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旅人編 第一章
ジャック、カロンの村にて(4)
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「ほう。
これが、カレーか。
・・・・・・・・・うん、香りに違わず、美味いな。
今まで食べたことのある辛いものは、どれもたくさん食べたら病気になりそうだと感じるものばかりだったが、・・・・・・これは良いな。
無性に、食欲が湧いてくる。
魔性の一品だ。
・・・・・・・・・ングング、猪肉は食べ慣れたものだが、この下味の付け方は最高だ。
確か、塩とコショウ、だったか?この調味料は、猪肉によく合うのだな。」
ジャックは密かに、家の厨房の料理人たちにここで修行させれば少しは腕が良くなるのでは?と考えていました。
コレクト王国の王宮の料理人たちは、元々、コレクト王国国王パーシヴァルがブレイク王国の王城を出る時に付き従った貴族や、パーシヴァルがブレイク王国の各地で拾ってきたストリートチルドレンやスラム街で暮らしていた孤児たちでした。
つまり、コレクト王国の王宮の厨房には、料理を作った経験がある者が全くおらず、料理人たちは直感と僅かな知識だけを頼りに、日々試行錯誤しながら料理を作っているのです。
そのため、ジャックが家の料理人たちの腕は悪かった、と感じるのも仕方のないことでした。
「カレーは、平民に人気の高い料理なんですよ。
でも、貴族の家では作られない傾向があるんです。
そのせいか、高級料理店や貴族が住んでいる街の食堂辺りでは、カレーってなかなか見かけ無いメニューなんです。裏メニューになら有る、っていうところならそこそこあるみたいなんですけどねぇ。
まぁ、この村には貴族が住んでいる訳ではないので、関係ない・・・・・・・・・ですけどね。」
「ん?
このシシカレーは、裏メニューではないのか?
その言いぶりだと、ここでは、普通のメニューとしてカレーがあるということか?」
「ん?
ああ、そうだよ。
裏メニューなのは、あくまでシシ料理、猪肉を使っている、って部分さ。
カレー自体は普通のメニューだね。
しっかし兄ちゃん、よく食べるねぇ。
あぁ、ほんっとうに見ていて気分が良いよ。
なぁなぁ、兄ちゃん、うちの村に永住する気はないかい?
今ならなんと、カロンの村のアイドル、アリアちゃんが兄ちゃんの良い奥さんになってくれるぞ?」
「ちょっ、ちょっと!エルダおばさん!?
何言ってるの!
ねぇ、ジャックさん・・・
「んー、考えときます。」
考えときます、じゃないよ!」
少しからかっただけのつもりのジャックでしたが、想像以上にアリアの反応が良いため、少し楽しく感じ始めていました。
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