運命に逃げられたαは、それでも運命を諦められない

hina

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国境の門に現れたというその人は、髪や目の色は違うものの、顔はレテュネそのものでテューネと名乗っているらしい。

どちらにせよフェロモンでわかると、私は喜び勇んで城の転移陣から国境の門へ跳んだ。

レテュネらしきその人が待つという部屋に近付けば近付くほど、久しぶりに嗅ぐレテュネのフェロモンの香りが強くなる。

忘れもしない。
私は会う前から疑うまでもなく、レテュネだと確信した。

ああ、やっと会える……。

ずっとこの時を待っていた。





「レテュネ、よく聞いて。君が逃げてから、なぜ逃げられたんだろうって凄く考えたんだ。考えて考えて、君が戻ってきたらもう遠慮しないことにしようって決めたんだ。口調もそうなんだ……だからレテュネも私に遠慮しないで、何でも話して欲しい。そうする権利がレテュネにはある。レテュネが言うことを受け入れるかはまた別だけど、話はちゃんと聞くから、安心して。私は怖くないから、私から逃げないで……」
「なら、僕、王太子妃にならなくても良いですか……?」
「それは……なぜイヤなの? 私が嫌い?」
「そ、そういうわけでは……! ただ僕には荷が重いから……」
「でも愛人にはなりたくないだろう?」
「僕を解放して下さい……」
「ごめん、それは無理だ」
「んっ。殿下、おやめ下さい」

なんとか泣き止むことは出来たけど、発情の熱が引かない。

殿下は王宮の殿下の部屋ではなく、城の一室に僕を閉じ込めて、僕をベッドに押し倒してきた。

「レテュネは、私に運命を感じない? 発情は私達が運命だからだと思うんだけど……」
「あっ! で、殿下……!」

殿下が僕の服をはだけさせ、肌に直に触れてくる。

「レテュネ、やっと抱き締められる……。君がいなくなって私はダメになってしまったよ……」
「殿下には支えてくださる恋仲の令嬢がいらっしゃったのでは……」
「ん? 仕方なく夜会などでエスコートしていた令嬢はいるにはいるけど、義務感だけで付き合っていただけで、向こうも私の熱のない態度には気が付いているだろう。噂は噂にしかすぎない。私の気持ちがあるのは君だけだよ……」
「あんっ!」

殿下が僕の胸の尖りを摘んで刺激する。

「殿下……」
「アルティス。アルティスと呼んで。レテュネ」
「……アルティス様……。僕、もう無理です」

僕はまた潤み始めた視界をどうすることもできず、止まらない愛撫に震えるしかなかった。
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