10 / 39
第十話 レオ・メディチエールの裏の顔 ①
しおりを挟む
ローレザンヌ一の賑わいを見せる繁華街であろうとも、終課(午後九時)の鐘が鳴り終える頃には多くの店が店仕舞いをする。
これは蝋燭が勿体ないこともあったが、一番の理由は安価な蝋燭を点し続けると大量の煙が出て日常生活に支障が出るからだ。
また安価な蝋燭は、刺激臭が強すぎて飲食店では使えないことも難点であった。
だが、一部の豪商や貴族たちは違う。
多くの市民が寝静まる時間帯を超えても豪華な料理やワインを飲み食いし、煙も刺激臭もしない高価な蜜蝋を惜しげもなく点し続ける。
ロレンツォ屋敷もそうだった。
一般邸宅の四、五倍の敷地面積を誇るロレンツォ屋敷の至るところには、防犯用としてオイルランプが鎖で吊るされていた。
なればこそ闇に紛れて屋敷に侵入することは難しい。
市政庁が高額な値段で発行している武器所有許可証を入手しているため、屋敷内を警備している使用人や傭兵たちが、丈夫な甲冑を着込んで短剣や長剣などで武装していることも侵入を躊躇させる要因の一つだった。
「さすがはローレザンヌの中でも五本の指に入るというドットリーニ家だな」
ロレンツォ・ドットリーニの屋敷内に設けられていた中庭には、多くの樹木に混じって三階建ての建物に相当する巨木が植えられていた。
そんな巨木の枝に身を潜めていたレオ・メディチエールこと〈黒獅子〉は、小さく呟きながら煌々と明かりが点っている石造りの屋敷内を見渡す。
〈黒獅子〉の視界には長棒を携えて中庭を警備している使用人が談笑し、屋敷に続いている通路を何人もの女性の召使いたちが料理を運んでいく姿が見受けられた。
それだけで勘の鋭い〈黒獅子〉には察しがついた。
主人のロレンツォは誰か親しい友人か重要な客を迎えているのだろう。
それはこんな時間帯まで豪勢な食事を堪能していることが何よりの証だった。
「そろそろ行くか」
〈黒獅子〉は警備の人数と配置場所に予測を立てると、常人ならば怪我を負う高さの枝から颯爽と飛び降りた。
周囲に物音が響かないように注意しながら地面に着地するなり、黒装束に身を包んだ〈黒獅子〉は闇と同化しながら主人の居場所へと歩を進める。
もちろん、警戒を怠ることも忘れない。
表向きの警備とは別に、裏の役目を与えられた人間がどこかに潜んでいることも十分に考えられる。
しかし、〈黒獅子〉は警備を恐れている節はなかった。
(今日はあくまでも調査のために訪れたんだ。警備の人間と事を構えるためじゃない)
そうである。
〈黒獅子〉がドットリーニ家を訪れた理由は、当主であるロレンツォ・ドットリーニが危険な異端者と化しているかを見極めることだった。
情報提供者はシェンファという異国の少女。
このドットリーニ家に宿を借りているシン国商人の姪だという。
偶然だったとはいえ彼女と知り合ったことには感謝である。
なぜならクレスト教関係者が異端者と化していることは少し調べれば分かるものの、あらゆる商売に手を染めている商人となると話は別だった。
豪商ともなると下手な騎士団よりも場数を踏んでいる。
表向きは何食わぬ顔でクレスト教に資金提供していても、裏ではクレスト教を非難している異教徒と綿密な繋がりを持っていることが多かったからだ。
そして本来ならば事前調査が行われた末に対象者の元へ出向くのだが、多くの異教徒が足を訪れる夏市が近いため、今日は〈黒獅子〉の独断で対象者の屋敷へとやって来たのである。
(事後報告でも構わないだろう。これも主の意志だ)
そう自分に言い聞かせつつ、〈黒獅子〉は中庭を抜けて目的の建物内に侵入した。
ロレンツォの屋敷内には合計で四つの建物がそびえていたものの、料理を運ぶ召使いたちが出入りしていたのは東の方角に建てられていた建物であった。
おそらく東館(勝手に名づけた)こそが主人の寝室や大広間が設けられた本館なのだろう。
そう思ったからこそ〈黒獅子〉は東館に侵入すると、足音を吸収する絨毯の上を早歩きで移動していく。
東館の通路は広々とした造りになっており、灰色の壁には照明用のオイルランプの他に高級な絵画が何枚も掛けられていた。
美術にうとい〈黒獅子〉でも、等間隔に掛けられていた絵画の一枚一枚が相当に値の張る逸品であることは推測できた。
不意に〈黒獅子〉は足を止め、ふと一枚の絵に着目した。
「これは瀉血行為を描いた絵か?」
蝋燭の炎よりも明るいオイルランプの傍に掛けられていた絵には、百年ほど前には最新の医療技術だと信じられていた光景が詳細に描かれていた。
当時、病気になった市民たちは高額な報酬を要求させる医者よりも床屋に通っていた。
その頃の床屋には髪を刈る仕事とは別に外科医を兼任する理髪師が多く、体液の平衡を保てるとして盛んに瀉血を行っていた。
瀉血とは読んで字の如く、血を抜く行為である。
薬学や外科手術が発達した昨今では信じられないことだが、百年前までは体内から血を抜けば大抵の病気が治ると平気で信じられていた。
意図的に血を抜いたところで悪戯に病人を弱らせるだけだと一部の医者は考えていたものの、戦乱や天災が続いていた当時の市民たちは金銭的な理由も相まって、民間治療に頼らざるを負えなかったのである。
そんな当時の瀉血行為が描かれた絵が〈黒獅子〉の目の前には堂々と飾られていた。
現在でも医者は高額な報酬を得られる職業である。
百年前よりは一般大衆でも一週間に一度は通えるほど利用率が高まっていたが、それでも平均的な市民の所得から考えると治療費は決して安い額ではない。
現に今でも医者が少ない都市では伝承と迷信に基づいた怪しい民間治療が行われていると聞く。
だからこそ、医者にも毎日通えるほどの資産を持った豪商の屋敷に瀉血行為を描いた絵が飾られているなど論外だった。
少ない賃金で精一杯日々を生きている一般大衆を侮辱する最低な行為としか思えない。
悪趣味にも程がある、と〈黒獅子〉が目頭を押さえつけたときであった。
通路全体に響き渡るほどの甲高い悲鳴が〈黒獅子〉の耳朶を打った。
絵画を見つめていた〈黒獅子〉は驚きのあまり身体を強張らせ、数拍後に絵画から悲鳴の発生源に顔を移行させた。
〈黒獅子〉がいた細長い通路には、階上に繋がっている階段に辿り着く前に幾つかの扉が存在していた。
その扉の一つからひょっこりと姿を現した若い女性がおり、一枚の絵画を見つめていた〈黒獅子〉を発見して悲鳴を上げたのだ。
二十代前半と思しき女性は、麻製の筒型衣服に婦人用の髪覆いを被っていたことで召使いの一人だと分かった。
仕事にまだ十分に慣れていないために掃除を主に任されていたのだろう。
そうでなければ宴会に料理を運ぶ役目を受けているはずである。
などと暢気に状況を把握している暇はなかった。
姿を見られたばかりか、周囲に響き渡るほどの悲鳴を上げられたのだ。
木造建築よりも音を遮断する石造建築とはいえ、今の悲鳴を誰かに聞かれなかったという保証はない。
自分の失態に胸中で激しく舌打ちした〈黒獅子〉だったが、そこは幾多の修羅場を潜り抜けて来た暗殺者である。
瞬時に意識を切り替えると、あまりの恐怖に身体を石のように硬直させていた召使いの女性目掛けて移動していく。
上体を低く屈めながら床を滑るように移動する歩法を駆使したため、結構な距離があった二人の間合いは一気に縮まった。
もちろん〈黒獅子〉は悪戯に間合いを詰めたわけではない。
召使いの女性に触れられるほど近づくなり、素早く背後に回って左手で口を塞いだ。
空いていた左手を女性の腰に巻きつけて強く引き寄せる。
「大人しくしろ。これ以上、俺の存在を誰かにバラすような馬鹿な真似をしなければ何もしない。それは約束する」
女性の耳元に口を寄せて〈黒獅子〉は優しげな口調でささやく。
だが身体を完全に拘束された女性の震えは一向に治まらなかった。
よほどの恐怖を感じているのだろう。
返事をするどころか今にも泣き叫びそうな雰囲気が伝わってくる。
(仕方ない。しばらく眠ってもらう)
圧倒的な恐怖に支配されていた女性の態度を見るなり、〈黒獅子〉これ以上の説得は無理だと判断した。
女性の口を塞いでいた左手とは逆の右手を、腰に巻いていた本革製のバックルに近づける。
バックルの中には様々な用途に使える鍼が何本も収納されている。
〈黒獅子〉はまさにその鍼の一本を取り出そうとしたのだ。
しかし――。
(誰かが来る!)
不意に〈黒獅子〉は大量の氷水を浴びせられたような錯覚に陥った。
拘束していた女性を躊躇せずに離すなり、〈黒獅子〉は件の人間が前方の階段から現われるだろうと予想した。
当然である。
尋常ではない気配とともに、凄まじい速度で階段を駆け下りてくる人間の足音が聞こえてきたからだ。
「さっきの悲鳴は誰が上げたの!」
やがて一人の少女が階段を駆け下りてきたときたとき、〈黒獅子〉は困惑してしまった。
「あんた、どう見ても声を上げた人物じゃないわね。それに格好も使用人とは思えない……間違いなく泥棒の類よね」
〈黒師子〉の視界に飛び込んできたのは、全身から闘気を放出しているリ・シェンファだった。
これは蝋燭が勿体ないこともあったが、一番の理由は安価な蝋燭を点し続けると大量の煙が出て日常生活に支障が出るからだ。
また安価な蝋燭は、刺激臭が強すぎて飲食店では使えないことも難点であった。
だが、一部の豪商や貴族たちは違う。
多くの市民が寝静まる時間帯を超えても豪華な料理やワインを飲み食いし、煙も刺激臭もしない高価な蜜蝋を惜しげもなく点し続ける。
ロレンツォ屋敷もそうだった。
一般邸宅の四、五倍の敷地面積を誇るロレンツォ屋敷の至るところには、防犯用としてオイルランプが鎖で吊るされていた。
なればこそ闇に紛れて屋敷に侵入することは難しい。
市政庁が高額な値段で発行している武器所有許可証を入手しているため、屋敷内を警備している使用人や傭兵たちが、丈夫な甲冑を着込んで短剣や長剣などで武装していることも侵入を躊躇させる要因の一つだった。
「さすがはローレザンヌの中でも五本の指に入るというドットリーニ家だな」
ロレンツォ・ドットリーニの屋敷内に設けられていた中庭には、多くの樹木に混じって三階建ての建物に相当する巨木が植えられていた。
そんな巨木の枝に身を潜めていたレオ・メディチエールこと〈黒獅子〉は、小さく呟きながら煌々と明かりが点っている石造りの屋敷内を見渡す。
〈黒獅子〉の視界には長棒を携えて中庭を警備している使用人が談笑し、屋敷に続いている通路を何人もの女性の召使いたちが料理を運んでいく姿が見受けられた。
それだけで勘の鋭い〈黒獅子〉には察しがついた。
主人のロレンツォは誰か親しい友人か重要な客を迎えているのだろう。
それはこんな時間帯まで豪勢な食事を堪能していることが何よりの証だった。
「そろそろ行くか」
〈黒獅子〉は警備の人数と配置場所に予測を立てると、常人ならば怪我を負う高さの枝から颯爽と飛び降りた。
周囲に物音が響かないように注意しながら地面に着地するなり、黒装束に身を包んだ〈黒獅子〉は闇と同化しながら主人の居場所へと歩を進める。
もちろん、警戒を怠ることも忘れない。
表向きの警備とは別に、裏の役目を与えられた人間がどこかに潜んでいることも十分に考えられる。
しかし、〈黒獅子〉は警備を恐れている節はなかった。
(今日はあくまでも調査のために訪れたんだ。警備の人間と事を構えるためじゃない)
そうである。
〈黒獅子〉がドットリーニ家を訪れた理由は、当主であるロレンツォ・ドットリーニが危険な異端者と化しているかを見極めることだった。
情報提供者はシェンファという異国の少女。
このドットリーニ家に宿を借りているシン国商人の姪だという。
偶然だったとはいえ彼女と知り合ったことには感謝である。
なぜならクレスト教関係者が異端者と化していることは少し調べれば分かるものの、あらゆる商売に手を染めている商人となると話は別だった。
豪商ともなると下手な騎士団よりも場数を踏んでいる。
表向きは何食わぬ顔でクレスト教に資金提供していても、裏ではクレスト教を非難している異教徒と綿密な繋がりを持っていることが多かったからだ。
そして本来ならば事前調査が行われた末に対象者の元へ出向くのだが、多くの異教徒が足を訪れる夏市が近いため、今日は〈黒獅子〉の独断で対象者の屋敷へとやって来たのである。
(事後報告でも構わないだろう。これも主の意志だ)
そう自分に言い聞かせつつ、〈黒獅子〉は中庭を抜けて目的の建物内に侵入した。
ロレンツォの屋敷内には合計で四つの建物がそびえていたものの、料理を運ぶ召使いたちが出入りしていたのは東の方角に建てられていた建物であった。
おそらく東館(勝手に名づけた)こそが主人の寝室や大広間が設けられた本館なのだろう。
そう思ったからこそ〈黒獅子〉は東館に侵入すると、足音を吸収する絨毯の上を早歩きで移動していく。
東館の通路は広々とした造りになっており、灰色の壁には照明用のオイルランプの他に高級な絵画が何枚も掛けられていた。
美術にうとい〈黒獅子〉でも、等間隔に掛けられていた絵画の一枚一枚が相当に値の張る逸品であることは推測できた。
不意に〈黒獅子〉は足を止め、ふと一枚の絵に着目した。
「これは瀉血行為を描いた絵か?」
蝋燭の炎よりも明るいオイルランプの傍に掛けられていた絵には、百年ほど前には最新の医療技術だと信じられていた光景が詳細に描かれていた。
当時、病気になった市民たちは高額な報酬を要求させる医者よりも床屋に通っていた。
その頃の床屋には髪を刈る仕事とは別に外科医を兼任する理髪師が多く、体液の平衡を保てるとして盛んに瀉血を行っていた。
瀉血とは読んで字の如く、血を抜く行為である。
薬学や外科手術が発達した昨今では信じられないことだが、百年前までは体内から血を抜けば大抵の病気が治ると平気で信じられていた。
意図的に血を抜いたところで悪戯に病人を弱らせるだけだと一部の医者は考えていたものの、戦乱や天災が続いていた当時の市民たちは金銭的な理由も相まって、民間治療に頼らざるを負えなかったのである。
そんな当時の瀉血行為が描かれた絵が〈黒獅子〉の目の前には堂々と飾られていた。
現在でも医者は高額な報酬を得られる職業である。
百年前よりは一般大衆でも一週間に一度は通えるほど利用率が高まっていたが、それでも平均的な市民の所得から考えると治療費は決して安い額ではない。
現に今でも医者が少ない都市では伝承と迷信に基づいた怪しい民間治療が行われていると聞く。
だからこそ、医者にも毎日通えるほどの資産を持った豪商の屋敷に瀉血行為を描いた絵が飾られているなど論外だった。
少ない賃金で精一杯日々を生きている一般大衆を侮辱する最低な行為としか思えない。
悪趣味にも程がある、と〈黒獅子〉が目頭を押さえつけたときであった。
通路全体に響き渡るほどの甲高い悲鳴が〈黒獅子〉の耳朶を打った。
絵画を見つめていた〈黒獅子〉は驚きのあまり身体を強張らせ、数拍後に絵画から悲鳴の発生源に顔を移行させた。
〈黒獅子〉がいた細長い通路には、階上に繋がっている階段に辿り着く前に幾つかの扉が存在していた。
その扉の一つからひょっこりと姿を現した若い女性がおり、一枚の絵画を見つめていた〈黒獅子〉を発見して悲鳴を上げたのだ。
二十代前半と思しき女性は、麻製の筒型衣服に婦人用の髪覆いを被っていたことで召使いの一人だと分かった。
仕事にまだ十分に慣れていないために掃除を主に任されていたのだろう。
そうでなければ宴会に料理を運ぶ役目を受けているはずである。
などと暢気に状況を把握している暇はなかった。
姿を見られたばかりか、周囲に響き渡るほどの悲鳴を上げられたのだ。
木造建築よりも音を遮断する石造建築とはいえ、今の悲鳴を誰かに聞かれなかったという保証はない。
自分の失態に胸中で激しく舌打ちした〈黒獅子〉だったが、そこは幾多の修羅場を潜り抜けて来た暗殺者である。
瞬時に意識を切り替えると、あまりの恐怖に身体を石のように硬直させていた召使いの女性目掛けて移動していく。
上体を低く屈めながら床を滑るように移動する歩法を駆使したため、結構な距離があった二人の間合いは一気に縮まった。
もちろん〈黒獅子〉は悪戯に間合いを詰めたわけではない。
召使いの女性に触れられるほど近づくなり、素早く背後に回って左手で口を塞いだ。
空いていた左手を女性の腰に巻きつけて強く引き寄せる。
「大人しくしろ。これ以上、俺の存在を誰かにバラすような馬鹿な真似をしなければ何もしない。それは約束する」
女性の耳元に口を寄せて〈黒獅子〉は優しげな口調でささやく。
だが身体を完全に拘束された女性の震えは一向に治まらなかった。
よほどの恐怖を感じているのだろう。
返事をするどころか今にも泣き叫びそうな雰囲気が伝わってくる。
(仕方ない。しばらく眠ってもらう)
圧倒的な恐怖に支配されていた女性の態度を見るなり、〈黒獅子〉これ以上の説得は無理だと判断した。
女性の口を塞いでいた左手とは逆の右手を、腰に巻いていた本革製のバックルに近づける。
バックルの中には様々な用途に使える鍼が何本も収納されている。
〈黒獅子〉はまさにその鍼の一本を取り出そうとしたのだ。
しかし――。
(誰かが来る!)
不意に〈黒獅子〉は大量の氷水を浴びせられたような錯覚に陥った。
拘束していた女性を躊躇せずに離すなり、〈黒獅子〉は件の人間が前方の階段から現われるだろうと予想した。
当然である。
尋常ではない気配とともに、凄まじい速度で階段を駆け下りてくる人間の足音が聞こえてきたからだ。
「さっきの悲鳴は誰が上げたの!」
やがて一人の少女が階段を駆け下りてきたときたとき、〈黒獅子〉は困惑してしまった。
「あんた、どう見ても声を上げた人物じゃないわね。それに格好も使用人とは思えない……間違いなく泥棒の類よね」
〈黒師子〉の視界に飛び込んできたのは、全身から闘気を放出しているリ・シェンファだった。
1
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる