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第二章 元〈防国姫〉のヒーラーライフ
第十一話 放浪医師の最初のお仕事
「メリダ、ここがあなたの住んでいるフタラ村なのね」
私は入り口から村の中を見渡したあと、これまで道案内を務めてくれていたメリダに声をかける。
メリダは身体ごと振り返ると、嬉しそうに「はい」とうなずいた。
命が助かったこともそうだが、完全に日が暮れるまでに自分の村に帰って来られたことを喜んでいるのだろう。
当たり前と言えば当たり前だった。
街路のあちこちに魔力による発光する魔力灯が設置されている王都と違い、王都から離れた山村や漁村の光源は太陽光か蝋燭の灯りしかない。
このフタラと呼ばれる村もそうだ。
石材を使用した建物が多い王都とは対照的に、村内には茅葺き屋根が特徴的な木造の家々しかない。
夜の森は魔物の口内と称されることは多いが、この辺りではまさにその通りに違いない。
日が完全に暮れれば、この村は漆黒の闇の中に沈んでしまうだろう。
などと私が思っていると、メリダが足早に近寄ってきた。
「アメリアさま、リヒトさま。本当にお2人には感謝しています。もしもお2人に助けていただかなかったら、私はあの場所で確実にギガント・ボアの餌になっていてこの村には二度と帰って来られなかったはずです。仮に何とかギガント・ボアから逃げのびていたとしても、どのみち怪我を負っていたので日暮れまでに村へ帰ることができず、夜の森の中で違う猛獣や魔物に狙われていたでしょう」
本当に感謝しています、とメリダは何度も頭を下げてくる。
私は小さく首を左右に振った。
「そんなことは気にしないで。困っている人を助けるのは人として当然のことよ。それにギガント・ボアを倒したのはリヒトだもの。私はあなたの捻挫を治しただけで、本当にあなた――いいえ、あなたと私の危機を救ってくれたのはリヒトよ。感謝はリヒトだけにしてあげて」
「それは違いますよ、お嬢さま」
今まで後方に控えていたリヒトが、ずいっと歩み寄ってくる。
「メリダの悲鳴が聞こえたとき、悲鳴の主を助けるとご決断されたのは誰であろうお嬢さまです。私はただお嬢さまの命令に従っただけで、真に感謝されるのはお嬢さま以外にありえません」
リヒトはメリダに真剣な表情を向ける。
「メリダ、そういうわけだから俺に感謝するのは無用だ。俺に感謝するぐらいなら、その分の感謝をお嬢さまにして差し上げろ。何なら「お優しいアメリア・フィンドラルさまは偉大だ」と1000回は口にしてもいい」
「は、はあ……」
さすがのメリダもリヒトの言葉に面食らったのか、ややリヒトに怯えながら私の腕にしがみついてくる。
と、そのとき――。
「メリダ、無事だったのか!」
1人の村人が私たちの元へ駆け寄ってきた。
がっしりとした体格の中年男性だ。
「お父さん!」
メリダは私から離れると、その男性に向かって走った。
そして2人は互いに抱き締め合い、言葉に出さずとも身体で喜びを表現する。
中年男性はメリダの父親だろう。
よく見ると目元や鼻の形がそっくりである。
「メリダ、本当に心配したんだぞ。一体、どこまで薬草を採りに行ってたんだ? ここ最近になって急に野獣や魔物の動きが活発になったから、あまり遠くには行くなとあれだけ言ってた――ゴホゴホッ、ゴホゴホゴホッ!」
突如、メリダの父親は激しく咳き込みだした。
むせたような咳ではない。
明らかな何かしらの疾患による咳のようだった。
「あの、その咳は慢性的なものですか?」
私が問いかけると、メリダの父親は「ん?」と私たちに顔を向ける。
「誰だあんたらは?」
よそ者を警戒しているのだろう。
メリダの父親は射貫くような視線で私を睨む。
直後、リヒトが「おい」とメリダの父親にドスの効いた声を発した。
「それが娘の恩人に対する口の利き方か?」
「メリダの恩人? どういうことだ……ゴホゴホゴホゴホッ!」
「お父さん、実はね――」
メリダは私たちに変わって父親に事の経緯を説明した。
私たちとの出会いから、山中の開けた場所でギガント・ボアに襲われたこともすべてである。
「ば、馬鹿も休み休み言え。そっちの嬢ちゃんはメリダの捻挫を一瞬で治し、そこの兄さんはギガント・ボアを素手で倒しただと……ゴホゴホゴホッ……そんな話……ゴホゴホゴホゴホッ……にわかに信じられるか」
激しく動揺を露わにしたメリダの父親。
そんなメリダの父親に対して、リヒトは「これでもか?」と荷物と一緒に背中に担いでいたギガント・ボアの牙をメリダの父親に向かって放り投げた。
ドズンッ、と周囲に響くほどの音が鳴る。
「まさか……」
メリダの父親は信じられないとばかりに目を見開いた。
自分の目の前の地面に放られた1本の牙が、本物のギガント・ボアのものだと確信したのだろう。
だからこそ、メリダの父親の動揺はさらに強くなった。
「だが、兄ちゃんは見たところ武器なんて持っていない……ゴホゴホッ……それなのに、どうやってワイルド・ボアよりも数倍は危険で凶暴なギガント・ボアを倒せたんだ? そもそも……ゴホゴホゴホッ……この牙だって……ゴホゴホッ……どうやって切り取った?」
「ギガント・ボアは素手で倒した。この牙も倒したあとに根元から手刀で叩き折っただけだ」
あまりにも驚いたためか、メリダの父親は先ほどよりも激しく咳き込み始めた。
しかも簡単に治まらず、メリダの父親は両手で口元を押さえながら両膝をついてしまった。
当然ながら激しい咳は手で押さえて治まるものではない。
私はメリダの父親に颯爽と駆け寄った。
「少しじっとしていてください。私は〈放浪医師〉です。そのしつこい咳の原因を診て差し上げますよ」
私が診察しようとすると、メリダの父親は「うるさい」と拒絶した。
「そう言って……ゴホゴホッ……法外な薬を……ゴホゴホゴホッ……売りつける……ゴホゴホゴホッ……つもりだろうが……ゴホゴホゴホッ……そんな手に……ゴホゴホゴホッ……乗るか……」
かなりマズい状況だ。
ずっと咳が続くと体力がどんどんと消耗していく。
加えてこの咳が何かしらの感染症が原因で発症しているのなら、それは本人だけではなくこの村全体にも影響しているだろう。
「私は無理やり薬を売りつけるような真似はしません。いいですから、まずは触診させてください」
私が本心を強く伝えると、メリダの父親は迫力に圧倒されたのか押し黙った。
もちろん、声は出さずとも咳はずっと続いている。
「メリダ、少しの間だけお父さんから離れていて」
私はメリダに父親から離れるように言うと、メリダは大人しく指示に従った。
そして私はメリダの父親の胸を両手の掌を当てて魔力を流す。
私は両目を閉じて全神経を集中させる。
メリダの父親の体内に流した魔力の反響によって、私はメリダの父親の体内に危険な感染症の疑いがないことを感じ取った。
しかし、それ以外の異常は多々感じ取れた。
咳の原因は肺やのどの異常だ。
別に肺やのどに腫瘍があるわけではない。
考えられるのは典型的な栄養不足に加えて、日常的に肺やのどを痛めるような煙か何かを多く吸い込んでいるためだろう。
とにかく、今は咳を止めることが先決だ。
私は掌から流していた魔力を肺やのどに集中させる。
30秒ほど魔力を流していただろうか。
私はそっと両手を離した。
すると――。
「おいおいおい、嘘だろ……咳が治まった」
「もうこれで大丈夫ですよ」
私がにこやかな笑みを浮かべると、最初は呆然としていたメリダの父親はハッとしたあとに私に対して平伏する。
「ありがとうございます! どこのどなたかは存じませんが、あれだけ苦しかった咳が嘘のように治まりました! 本当にありがとう――」
ございます、とメリダの父親があらためて礼の言葉を述べようとしたときだ。
「私たちも診てくだされ!」
と、どこからか必死そうな男の人の声が聞こえた。
私は声がしたほうに視線を転じる。
次の瞬間、私は瞬きを忘れてギョッとした。
いつの間にか、私たちの周りには何十人もの村人たちが集まっていた。
私は入り口から村の中を見渡したあと、これまで道案内を務めてくれていたメリダに声をかける。
メリダは身体ごと振り返ると、嬉しそうに「はい」とうなずいた。
命が助かったこともそうだが、完全に日が暮れるまでに自分の村に帰って来られたことを喜んでいるのだろう。
当たり前と言えば当たり前だった。
街路のあちこちに魔力による発光する魔力灯が設置されている王都と違い、王都から離れた山村や漁村の光源は太陽光か蝋燭の灯りしかない。
このフタラと呼ばれる村もそうだ。
石材を使用した建物が多い王都とは対照的に、村内には茅葺き屋根が特徴的な木造の家々しかない。
夜の森は魔物の口内と称されることは多いが、この辺りではまさにその通りに違いない。
日が完全に暮れれば、この村は漆黒の闇の中に沈んでしまうだろう。
などと私が思っていると、メリダが足早に近寄ってきた。
「アメリアさま、リヒトさま。本当にお2人には感謝しています。もしもお2人に助けていただかなかったら、私はあの場所で確実にギガント・ボアの餌になっていてこの村には二度と帰って来られなかったはずです。仮に何とかギガント・ボアから逃げのびていたとしても、どのみち怪我を負っていたので日暮れまでに村へ帰ることができず、夜の森の中で違う猛獣や魔物に狙われていたでしょう」
本当に感謝しています、とメリダは何度も頭を下げてくる。
私は小さく首を左右に振った。
「そんなことは気にしないで。困っている人を助けるのは人として当然のことよ。それにギガント・ボアを倒したのはリヒトだもの。私はあなたの捻挫を治しただけで、本当にあなた――いいえ、あなたと私の危機を救ってくれたのはリヒトよ。感謝はリヒトだけにしてあげて」
「それは違いますよ、お嬢さま」
今まで後方に控えていたリヒトが、ずいっと歩み寄ってくる。
「メリダの悲鳴が聞こえたとき、悲鳴の主を助けるとご決断されたのは誰であろうお嬢さまです。私はただお嬢さまの命令に従っただけで、真に感謝されるのはお嬢さま以外にありえません」
リヒトはメリダに真剣な表情を向ける。
「メリダ、そういうわけだから俺に感謝するのは無用だ。俺に感謝するぐらいなら、その分の感謝をお嬢さまにして差し上げろ。何なら「お優しいアメリア・フィンドラルさまは偉大だ」と1000回は口にしてもいい」
「は、はあ……」
さすがのメリダもリヒトの言葉に面食らったのか、ややリヒトに怯えながら私の腕にしがみついてくる。
と、そのとき――。
「メリダ、無事だったのか!」
1人の村人が私たちの元へ駆け寄ってきた。
がっしりとした体格の中年男性だ。
「お父さん!」
メリダは私から離れると、その男性に向かって走った。
そして2人は互いに抱き締め合い、言葉に出さずとも身体で喜びを表現する。
中年男性はメリダの父親だろう。
よく見ると目元や鼻の形がそっくりである。
「メリダ、本当に心配したんだぞ。一体、どこまで薬草を採りに行ってたんだ? ここ最近になって急に野獣や魔物の動きが活発になったから、あまり遠くには行くなとあれだけ言ってた――ゴホゴホッ、ゴホゴホゴホッ!」
突如、メリダの父親は激しく咳き込みだした。
むせたような咳ではない。
明らかな何かしらの疾患による咳のようだった。
「あの、その咳は慢性的なものですか?」
私が問いかけると、メリダの父親は「ん?」と私たちに顔を向ける。
「誰だあんたらは?」
よそ者を警戒しているのだろう。
メリダの父親は射貫くような視線で私を睨む。
直後、リヒトが「おい」とメリダの父親にドスの効いた声を発した。
「それが娘の恩人に対する口の利き方か?」
「メリダの恩人? どういうことだ……ゴホゴホゴホゴホッ!」
「お父さん、実はね――」
メリダは私たちに変わって父親に事の経緯を説明した。
私たちとの出会いから、山中の開けた場所でギガント・ボアに襲われたこともすべてである。
「ば、馬鹿も休み休み言え。そっちの嬢ちゃんはメリダの捻挫を一瞬で治し、そこの兄さんはギガント・ボアを素手で倒しただと……ゴホゴホゴホッ……そんな話……ゴホゴホゴホゴホッ……にわかに信じられるか」
激しく動揺を露わにしたメリダの父親。
そんなメリダの父親に対して、リヒトは「これでもか?」と荷物と一緒に背中に担いでいたギガント・ボアの牙をメリダの父親に向かって放り投げた。
ドズンッ、と周囲に響くほどの音が鳴る。
「まさか……」
メリダの父親は信じられないとばかりに目を見開いた。
自分の目の前の地面に放られた1本の牙が、本物のギガント・ボアのものだと確信したのだろう。
だからこそ、メリダの父親の動揺はさらに強くなった。
「だが、兄ちゃんは見たところ武器なんて持っていない……ゴホゴホッ……それなのに、どうやってワイルド・ボアよりも数倍は危険で凶暴なギガント・ボアを倒せたんだ? そもそも……ゴホゴホゴホッ……この牙だって……ゴホゴホッ……どうやって切り取った?」
「ギガント・ボアは素手で倒した。この牙も倒したあとに根元から手刀で叩き折っただけだ」
あまりにも驚いたためか、メリダの父親は先ほどよりも激しく咳き込み始めた。
しかも簡単に治まらず、メリダの父親は両手で口元を押さえながら両膝をついてしまった。
当然ながら激しい咳は手で押さえて治まるものではない。
私はメリダの父親に颯爽と駆け寄った。
「少しじっとしていてください。私は〈放浪医師〉です。そのしつこい咳の原因を診て差し上げますよ」
私が診察しようとすると、メリダの父親は「うるさい」と拒絶した。
「そう言って……ゴホゴホッ……法外な薬を……ゴホゴホゴホッ……売りつける……ゴホゴホゴホッ……つもりだろうが……ゴホゴホゴホッ……そんな手に……ゴホゴホゴホッ……乗るか……」
かなりマズい状況だ。
ずっと咳が続くと体力がどんどんと消耗していく。
加えてこの咳が何かしらの感染症が原因で発症しているのなら、それは本人だけではなくこの村全体にも影響しているだろう。
「私は無理やり薬を売りつけるような真似はしません。いいですから、まずは触診させてください」
私が本心を強く伝えると、メリダの父親は迫力に圧倒されたのか押し黙った。
もちろん、声は出さずとも咳はずっと続いている。
「メリダ、少しの間だけお父さんから離れていて」
私はメリダに父親から離れるように言うと、メリダは大人しく指示に従った。
そして私はメリダの父親の胸を両手の掌を当てて魔力を流す。
私は両目を閉じて全神経を集中させる。
メリダの父親の体内に流した魔力の反響によって、私はメリダの父親の体内に危険な感染症の疑いがないことを感じ取った。
しかし、それ以外の異常は多々感じ取れた。
咳の原因は肺やのどの異常だ。
別に肺やのどに腫瘍があるわけではない。
考えられるのは典型的な栄養不足に加えて、日常的に肺やのどを痛めるような煙か何かを多く吸い込んでいるためだろう。
とにかく、今は咳を止めることが先決だ。
私は掌から流していた魔力を肺やのどに集中させる。
30秒ほど魔力を流していただろうか。
私はそっと両手を離した。
すると――。
「おいおいおい、嘘だろ……咳が治まった」
「もうこれで大丈夫ですよ」
私がにこやかな笑みを浮かべると、最初は呆然としていたメリダの父親はハッとしたあとに私に対して平伏する。
「ありがとうございます! どこのどなたかは存じませんが、あれだけ苦しかった咳が嘘のように治まりました! 本当にありがとう――」
ございます、とメリダの父親があらためて礼の言葉を述べようとしたときだ。
「私たちも診てくだされ!」
と、どこからか必死そうな男の人の声が聞こえた。
私は声がしたほうに視線を転じる。
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