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第二章 ~この世はすべて因果応報で成り立っている~
道場訓 十一 勇者の誤った行動 ③
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約一時間後――。
「おい、まだ目的地の安全地帯に着かないのか? いくら何でもおかしいだろ」
俺は足を止めると、地図を見ながら先頭を歩いていたカチョウに呼びかけた。
カチョウも歩くのを止め、俺たちのほうに顔を向ける。
だが、その表情は周囲と同じぐらい暗かった。
「すまん……もしかすると、道に迷ってしまったのかもしれん」
「な、何だと?」
思いがけないカチョウの言葉に、俺の怒りは一瞬で最高潮に達した。
「ふざけんな! どうして地図を見ながら進んでいたのに迷うんだよ!」
俺はカチョウに向かって怒声を浴びせる。
「もうここは20階層だ! だったらすぐに安全地帯の一つや二つ簡単に見つけられるだろうが!」
「いや、それはそうなんだがこう暗くては地図も上手いこと読めないし、この地図に書かれている道と周囲の状況を照らし合わせることも難しいんだ。お主もそう思わんか?」
「ぐっ……」
そう言われては俺も口を閉ざすしかなかった。
やっぱり今の俺たちの弱点は、周囲を見渡す明るさが足りないことか。
たった今まで俺たちは注意深く周辺の気配を探りながら、アリーゼが必死に絞り出した小さな魔力を使った光源魔法を頼りに突き進んでいた。
しかし、今のアリーゼの光源魔法の明るさは弱すぎる。
普段ならば半径30メートルは明るく照らしていたものが、今はせいぜい3~5メートルを照らすのに精いっぱいだったのだ。
正直なところ、この範囲の明るさではまともに戦闘もできない。
それこそAランクの魔物の群れに襲われでもしたら全滅は避けられないだろう。
くそっ、こんなときに松明かランタンがあれば違うのに。
などと俺が心中で舌打ちすると、カチョウは「せめてもう少し明かりが強ければ違うのだが……」とアリーゼをちら見する。
するとアリーゼは「はあ~?」と頓狂な声を上げた。
「ちょっと待ってよ。あんたがまともに道案内できないのを私のせいにするの? これまでだって私の魔力が少なくなって、光源魔法を広げられないことなんて何回もあったじゃない。それでもケンシンはそのたびに注意深く周りを見ながら的確に道案内してくれていたわ」
ぴくり、とカチョウの片眉が動いた。
「つまりお主は拙者が注意力散漫で、明るさがなければ地図もまともに読めないケンシン以下の愚図だと言いたいのか?」
「そう聞こえたということは自分自身でもそう思っているってことよね? だったら自分の能力の低さを他人のせいにしてないでもっと頑張れば?」
不毛な言い争いを始めたカチョウとアリーゼ。
そんな二人に対して、俺は「ごちゃごちゃとうるせえんだよ!」と腹の底から怒鳴り声を上げた。
「俺から言わせればどっちもどっちだ! お前ら二人とももう少し冷静に――」
なりやがれ、と俺が続きの言葉を発しようとしたときだ。
「――――ッ!」
俺たちは前方から何かが近づいてくる気配を感じた。
「……アリーゼ、明かりをもっと前に移動させろ」
俺の指示にアリーゼはすぐさま従った。
アリーゼは俺たちを中心に照らしていた光源魔法を前方に飛ばす。
数秒後、光源魔法の明かりによって近づいてきた敵の正体が判明した。
オークか!
身長2メートルを超える巨体に、豚に似た顔をした亜人系に属する魔物。
間違いない。
Bランクの魔物のオークだ。
「どんな敵かと思えばオークか……どうする、キース? ここは大事を取って逃げるか?」
逃げる? たかがBランク程度のオーク相手に逃げるかだと?
「馬鹿言うなよ、カチョウ。相手はたかがウスノロのオーク一匹だ。さっさとぶっ殺して安全地帯を探すぞ」
俺は《神剣・デュランダル》を抜き放ち、全身に魔力を充実させた。
体外で超常現象を発生させる魔法使いのアリーゼとは違い、俺とカチョウは練り上げた魔力で肉体と武器を強化して闘う魔剣士だ。
「うむ、ならばいつものように拙者が先陣を切ろう」
カチョウは左腰に帯びていた鞘から大刀を抜くと、両手で持って顔の横に立てるような構えを取った。
八相と呼ばれる、ヤマト国に伝わる剣術の構えの一つだ。
同時にカチョウも魔力を充実させて戦闘能力を高める。
そして――。
「チェエエエエエエエエエイ――――ッ!」
猿叫という独特な気合を発したカチョウは、八相の構えを崩さずオークに向かって突進していく。
続いて俺もカチョウの後を追うように疾駆した。
まずはカチョウが敵に斬りかかり、仕留め損なった際には俺がとどめを刺す。
単体の敵に絶大な効力を発揮する、俺とカチョウの連係技――〈双連撃〉だ。
事実、俺とカチョウはこれまで何度も単体の敵をこの技で仕留めてきた。
しかも俺たちの目の前に現れたのは、いつも俺たちを見て震えていたオークだ。
人間と外見や中身が似ている分だけ、勇者パーティーのリーダーである俺の実力に気づき恐れをなしていたのだろう。
へっ、こんなビビリの豚野郎一匹くらいカチョウだけでも余裕だな。
俺はカチョウの背中を見つめながら思った。
同時に俺の脳裏には、オークがカチョウにやられる光景が鮮明に浮かんでくる。
一刀のもとに斬り伏せられ、悲鳴を上げながら倒される光景が――。
「ぐああああああああああ――――ッ!」
そうそう、こんな風に叫びながら無様にやられて……っておい!
俺は駆けていた足を止め、食い入るように前方を見つめた。
信じられなかった。
全身と武器を魔力で覆った状態のカチョウが、オークが放った棍棒の一撃を受けてあっさりと吹き飛ばされてしまったのだ。
そんなカチョウは数メートルも吹き飛び、ごろごろと転がりながらやがて壁に激突して静止する。
「て、てめえ……何やってんだ、カチョウ! 油断するのも大概にしやがれ! たかがオークの攻撃にやられてるんじゃねえよ!」
俺が苦悶の声を上げているカチョウに言い放つと、後方にいたアリーゼが「キース、前見て前!」と焦りの色を含んだ声をかけてくる。
俺はハッと気づき、慌ててカチョウからオークへと視線を向けた。
「ブキイイイイイイイイイイイイイイ――――ッ!」
空気を震わせるほどの声を上げ、オークが俺に向かって猛進してくる。
そこにはいつも楽勝で勝てていたウスノロのオークなどいなかった。
オークは全身の筋肉を隆起させながら、凄まじいほどの殺意を纏って間合いを詰めてくる。
「ひいっ」
強烈な殺意に中てられた俺の口から小さな悲鳴が漏れる。
何だ、こいつは? 本当に俺たちがこれまで倒してきたオークなのか?
そう思ってしまうほど、棍棒を掲げながら突進してくるオークは異常だった。
まるで勇者である俺を蟻程度にしか見ていない絶望の権化だ。
あっという間に間合いを詰めてきたオークは、俺の頭上目掛けて棍棒を振り下ろしてくる。
「くっ!」
俺は咄嗟に後方に跳んでオークの攻撃を回避する。
しかし、オークの攻撃は終わらなかった。
「ブギイイイイッ!」
オークは棍棒を両手で持つと、そのまま大きく踏み込みながら突きを繰り出してくる。
俺はその突きも身を捻って躱そうとしたが、ここは足場が不安定なダンジョンの中だということを一瞬だが忘れていた。
う、嘘だろ!
不安定な足場に態勢を大きく崩した俺は、オークの棍棒での突きをまともに食らったのだった。
「おい、まだ目的地の安全地帯に着かないのか? いくら何でもおかしいだろ」
俺は足を止めると、地図を見ながら先頭を歩いていたカチョウに呼びかけた。
カチョウも歩くのを止め、俺たちのほうに顔を向ける。
だが、その表情は周囲と同じぐらい暗かった。
「すまん……もしかすると、道に迷ってしまったのかもしれん」
「な、何だと?」
思いがけないカチョウの言葉に、俺の怒りは一瞬で最高潮に達した。
「ふざけんな! どうして地図を見ながら進んでいたのに迷うんだよ!」
俺はカチョウに向かって怒声を浴びせる。
「もうここは20階層だ! だったらすぐに安全地帯の一つや二つ簡単に見つけられるだろうが!」
「いや、それはそうなんだがこう暗くては地図も上手いこと読めないし、この地図に書かれている道と周囲の状況を照らし合わせることも難しいんだ。お主もそう思わんか?」
「ぐっ……」
そう言われては俺も口を閉ざすしかなかった。
やっぱり今の俺たちの弱点は、周囲を見渡す明るさが足りないことか。
たった今まで俺たちは注意深く周辺の気配を探りながら、アリーゼが必死に絞り出した小さな魔力を使った光源魔法を頼りに突き進んでいた。
しかし、今のアリーゼの光源魔法の明るさは弱すぎる。
普段ならば半径30メートルは明るく照らしていたものが、今はせいぜい3~5メートルを照らすのに精いっぱいだったのだ。
正直なところ、この範囲の明るさではまともに戦闘もできない。
それこそAランクの魔物の群れに襲われでもしたら全滅は避けられないだろう。
くそっ、こんなときに松明かランタンがあれば違うのに。
などと俺が心中で舌打ちすると、カチョウは「せめてもう少し明かりが強ければ違うのだが……」とアリーゼをちら見する。
するとアリーゼは「はあ~?」と頓狂な声を上げた。
「ちょっと待ってよ。あんたがまともに道案内できないのを私のせいにするの? これまでだって私の魔力が少なくなって、光源魔法を広げられないことなんて何回もあったじゃない。それでもケンシンはそのたびに注意深く周りを見ながら的確に道案内してくれていたわ」
ぴくり、とカチョウの片眉が動いた。
「つまりお主は拙者が注意力散漫で、明るさがなければ地図もまともに読めないケンシン以下の愚図だと言いたいのか?」
「そう聞こえたということは自分自身でもそう思っているってことよね? だったら自分の能力の低さを他人のせいにしてないでもっと頑張れば?」
不毛な言い争いを始めたカチョウとアリーゼ。
そんな二人に対して、俺は「ごちゃごちゃとうるせえんだよ!」と腹の底から怒鳴り声を上げた。
「俺から言わせればどっちもどっちだ! お前ら二人とももう少し冷静に――」
なりやがれ、と俺が続きの言葉を発しようとしたときだ。
「――――ッ!」
俺たちは前方から何かが近づいてくる気配を感じた。
「……アリーゼ、明かりをもっと前に移動させろ」
俺の指示にアリーゼはすぐさま従った。
アリーゼは俺たちを中心に照らしていた光源魔法を前方に飛ばす。
数秒後、光源魔法の明かりによって近づいてきた敵の正体が判明した。
オークか!
身長2メートルを超える巨体に、豚に似た顔をした亜人系に属する魔物。
間違いない。
Bランクの魔物のオークだ。
「どんな敵かと思えばオークか……どうする、キース? ここは大事を取って逃げるか?」
逃げる? たかがBランク程度のオーク相手に逃げるかだと?
「馬鹿言うなよ、カチョウ。相手はたかがウスノロのオーク一匹だ。さっさとぶっ殺して安全地帯を探すぞ」
俺は《神剣・デュランダル》を抜き放ち、全身に魔力を充実させた。
体外で超常現象を発生させる魔法使いのアリーゼとは違い、俺とカチョウは練り上げた魔力で肉体と武器を強化して闘う魔剣士だ。
「うむ、ならばいつものように拙者が先陣を切ろう」
カチョウは左腰に帯びていた鞘から大刀を抜くと、両手で持って顔の横に立てるような構えを取った。
八相と呼ばれる、ヤマト国に伝わる剣術の構えの一つだ。
同時にカチョウも魔力を充実させて戦闘能力を高める。
そして――。
「チェエエエエエエエエエイ――――ッ!」
猿叫という独特な気合を発したカチョウは、八相の構えを崩さずオークに向かって突進していく。
続いて俺もカチョウの後を追うように疾駆した。
まずはカチョウが敵に斬りかかり、仕留め損なった際には俺がとどめを刺す。
単体の敵に絶大な効力を発揮する、俺とカチョウの連係技――〈双連撃〉だ。
事実、俺とカチョウはこれまで何度も単体の敵をこの技で仕留めてきた。
しかも俺たちの目の前に現れたのは、いつも俺たちを見て震えていたオークだ。
人間と外見や中身が似ている分だけ、勇者パーティーのリーダーである俺の実力に気づき恐れをなしていたのだろう。
へっ、こんなビビリの豚野郎一匹くらいカチョウだけでも余裕だな。
俺はカチョウの背中を見つめながら思った。
同時に俺の脳裏には、オークがカチョウにやられる光景が鮮明に浮かんでくる。
一刀のもとに斬り伏せられ、悲鳴を上げながら倒される光景が――。
「ぐああああああああああ――――ッ!」
そうそう、こんな風に叫びながら無様にやられて……っておい!
俺は駆けていた足を止め、食い入るように前方を見つめた。
信じられなかった。
全身と武器を魔力で覆った状態のカチョウが、オークが放った棍棒の一撃を受けてあっさりと吹き飛ばされてしまったのだ。
そんなカチョウは数メートルも吹き飛び、ごろごろと転がりながらやがて壁に激突して静止する。
「て、てめえ……何やってんだ、カチョウ! 油断するのも大概にしやがれ! たかがオークの攻撃にやられてるんじゃねえよ!」
俺が苦悶の声を上げているカチョウに言い放つと、後方にいたアリーゼが「キース、前見て前!」と焦りの色を含んだ声をかけてくる。
俺はハッと気づき、慌ててカチョウからオークへと視線を向けた。
「ブキイイイイイイイイイイイイイイ――――ッ!」
空気を震わせるほどの声を上げ、オークが俺に向かって猛進してくる。
そこにはいつも楽勝で勝てていたウスノロのオークなどいなかった。
オークは全身の筋肉を隆起させながら、凄まじいほどの殺意を纏って間合いを詰めてくる。
「ひいっ」
強烈な殺意に中てられた俺の口から小さな悲鳴が漏れる。
何だ、こいつは? 本当に俺たちがこれまで倒してきたオークなのか?
そう思ってしまうほど、棍棒を掲げながら突進してくるオークは異常だった。
まるで勇者である俺を蟻程度にしか見ていない絶望の権化だ。
あっという間に間合いを詰めてきたオークは、俺の頭上目掛けて棍棒を振り下ろしてくる。
「くっ!」
俺は咄嗟に後方に跳んでオークの攻撃を回避する。
しかし、オークの攻撃は終わらなかった。
「ブギイイイイッ!」
オークは棍棒を両手で持つと、そのまま大きく踏み込みながら突きを繰り出してくる。
俺はその突きも身を捻って躱そうとしたが、ここは足場が不安定なダンジョンの中だということを一瞬だが忘れていた。
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