なくなるだろ」
どうするつもりなんだと渚に詰め寄られ、僕は渚の両頬に触れた。
「壊されても平気なくらい、僕は渚のことが好き。渚は?」
「瑞希のことを愛してるから、壊したくないよ。ひどくしてごめんね、瑞希……」
優しく僕の唇に触れる渚の唇に胸がいっぱいになって、目が潤む。

「松平くんのことは確かに問題だけど、僕は渚のことしか見えてないよ? 渚とくっつくのに何の障害もないんだから、渚はもっとでーんと構えてて」
「でーんと?」
「うんっ」
「分かった」

おでこを合わせて僕の目を覗き込む渚と笑い合って、僕達は穏やかにお互いの熱を確かめ合った。
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