異世界に迷い込んだら神子様と呼ばれてるけど、僕にはもったいないような気がする

hina

文字の大きさ
22 / 31

22

しおりを挟む



リボンはお清めをしたら巻いていてもいいと言われたので、早速リボンと指輪もお清めして、いつでもつけていられるようにした。

でも汚したくないから、リボンは祝詞の時や儀式の時だけにするつもりだ。

今朝の奏上も無事終わって、朝御飯の時間。
目の前では日々喜さんが「僕は信じない」と繰り返している。

「遊様、兄上は計算高いんですよ!? 気が付いたら兄上の術中にはまってるなんてことも有り得ます! それでも兄上が良いんですか!?」
「えっと……あの、はい。紫陽の術中にはまっても悪いことにはならないと思うので……」
「遊様はお優しいですが、油断は命取りになんてことも」
「日々喜、あることないこと遊に吹き込むのはやめてくれ」
「僕は注意喚起しているだけです」
「日々喜がどれだけ言っても遊は私の恋人だからな」
「遊様、兄上がイヤになったらいつでも僕を頼ってください」
「あはは……」
紫陽がイヤになることもあるのだろうか? と考えて、首を傾げる。
あったとしても日々喜さんを頼るかは正直分からないよなあ……と思いながら、お茶を一口飲んだ。

「そうだ、遊。湯たんぽの試作品が出来てきたから今晩試そう」
「えっ! あの、うん。肌寒くなってきたもんね」
「湯たんぽ?」
日々喜さんが聞いてくる。紫陽と僕は顔を見合わせて頷きあった。

「ああ。暖をとる道具だ。遊の世界にあったものらしい」
紫陽さんが日々喜さんに教える。

「そうなんですね。僕も今、空気を暖める神術具を開発しているんですよ」
「紫陽に聞きました! 出来上がったら凄い発明ですね! 僕の世界にもエアコンと言って冷たい風と暖かい風が出る機械がありました」
「冷たい風も……!?」
「はい。どうやって作ってるかは僕には見当もつかないんですけどね」
「遊様の世界は神術はないんですよね? 動力は何で動いてたかは分かりますか?」
「それは電気というエネルギーで……」
「詳しく聞かせて下さい!」
瞳を輝かせた日々喜さんに身を乗り出す勢いで色々聞かれて僕は不確かな知識ですよと前置きした上で、日々喜さんの質問に答えていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

拾った異世界の子どもがどタイプ男子に育つなんて聞いてない。

おまめ
BL
召喚に巻き込まれ異世界から来た少年、ハルを流れで引き取ることになった男、ソラ。立派に親代わりを務めようとしていたのに、一緒に暮らしていくうちに少年がどタイプ男子になっちゃって困ってます。

異世界で孵化したので全力で推しを守ります

のぶしげ
BL
ある日、聞いていたシチュエーションCDの世界に転生してしまった主人公。推しの幼少期に出会い、魔王化へのルートを回避して健やかな成長をサポートしよう!と奮闘していく異世界転生BL 執着スパダリ×人外BL

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

ループ執愛症候群~初対面のはずなのに、執着MAXで迫られてます~

たぴおか定食
BL
事故で命を落とした高校生は、乙女ゲームの世界に貴族の少年、ルルスとして転生する。 
穏やかな生活を送っていたある日、出会ったのは、宮廷魔導師の息子のノアゼル。 
彼は初対面のはずのルルに涙ながらに言う…「今度こそ、君を守る。」 ノアは、ルルがゲームの矯正力により何度も命を落とす未来を繰り返し経験していた。 
そのたびにルルを救えず、絶望の中で時を遡ることを選び続けた。 「君がいない世界なんて、いらない」 
愛と執着を抱えた少年は、何度でもルルを取り戻す。 これは、転生した能天気なルルと、そんな彼に執着するノアが織りなす、激重タイムリープファンタジー。

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。 異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。 ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。 そして、コスプレと思っていた男性は……。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...