15 / 104
第三章 ~Sランクの緊急任務に参加するということ~
道場訓 十五 師弟とともに冒険者ギルドへ
しおりを挟む
俺とエミリアは【神の武道場】から元の世界へと帰ってくると、そのまま商業街の冒険者ギルドへと向かった。
本当はどこかの宿屋でエミリアを休ませたかったのだが、エミリア自身がそれを拒否したのだ。
「エミリア、本当に休まなくていいのか?」
雑踏の中を歩きながら俺はエミリアに尋ねる。
「はい、おかげ様で体調はもうすっかり大丈夫です。それに私のために師匠の大事な時間を無駄にさせるわけにはいきませんから」
「別にそんなことは思ってないんだがな……」
俺はポリポリと鼻先を掻いた。
こうして話しているとエミリアが王家の人間とはとても思えない。
良い意味で俺たちと同じ匂いがする。
自分たちこそ選ばれた人間だという、選人思想的な感じがまったくないのだ。
その理由はエミリアに武術を教えた元冒険者の影響だろう。
何でもエミリアは10歳のときに王宮から追放されると、城内の一角にある箱庭と呼ばれる場所に隔離されたらしい。
そこは言うなれば王宮の〝ゴミ捨て場〟だったらしく、最初の1年間は下働きの人間たちとともに、何をするでもなく死んだように生きていたというのだ。
ところがある日、そんな箱庭にふと一人の女が現れた。
女はウインディア・クランリーと名乗る元冒険者の魔法拳士だったらしく、エミリアの兄姉のために呼ばれた魔法と武術の家庭教師だったらしい。
そしてウインディアは王宮内で過ごすうちにエミリアの噂を聞きつけ、興味本位で会いに来たエミリアに拳士としての才能を見いだしたという。
その後、ウインディアは他の人間たちに隠れるようにして様々な素手の格闘術や訓練方法を余すことなくエミリアに教え込んだ。
やることがなかったエミリアも武術の面白さと凄さに目覚め、自分の境遇を忘れるぐらい武術の修行に没頭した。
やがてエミリアは修行を重ねるうちに〈拳術〉のスキルを身につけ、契約期間を終えて王宮から去っていったウインディアのような冒険者になりたいと思うようになったという。
「それにしても、ケンシン師匠のスキルは本当に凄かったですね。継承スキル……と言うんでしたか?」
「うん? ああ……一般的にスキルっていうのはその人物のみの一代限りだが、中には俺の一族のように何代にもわたってスキルが受け継がれていくものがある。それが継承スキルだ」
「私の師匠……いえ、元師匠から聞いたことがあります。魔法を使えない者が発動できるスキルは神の恩恵と呼ばれていますが、本当に神から恩恵を与えられたスキルというのは代々受け継がれていく継承スキルの類なのだと」
「もしかして、そのときにエミリアは生物収納系なんかのスキル系統についても教わったのか?」
エミリアはこくりと頷いた。
「なるほどな……」
どうしてエミリアが冒険者の中でも選ばれた人間しか知らないスキルの情報を知っていたのか、これでようやく理解することができた。
だとするとエミリアに武術と知識を与えた女冒険者は、間違いなく元はSSランク以上の冒険者だったのだろう。
冒険者という職業は始めるのも自由だが終わるのも自由だ。
もちろん、冒険者ギルドを脱退すれば公に冒険者を名乗ることはできない。
だが、これまで冒険者として積み重ねてきた実力や実績は冒険者ギルドを辞めたところで無くなるはずがなかった。
むしろ規約に縛られていた冒険者ギルドを辞めたあとの冒険者は、完全にフリーになった分だけ今まで以上に自由に活動を始める者もいる。
貴族や豪商の専属護衛人になる者。
新しく冒険者ギルドを立ち上げる者。
技能を伸ばすための学校を作る者。
そして各地を放浪しながら自分の技術を広めていく――伝承者になる者など多岐にわたる。
ただし、これらのことを成し遂げるには相応のランクを得ていないと無理だ。
パーティーランクでSランク、個人ならばSSランクは絶対に必要だった。
などと俺が考えていると、エミリアは「ケンシン師匠」と声をかけてくる。
「先ほどケンシン師匠はご自身のスキル――【神の武道場】の中でタイムリミットと仰っていましたが、あれはどういう意味だったんですか?」
スキルの話になったことで、エミリアは疑問だったことを口に出したのだろう。
まあ、気になるよな。
俺は「ふむ」と両腕を緩く組んだ。
俺の【神の武道場】は継承スキルの中でもやはり特殊であり、たとえそれなりの知識を持っている人間に説明しても一発で理解できないことのほうが多い。
そしてこういう場合は自分の目で確認して使ってみるのが一番なのだが、【神の武道場】内の全施設を使うためには俺の正式な弟子になる必要がある。
しかし、俺が相手に対して「弟子にする」と言っただけでは駄目だ。
きちんと【神の武道場】自身も納得する形で弟子にしなければ、【神の武道場】は相手を道場破りと判断して、ある一定の時間になると強制的に排除にかかる。
その強制排除が始まるまでの時間を、俺はタイムリミットと呼んでいた。
けれども、このタイムリミットは相手によって振り幅がかなり大きく異なる。
正直なところ、魔力残量が多い人間ほど時間が極端に短い。
それこそ5分以内に正式な弟子にならないと強制排除の対象になる。
だが俺やエミリアのように魔力がなく、この【神の武道場】の根幹を呈している気力の持ち主に対してはかなり時間を多めに見ている節があった。
事実、エミリアがそうだ。
エミリアは気を失っていた時間を合わせると1時間は【神の武道場】にいたものの、そこでようやく強制排除のタイムリミットが発動し始めたのだから、【神の武道場】にしてもエミリアを強制排除したくはなかったのだろう。
それでも俺と正式な手順を踏んで弟子にならなければ、【神の武道場】とて相手を強制的に排除しなくてはならない。
それは【神の武道場】自身も守らなくてはならない厳粛な規定なのだ。
しかもエミリアは正式な弟子にならず【神の武道場】から出てしまったので、もう一度【神の武道場】に入るには丸1日は空けないと駄目になってしまった。
これを破って【神の武道場】に入った場合、エミリアは瞬間に強制排除されてしまうのは間違いない。
さて、そのことをどう説明したらいいんだろうな。
自分が受け継いだスキルながら本当に勝手と説明が難しい。
だからこそ、世界でも希少なスキルとして認識されているのだが……。
そんなことを考えているうちに俺たちは冒険者ギルドに到着した。
「なあ、エミリア。俺のスキルの説明は追々話していくから、ここはひとまず何か依頼を受けよう。その中で君の武術家としての実力を確認したいからな。それでいいか?」
「はい、もちろんです。よろしくお願いいたします」
俺は大きく頷くと、エミリアと一緒に冒険者ギルドに入った。
しかし、このときの俺は知る由もなかった。
これがのちの俺の運命を左右する、激戦への一歩だったことに――。
本当はどこかの宿屋でエミリアを休ませたかったのだが、エミリア自身がそれを拒否したのだ。
「エミリア、本当に休まなくていいのか?」
雑踏の中を歩きながら俺はエミリアに尋ねる。
「はい、おかげ様で体調はもうすっかり大丈夫です。それに私のために師匠の大事な時間を無駄にさせるわけにはいきませんから」
「別にそんなことは思ってないんだがな……」
俺はポリポリと鼻先を掻いた。
こうして話しているとエミリアが王家の人間とはとても思えない。
良い意味で俺たちと同じ匂いがする。
自分たちこそ選ばれた人間だという、選人思想的な感じがまったくないのだ。
その理由はエミリアに武術を教えた元冒険者の影響だろう。
何でもエミリアは10歳のときに王宮から追放されると、城内の一角にある箱庭と呼ばれる場所に隔離されたらしい。
そこは言うなれば王宮の〝ゴミ捨て場〟だったらしく、最初の1年間は下働きの人間たちとともに、何をするでもなく死んだように生きていたというのだ。
ところがある日、そんな箱庭にふと一人の女が現れた。
女はウインディア・クランリーと名乗る元冒険者の魔法拳士だったらしく、エミリアの兄姉のために呼ばれた魔法と武術の家庭教師だったらしい。
そしてウインディアは王宮内で過ごすうちにエミリアの噂を聞きつけ、興味本位で会いに来たエミリアに拳士としての才能を見いだしたという。
その後、ウインディアは他の人間たちに隠れるようにして様々な素手の格闘術や訓練方法を余すことなくエミリアに教え込んだ。
やることがなかったエミリアも武術の面白さと凄さに目覚め、自分の境遇を忘れるぐらい武術の修行に没頭した。
やがてエミリアは修行を重ねるうちに〈拳術〉のスキルを身につけ、契約期間を終えて王宮から去っていったウインディアのような冒険者になりたいと思うようになったという。
「それにしても、ケンシン師匠のスキルは本当に凄かったですね。継承スキル……と言うんでしたか?」
「うん? ああ……一般的にスキルっていうのはその人物のみの一代限りだが、中には俺の一族のように何代にもわたってスキルが受け継がれていくものがある。それが継承スキルだ」
「私の師匠……いえ、元師匠から聞いたことがあります。魔法を使えない者が発動できるスキルは神の恩恵と呼ばれていますが、本当に神から恩恵を与えられたスキルというのは代々受け継がれていく継承スキルの類なのだと」
「もしかして、そのときにエミリアは生物収納系なんかのスキル系統についても教わったのか?」
エミリアはこくりと頷いた。
「なるほどな……」
どうしてエミリアが冒険者の中でも選ばれた人間しか知らないスキルの情報を知っていたのか、これでようやく理解することができた。
だとするとエミリアに武術と知識を与えた女冒険者は、間違いなく元はSSランク以上の冒険者だったのだろう。
冒険者という職業は始めるのも自由だが終わるのも自由だ。
もちろん、冒険者ギルドを脱退すれば公に冒険者を名乗ることはできない。
だが、これまで冒険者として積み重ねてきた実力や実績は冒険者ギルドを辞めたところで無くなるはずがなかった。
むしろ規約に縛られていた冒険者ギルドを辞めたあとの冒険者は、完全にフリーになった分だけ今まで以上に自由に活動を始める者もいる。
貴族や豪商の専属護衛人になる者。
新しく冒険者ギルドを立ち上げる者。
技能を伸ばすための学校を作る者。
そして各地を放浪しながら自分の技術を広めていく――伝承者になる者など多岐にわたる。
ただし、これらのことを成し遂げるには相応のランクを得ていないと無理だ。
パーティーランクでSランク、個人ならばSSランクは絶対に必要だった。
などと俺が考えていると、エミリアは「ケンシン師匠」と声をかけてくる。
「先ほどケンシン師匠はご自身のスキル――【神の武道場】の中でタイムリミットと仰っていましたが、あれはどういう意味だったんですか?」
スキルの話になったことで、エミリアは疑問だったことを口に出したのだろう。
まあ、気になるよな。
俺は「ふむ」と両腕を緩く組んだ。
俺の【神の武道場】は継承スキルの中でもやはり特殊であり、たとえそれなりの知識を持っている人間に説明しても一発で理解できないことのほうが多い。
そしてこういう場合は自分の目で確認して使ってみるのが一番なのだが、【神の武道場】内の全施設を使うためには俺の正式な弟子になる必要がある。
しかし、俺が相手に対して「弟子にする」と言っただけでは駄目だ。
きちんと【神の武道場】自身も納得する形で弟子にしなければ、【神の武道場】は相手を道場破りと判断して、ある一定の時間になると強制的に排除にかかる。
その強制排除が始まるまでの時間を、俺はタイムリミットと呼んでいた。
けれども、このタイムリミットは相手によって振り幅がかなり大きく異なる。
正直なところ、魔力残量が多い人間ほど時間が極端に短い。
それこそ5分以内に正式な弟子にならないと強制排除の対象になる。
だが俺やエミリアのように魔力がなく、この【神の武道場】の根幹を呈している気力の持ち主に対してはかなり時間を多めに見ている節があった。
事実、エミリアがそうだ。
エミリアは気を失っていた時間を合わせると1時間は【神の武道場】にいたものの、そこでようやく強制排除のタイムリミットが発動し始めたのだから、【神の武道場】にしてもエミリアを強制排除したくはなかったのだろう。
それでも俺と正式な手順を踏んで弟子にならなければ、【神の武道場】とて相手を強制的に排除しなくてはならない。
それは【神の武道場】自身も守らなくてはならない厳粛な規定なのだ。
しかもエミリアは正式な弟子にならず【神の武道場】から出てしまったので、もう一度【神の武道場】に入るには丸1日は空けないと駄目になってしまった。
これを破って【神の武道場】に入った場合、エミリアは瞬間に強制排除されてしまうのは間違いない。
さて、そのことをどう説明したらいいんだろうな。
自分が受け継いだスキルながら本当に勝手と説明が難しい。
だからこそ、世界でも希少なスキルとして認識されているのだが……。
そんなことを考えているうちに俺たちは冒険者ギルドに到着した。
「なあ、エミリア。俺のスキルの説明は追々話していくから、ここはひとまず何か依頼を受けよう。その中で君の武術家としての実力を確認したいからな。それでいいか?」
「はい、もちろんです。よろしくお願いいたします」
俺は大きく頷くと、エミリアと一緒に冒険者ギルドに入った。
しかし、このときの俺は知る由もなかった。
これがのちの俺の運命を左右する、激戦への一歩だったことに――。
0
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる