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第十七話 異国の拳法少女・シェンファ ⑤
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大通りの路地から移動すること四半刻(約三十分)後――。
シェンファとケイリンの二人は、ローレザンヌの象徴とも呼ばれていたサン・ソルボンス修道院へと辿り着いた。
だが二人の目的地は修道院自体ではない。修道騎士団が厳重に所持品を検査していた正門を潜り抜け、大勢の行列の中に混じりながら左手側に点在していた建物へと向かう。
本館である修道院の反対側に聳え立っていた大聖堂は、外観を眺めただけで巨額の資金と卓越した名工たちの手によって建造されたことが窺えた。
そして聖堂内に足を踏み入れるとシェンファは思わず息を呑んだ。
司教が説法を行う主祭壇までの通路が果てしなく長いのだ。
また視線を上に向けると大きな石の屋根が半円形の天井を支えており、左右の石壁には垂直様式と呼ばれた先端に沿って徐々に尖っていくステンドグラスが何枚も嵌め込まれていた。
「す、凄い……」
シェンファは一瞬でステンドグラスに描かれていた絵に目を奪われた。
本来の硝子は言わずもがな無色透明である。
しかしフランベル皇国の硝子製造職人たちは製造過程において、原色の緑を除き様々な色の着色料を硝子に混入した。
すると硝子には青、赤、紫などの色が付き、硝子職人たちは着色された硝子を何枚も重ね合わせることで一つの絵が完成するように工夫したのである。
その集大成が教会や大聖堂に嵌め込まれているステンドグラスだ。
しかも着色硝子を何枚も重ねて絵を作ると、外から差し込まれる陽光が色彩の奇跡を起こすとして大衆に気に入られている。
異国文化に詳しいケイリンからそのような話を聞くと、当然だとばかりにシェンファは大きく頷いた。
現在も数百人が収容可能なサン・ソルボンス大聖堂には、外から差し込まれている太陽の光がステンドグラスを通過して色彩の奇跡を生んでいた。
特にサン・ソルボンス大聖堂に使用されているステンドグラスは主に青を基調としていたため、無機質な石製の床が大海原に変化したような感慨深い印象を受けた。
ケイリンの話ではこのような海や青空を想起させる青色硝子をブル・ド・シエル(天空の青)と呼び、高価な宝石よりも高い価値を有しているのだという。
「シェンファ、何をボケっとしている。そろそろ始まるぞ」
ケイリンの声で我に返ったシェンファは、いつしか周囲の人々が主祭壇の前に集まっていることに気がついた。
やがてシェンファはケイリンの指示に従って主祭壇に向かって歩き出した。
「ねえ、叔父さん。今からここで何が始まるんですか?」
周囲を見渡すと富裕層や市民層に関係なく人が集まっているように見えた。
纏っている衣服も実に様々だ。
富裕層はゆったりと裾が長い衣服を着用し、市民層は太股から下が剥き出しの袖の細い筒型衣服を着用していた。
だが中には頭部までもすっぽりと覆った黒の外套を羽織っている人間もおり、あんなに全身を外套で隠して暑くないのだろうかとシェンファは訝しんだ。
そんなことを真剣に考えていたときである。
サン・ソルボンス大聖堂に甲高い鐘の音が響き渡った。
本館である修道院の屋上に取り付けられていた鐘楼が鳴らされたのだろう。
何度も鐘の音が大聖堂内に響く中、ケイリンはそっとシェンファに耳打ちをした。
「シェンファ、これからジョルジュ・ロゼという司教が祭壇に現れてクレスト教の説法を唱えるだろう。だが、そんな説法はどうでもいい。私たちが見るべきものは司教ではなく説法終了後に祭壇に祭られる聖遺物だ」
「聖遺物? それって過去に聖人たちが身に付けていたという装飾品のこと?」
ケイリンはこくりと首を縦に振った。
「ああ、ただしサン・ソルボンス大聖堂に保管されている聖遺物は装飾品の類ではない。木乃伊化した聖人の一部分が厳重に保管されているんだ。確か左目だったかな? いや右目だっただろうか……まあ、どちらにせよ普段は絶対に拝めない代物には違いない。貴重品を扱う商人としては、そのような珍しい代物は一目でも拝んでおくに限る。絶対に得に成りこそすれ損にはならないだろうからな」
(それって武術家の私にはあまり関係ないことに思えるんだけど……)
商人であるケイリンにしてみれば確かに聖遺物は見るに値する代物だろう。
しかし、自分の技を向上させることに心血を注ぐ武術家には単なる遺骨に過ぎない。
ましてや、その遺骨が異国の人間ならば尚更だった。
それでもシェンファは憤慨することもなく、異国の作法を取り始めたケイリンに習って片膝を付く。
周囲にさり気なく視線を彷徨わせると、すでに大多数の人間が片膝をついた状態で司教を待ち侘びている光景が見えた。
大聖堂の中に一際長い鐘の音が響き渡る。
隣にいたケイリンが「司教が登場するときに鳴る鐘の音だ」と囁いた。
その後、ケイリンが言ったように司教のジョルジュ・ロゼが現れた。
後方には護衛役である数人の修道騎士団を引き連れている。
これで修道騎士団を見たのは二度目であった。
ケイリンから聞いていたがローレザンヌの修道騎士団員は総じて若い。
ジョルジュの後方に控えている修道騎士員たちも全員が二十代前半か半ばぐらいだろう。
(あれ? あの人って施療院で医者をしていた人?)
五人の若い修道騎士団員たちの中にシェンファは見知った顔を見つけた。
一週間ほど前、貴族の馬鹿子息たちと喧嘩沙汰を起こしたときに世話になった医者の青年だ。
青年の名前は忘れたが、亜麻色の髪と端正な顔立ちはよく記憶に留めていた。
などとシェンファが思ったとき、主祭壇に上がったジョルジュが両手の指を絡めて目を閉じた。
それから神に短く祈りを捧げ、「私などが説法の題目を語ることは神に恐縮なのですが」と威厳に満ち溢れた声で話を始める。
シェンファは医者だと思っていた騎士団員の一人からジョルジュに視線を移す。
やはり司教という高位な立場にもなると着用している衣服から違うようだ。
煌びやかな刺繍が施された衣服は上から下まで清潔感にあふれ、左手には黄金の装飾が施された司教杖を持っていた。
形的には乾燥させた藜の木に似ているだろうか。
次にシェンファはジョルジュの顔に注目した。
シン国では存在しない灰色の髪に彫りの深い相貌。
年齢は五十代後半ほどで叔父のケイリンと同年代だったのかもしれない。
だが、肥太ったケイリンよりもジョルジュの方が身体も口髭も精悍であった。
これからジョルジュの有り難い説法が始まるのか。長くなりそうな雰囲気にシェンファは込み上げてくる欠伸を必死に噛み殺した。
まさにその直後である。
シェンファの背中にじくりとした汗がにじんだ。
密閉された空間に大勢の人間が犇いていたので、生温い汗が滲むほど大聖堂内が蒸し暑くなっていたことは否めない。
にもかかわらず、シェンファの背中に浮かんだ汗は〝冷たかった〟のである。
(誰かが殺気を放った!)
武術家としての本能だったのだろう。
説法を開始したジョルジュの話に耳と意識を傾けている大勢の人間たちとは違い、シェンファは瞬時に殺気の発生源を特定しようと全神経を鋭敏に研ぎ澄ました。
数瞬後、シェンファは浅く呼気を吐いて臨戦態勢を整えた。
当然である。
殺気は一つではなかった。
確実に三つは存在していたことから、この大聖堂内に三人以上の殺意を孕む人間が潜んでいることは間違いない。
しかも殺気を孕んでいる人間は素人ではなかった。
針の如く研磨された殺気からは、迅速に仕事を果たすという熟練者特有の意志が如実に感じ取れたからだ。
ただ、よく分からないこともある。
殺意を孕んでいる人間は一体誰を標的にしているのか?
なぜ一向に動こうとしないのか?
初めて説法に参加したシェンファには暗殺者の事情など露も知らない。
だが、居合わせた以上は自分の目の前で殺人など起こさせない。
ましてや、この場所には身内であるケイリンもいるのだ。
武術がまったく使えないケイリンでは騒ぎに乗じて怪我を負う可能性もある。
そんなことになれば護衛として異国まで付いてきた意味がなくなってしまう。
(誰を狙っているのか知らないけど、私の前で好き勝手に出来るとは思わないでよね)
シェンファが暗殺者と思しき相手の動向を探る中、注目を集めていたジョルジュは独自の体験談を交えた説法を終えた。
そして間を空けるために軽く咳き込んだあと、ジョルジュが「ここにお集まりになった皆様に重大な話があります」と意味深な前置きを発したときである。
「司教様! 大変でございます!」
大聖堂の主入り口の扉が盛大に開け放たれ、一人の修道士が慌てて雪崩れ込んできた。
シェンファとケイリンの二人は、ローレザンヌの象徴とも呼ばれていたサン・ソルボンス修道院へと辿り着いた。
だが二人の目的地は修道院自体ではない。修道騎士団が厳重に所持品を検査していた正門を潜り抜け、大勢の行列の中に混じりながら左手側に点在していた建物へと向かう。
本館である修道院の反対側に聳え立っていた大聖堂は、外観を眺めただけで巨額の資金と卓越した名工たちの手によって建造されたことが窺えた。
そして聖堂内に足を踏み入れるとシェンファは思わず息を呑んだ。
司教が説法を行う主祭壇までの通路が果てしなく長いのだ。
また視線を上に向けると大きな石の屋根が半円形の天井を支えており、左右の石壁には垂直様式と呼ばれた先端に沿って徐々に尖っていくステンドグラスが何枚も嵌め込まれていた。
「す、凄い……」
シェンファは一瞬でステンドグラスに描かれていた絵に目を奪われた。
本来の硝子は言わずもがな無色透明である。
しかしフランベル皇国の硝子製造職人たちは製造過程において、原色の緑を除き様々な色の着色料を硝子に混入した。
すると硝子には青、赤、紫などの色が付き、硝子職人たちは着色された硝子を何枚も重ね合わせることで一つの絵が完成するように工夫したのである。
その集大成が教会や大聖堂に嵌め込まれているステンドグラスだ。
しかも着色硝子を何枚も重ねて絵を作ると、外から差し込まれる陽光が色彩の奇跡を起こすとして大衆に気に入られている。
異国文化に詳しいケイリンからそのような話を聞くと、当然だとばかりにシェンファは大きく頷いた。
現在も数百人が収容可能なサン・ソルボンス大聖堂には、外から差し込まれている太陽の光がステンドグラスを通過して色彩の奇跡を生んでいた。
特にサン・ソルボンス大聖堂に使用されているステンドグラスは主に青を基調としていたため、無機質な石製の床が大海原に変化したような感慨深い印象を受けた。
ケイリンの話ではこのような海や青空を想起させる青色硝子をブル・ド・シエル(天空の青)と呼び、高価な宝石よりも高い価値を有しているのだという。
「シェンファ、何をボケっとしている。そろそろ始まるぞ」
ケイリンの声で我に返ったシェンファは、いつしか周囲の人々が主祭壇の前に集まっていることに気がついた。
やがてシェンファはケイリンの指示に従って主祭壇に向かって歩き出した。
「ねえ、叔父さん。今からここで何が始まるんですか?」
周囲を見渡すと富裕層や市民層に関係なく人が集まっているように見えた。
纏っている衣服も実に様々だ。
富裕層はゆったりと裾が長い衣服を着用し、市民層は太股から下が剥き出しの袖の細い筒型衣服を着用していた。
だが中には頭部までもすっぽりと覆った黒の外套を羽織っている人間もおり、あんなに全身を外套で隠して暑くないのだろうかとシェンファは訝しんだ。
そんなことを真剣に考えていたときである。
サン・ソルボンス大聖堂に甲高い鐘の音が響き渡った。
本館である修道院の屋上に取り付けられていた鐘楼が鳴らされたのだろう。
何度も鐘の音が大聖堂内に響く中、ケイリンはそっとシェンファに耳打ちをした。
「シェンファ、これからジョルジュ・ロゼという司教が祭壇に現れてクレスト教の説法を唱えるだろう。だが、そんな説法はどうでもいい。私たちが見るべきものは司教ではなく説法終了後に祭壇に祭られる聖遺物だ」
「聖遺物? それって過去に聖人たちが身に付けていたという装飾品のこと?」
ケイリンはこくりと首を縦に振った。
「ああ、ただしサン・ソルボンス大聖堂に保管されている聖遺物は装飾品の類ではない。木乃伊化した聖人の一部分が厳重に保管されているんだ。確か左目だったかな? いや右目だっただろうか……まあ、どちらにせよ普段は絶対に拝めない代物には違いない。貴重品を扱う商人としては、そのような珍しい代物は一目でも拝んでおくに限る。絶対に得に成りこそすれ損にはならないだろうからな」
(それって武術家の私にはあまり関係ないことに思えるんだけど……)
商人であるケイリンにしてみれば確かに聖遺物は見るに値する代物だろう。
しかし、自分の技を向上させることに心血を注ぐ武術家には単なる遺骨に過ぎない。
ましてや、その遺骨が異国の人間ならば尚更だった。
それでもシェンファは憤慨することもなく、異国の作法を取り始めたケイリンに習って片膝を付く。
周囲にさり気なく視線を彷徨わせると、すでに大多数の人間が片膝をついた状態で司教を待ち侘びている光景が見えた。
大聖堂の中に一際長い鐘の音が響き渡る。
隣にいたケイリンが「司教が登場するときに鳴る鐘の音だ」と囁いた。
その後、ケイリンが言ったように司教のジョルジュ・ロゼが現れた。
後方には護衛役である数人の修道騎士団を引き連れている。
これで修道騎士団を見たのは二度目であった。
ケイリンから聞いていたがローレザンヌの修道騎士団員は総じて若い。
ジョルジュの後方に控えている修道騎士員たちも全員が二十代前半か半ばぐらいだろう。
(あれ? あの人って施療院で医者をしていた人?)
五人の若い修道騎士団員たちの中にシェンファは見知った顔を見つけた。
一週間ほど前、貴族の馬鹿子息たちと喧嘩沙汰を起こしたときに世話になった医者の青年だ。
青年の名前は忘れたが、亜麻色の髪と端正な顔立ちはよく記憶に留めていた。
などとシェンファが思ったとき、主祭壇に上がったジョルジュが両手の指を絡めて目を閉じた。
それから神に短く祈りを捧げ、「私などが説法の題目を語ることは神に恐縮なのですが」と威厳に満ち溢れた声で話を始める。
シェンファは医者だと思っていた騎士団員の一人からジョルジュに視線を移す。
やはり司教という高位な立場にもなると着用している衣服から違うようだ。
煌びやかな刺繍が施された衣服は上から下まで清潔感にあふれ、左手には黄金の装飾が施された司教杖を持っていた。
形的には乾燥させた藜の木に似ているだろうか。
次にシェンファはジョルジュの顔に注目した。
シン国では存在しない灰色の髪に彫りの深い相貌。
年齢は五十代後半ほどで叔父のケイリンと同年代だったのかもしれない。
だが、肥太ったケイリンよりもジョルジュの方が身体も口髭も精悍であった。
これからジョルジュの有り難い説法が始まるのか。長くなりそうな雰囲気にシェンファは込み上げてくる欠伸を必死に噛み殺した。
まさにその直後である。
シェンファの背中にじくりとした汗がにじんだ。
密閉された空間に大勢の人間が犇いていたので、生温い汗が滲むほど大聖堂内が蒸し暑くなっていたことは否めない。
にもかかわらず、シェンファの背中に浮かんだ汗は〝冷たかった〟のである。
(誰かが殺気を放った!)
武術家としての本能だったのだろう。
説法を開始したジョルジュの話に耳と意識を傾けている大勢の人間たちとは違い、シェンファは瞬時に殺気の発生源を特定しようと全神経を鋭敏に研ぎ澄ました。
数瞬後、シェンファは浅く呼気を吐いて臨戦態勢を整えた。
当然である。
殺気は一つではなかった。
確実に三つは存在していたことから、この大聖堂内に三人以上の殺意を孕む人間が潜んでいることは間違いない。
しかも殺気を孕んでいる人間は素人ではなかった。
針の如く研磨された殺気からは、迅速に仕事を果たすという熟練者特有の意志が如実に感じ取れたからだ。
ただ、よく分からないこともある。
殺意を孕んでいる人間は一体誰を標的にしているのか?
なぜ一向に動こうとしないのか?
初めて説法に参加したシェンファには暗殺者の事情など露も知らない。
だが、居合わせた以上は自分の目の前で殺人など起こさせない。
ましてや、この場所には身内であるケイリンもいるのだ。
武術がまったく使えないケイリンでは騒ぎに乗じて怪我を負う可能性もある。
そんなことになれば護衛として異国まで付いてきた意味がなくなってしまう。
(誰を狙っているのか知らないけど、私の前で好き勝手に出来るとは思わないでよね)
シェンファが暗殺者と思しき相手の動向を探る中、注目を集めていたジョルジュは独自の体験談を交えた説法を終えた。
そして間を空けるために軽く咳き込んだあと、ジョルジュが「ここにお集まりになった皆様に重大な話があります」と意味深な前置きを発したときである。
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