コレクト王国物語

星鹿カナン

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ジャック、旅に出る

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 ジャックは、コレクト王国の王子です。




 コレクト王国とは、コレクト王国国王のパーシヴァルが成人したての頃、その父である先代ブレイク王国国王のヘンリーと信念の違いを理由とした大喧嘩をし、城に戻りたくない、あの城には家族と呼べる者はいない、という思いで国を出て、逃げ落ちた先で創り上げた、今はまだ国擬きの王国です。



 ソード歴2000年現在、コレクト王国は、四方を山と川と湖と海と平原に囲まれた、とても自然が豊かな土地の森の中心部にある、まあまあ広い御屋敷を王宮と呼び、パーシヴァルについて城を出た家臣たちや道中で拾った子供たちなどが暮らす家のある場所を王都と呼んでいるだけの国であるため、世界中の国々からは正式な国としてすら認められていません。






 そんな、コレクト王国の王子であるジャックには、とてつもなく大きな、野望という名の夢があります。


 それは、幼少の頃にハーベス山で拾った、マジックアイテムである、『コレクションブック』に、「世界中に存在する全てのものを記録する」ということです。



 コレクションブックには、無限に続くページと自動で更新される目次と索引のページがあるため、幼き日のジャックは、これに世界の全てを記録できる、と確信しました。



 この夢は奇しくも、ジャックの父である、パーシヴァル王が嫌った、祖父ヘンリーの「世界の全てを手中に収める」という目標に、似通った部分がありました。



 そのせいか、ジャックがこの夢を叶えるために旅に出たいと告げた時に、パーシヴァル王から、散々反対された挙句、地下牢と呼ばれる石畳の地下室に軟禁されてしまいました。





 軟禁されたことに怒ったジャックは、地下へ繋がる階段周辺の見張りの目を盗んで地下牢を抜け出し、自室に戻ると、コレクションブックと数日分の食料と筆記用具の入った、外出時用のカバンだけを持って家を飛び出しました。



 こうして、コレクト王国の王子、ジャックの冒険の旅は幕を開けました。
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