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一章
2-出会い
しおりを挟む『トン、トン』
『ジュウッ』
「ん……」
何やら騒々しい音と共に、少女は目を覚ました。窓から漏れる光が顔を照らし、少女が目を細める。
霞む視界の先には、人影らしきものが映る。
何かが焼ける匂いが鼻を擽る。
これは―――
「に、く……?」
少女の喉から掠れた声が溢れる。
「―――おはよう」
すると、低い声が少女の耳に届いた。
少女が霞む目を擦り、声の方へと目を向ける。
するとそこには、赤髪の男が立っていた。
「こ、こは……ど、こ……?」
「ここはコクーンの外で―――俺の家だ」
少女が絞り出した声で尋ねると、男は忙しなく手を動かしながら端的に答えた。
何やら植物を切断し、火の上に置かれた平らな器具にばら撒いている。
「コ、クーンの……外……VRじゃ……ない?」
「そう。あっちではこっちの存在を忘れてる奴も多いが……君はそうじゃないみたいだな」
少女が今の説明で状況を理解出来た事に、男は満足したようだ。
そのまま視線を手元へと戻し、男は『ジュウジュウ』と音を立てる作業を続けた。
「料……理」
どうやら少女には男が取っている行動にも知識があるらしく、男を呆然と見つめながら、作業の名称を呟いた。
「ああ。もうすぐ出来るから、寛いでいてくれ」
男が告げると、少女はキョロキョロと辺りを見回す。
「服……ベッド……布団……部屋……机……」
少女は自分の置かれた状況を確認するように、一つ一つ身の回りの名称を呟いた。
少女の体には薄いワンピースが着せられ、フカフカの布団の上に腰掛けている。
辺りは木製の壁、木製の屋根、木製の机と、木で造られた物が散見される。
『コト』
「出来たぞ」
男が皿に盛り付けた料理を机に並べる。小さな机に所狭しと置かれたパン、スープ、肉と野菜の炒め物から食欲を唆る香りが立つ。
シュルリと紐を引いてエプロンを外し、白いシャツに黒のサスペンダーパンツが姿を見せる。
そして少女の元へと近付くと―――
『スッ―――』
赤毛の男が少女へと手を差し出す。
少女は未だぼんやりと呆けたまま、差し出された手を取る。
「まだ自分の足で歩くには早い」
そう言いながら男は少女の肩を支え、ベッドから引っ張り出す。
「んっ……」
男に身を任せながら、少女は自分の足で立とうとする。だが上手く力が入らないようで、足元が覚束無い。
「あ、れ……歩け……な……」
「何年もコクーンの中に居たんだ。あまり無理をするな」
殆ど男が少女を抱えるような形でテーブルへと運び、椅子に座らせる。
少女は肩で息をしながら、目の前の料理をボーッと見つめる。
「さぁ、食べよう。君はまだ若いから、腕くらいは使えるだろう」
そう言うと男は小さく祈り、食事に手を付け始めた。
少女は無表情のまま、男が食べている料理と、自分に差し出された物とを交互に見やる。
男の方は主食から炒め物まで様々な料理が並んでおり、かたや少女の方には小さなパン屑が浮かんだスープのみ。
随分と格差のあるメニューだ。
「はじめは消化しやすい食事から胃腸を慣らすんだ」
少女の顔から料理への不服は感じられないが、男が格差の理由を一方的に説明する。
少女は再び視線を料理へと戻し、スプーンに手を伸ばした。
他の家具や食器と同じく軽そうな木製のスプーンだが、少女の持つ手は小刻みに震える。
『チャプ』
「んっ……ズッ―――」
少女は震える手を何とか口まで運び、スープを口に流した。そして特に表情を変えることもなく、再びスプーンをスープの中へと沈める。
『チャプ』
「んっ……」
『チャプ』
「……ゴクッ」
少女はスープを掬い、口に流す作業を繰り返す。
その様子を静かに見つめながら、男は肉を口に運ぶ。
食器の擦れる音と、2人の飲み込む音だけが―――無言の空間に流れる。
程なく、少女の皿からスープが全て無くなる。
「おかわりは要るか?」
男が尋ねると少女は小さく頷き、それを見た男は静かに席を立つ。
そしてキッチンへと皿を運んでいき、再び湯気の立つスープを少女の手元へと差し出した。
そして少女は再び同じ作業を数度繰り返したところで、不意にスープを運ぶ手を止めた。
「あなたは……誰?」
少女から質問を受け、男も食事の手を止める。
「俺は、イトだ」
「イト……」
男は名乗り終えると視線を机に戻し、再び食事を再開した。
「イ、トは……どうして……ここに居るの?」
イトと名乗る男が食事を続ける中、少女は次の質問を投げる。すると男はまたもや食事を中止し、丁寧にスプーンを置いた。
「ここに居たいからだ」
「ここ、に……居たい……」
イトのまるで的を射ない回答に、少女は再び言葉を単調に繰り返す。
「わたし、は……どうし、て……ここに、居るの?」
次の質問が投げかけられると、イトはゆっくりと姿勢を正し、少女の目を静かに見つめた。そして―――
「俺が、君と居たいと思ったからだ」
イトは―――真っ直ぐな瞳で、そう告げた。
「どう、して……わたしと、居たいの?」
「君に、興味を持ったからだ」
「興、味……」
イトから突然の告白を受け、少女は黙り込む。だがその顔は驚くでもなく、戸惑うでもなく、ただ無表情のまま―――イトの目を見つめる。そして―――
「わたし、と……セックス……したいって、こと?」
少女の口から出た刺激的な言葉に、イトの手が一瞬ピクリと動く。
だがイトは表情を変えることなく、ゆっくり口を開いた。
「―――少し、違う」
イトは短い言葉で彼女の問いを否定する。
「イト、は……わたしと、セックス……しないの?」
少女は無表情のまま、幼い顔には大凡似つかわしくない質問を続ける。
「君は、セックスがしたいのか?」
少女の質問に答える代わりに、イトが質問を返した。
「わたし、は……セックスが、したい」
「セックス出来ないと、嫌か?」
「セックス、出来ない、の……嫌……」
「セックス出来ないなら、ここに居たくないか?」
「セックス……出来ない―――」
先程までとは立場が入れ替わり、イトから少女への質疑応答が続く。
そして最後の問いに対し、少し間を置きながら―――
「なら―――ここ、に居たくない」
少女は辿々しい口調ながら、やけに通る声で告げる。
そして少女の回答を最後に、場には静寂が流れた―――
「そうか……」
イトは小さく息を吐き、ゆっくりと立ち上がる。するとイトは徐に肩のサスペンダーを下ろし、シャツのボタンを外していった。
シャツの袖から腕を抜き取ると、褐色の肌が顕になる。ズボンを脱ぎ、とうとうイトは下着一枚を纏っただけの姿に―――
そしてそのまま椅子に座る少女の元へと近づき、両手に抱え込んだ。
少女はその様子を、ただ黙って眺めている。
イトは少女をベッドに降ろし、横にさせる。そして薄いワンピースを上に捲ると―――少女の裸体が顕になった。
イトが少女の両膝に手を添えると、
『スッ―――』
少女は無言のまま股を開いた。細い足の間には、薄っすらと毛の生えた女の陰部が、仄かに水滴を垂らしている。
イトがそこに顔を近づけ、舌を伸ばす。
『ツツッ』
「んあっ……」
舌先が割れ目に触れると、色を帯びた吐息が少女の口から漏れ出た。
『チュプ……ジュルッ……』
「ああん……はぁん……」
イトの舌が少女の陰部を這う。粘膜が擦れ合う度に、少女が艶めかしく喘ぐ。
『ジュルルッ! 』
「あぁあんっ!」
突然、イトが強く陰部に吸い付いた。少女は堪らず大きな声を漏らし、身体がビクンと跳ねる。
『レロッレロッレロッ』
「あぁあんっはぁん! い、イイ……!」
イトがリズミカルに突起を弾くと、少女は嬉しそうに身を捩った。
口元に手を添え、頬を赤く染め―――先程までの無表情は崩れ去り、妖艶な笑みを浮かべている。
無機質な態度から一転、淫猥な行為が始まった途端に、彼女の姿は人間らしく変わり果てた。
まるで感情を表現する術が、性的な行為の中にしか存在無いかのように―――
『チュプ……』
「んあっ……! …ハァ…ハァ……」
イトが割れ目から口を離し、細い糸が伝う。
そして不意にベッド脇の引き出しへと手を伸ばし、何やら容器を取り出した。
イトは平たい容器の蓋を回して取り外し、中に指を捩じ込む。そして白いクリームのようなものを指に絡めると、それを少女の股へと塗り込み始めた。
「んっ……何、してる……の?」
「痛み止めを塗っている」
「痛み、止め……?」
どうやら白い何かは薬剤らしい。
何故そのようなものを塗るのかと、少女は不思議そうに首を傾げた。
「セックスは、痛く……ない。とても、気持ち、いい……」
股から伝うヌメり気に眉を顰めながら、少女は答える。
「それはVRだからだ。現実の初めては痛みが伴う」
「そう……なの?」
「ああ。女だけだがな」
セックスに痛みを感じることが想像も付かないのか、少女は未だ解せない様子でイトの手を眺めている。
ようやく塗り終えると、イトは下着を脱ぎ、硬く反り返った肉棒を顕にした。
その姿を確認するなり、少女の口角が上がる。どうやら少女にとって好ましいモノらしい。
イトは先程よりも広く股を開かれた少女の割れ目へと、ソレを当てがう。そして既に溢れんばかりに滴る体液に馴染ませながら、奥へと進んでいくと―――
『ブチブチッ』
「んぎ……!?」
痛々しい音と共に少女の悲鳴が上がった。
『ズブブッ』
更に奥へと肉棒が突き進み、少女の穴から鮮血が垂れる。
「い、痛……い! や、止め……て!」
少女は堪らず行為の中止を求める。だが―――
「じきに良くなる」
『ズチュ、ズチュ』
イトは構うことなく腰を前後に振り始めた。
『ズチュ、ヌチュ』
「いっ、たい……! あっ……あぐっ……!」
血と粘液が混ざり合い、卑猥な音が鳴り響く。少女はイトの腕に爪を立てながら、苦痛に堪えている。だがそれも暫くのことだった。
「あっ……あん…! あぁん……」
徐々に少女の声が色味を帯びていく。どうやら痛み止めが効いてきたらしい。
その様子を確認すると、イトは更に腰の動きを早めた。
『パチュッパチュンッパチュンッ』
「ああんっ! き、もち、いいっ……!」
ようやく求めていた快感が訪れ、少女の顔が綻ぶ。
腰の動きに合わせて少女の胸が大きく揺れる。
『パンッパンッパンッ!』
「きもちっ! 気持ち、いい! 気持ちいい!」
少女はどんどん嬉しそうに喘ぐ。手が自然と自分の胸へと伸び、敏感な突起を指で捏ねる。
それが彼女にとって、行為中の自然な動きなのだろう。より強い快楽を味わうための行為に対し、彼女の中に躊躇いはないようだ。
『ズチュンッ! ヌチュンッ!』
「ああんっはぁんっ! きもちひっ、きもちひぃぃ!」
イトが時折違う動きを加えながら、少女に様々な刺激を与える。それら一つ一つに、少女は歓びを口にする。
「んぁあっ! い、イクッ! イクゥ!」
『パンパンパンパンパンッ!』
早くも少女の身体に絶頂が迫り、イトがスパートをかける。
『パンパンパンパン!パンッ!』
「あああーーーーっ!イ……クッ!」
「ぐっ……!」
『ドクッ、ドクッ』
互いの腰を強く押し付け合いながら、身を震わせる。
イトは顔を顰め、少女は至福に顔を綻ばせる。そして2人の股の間から、血の混じった白濁液が滴り落ちた。
これが、2人が出会ってからの……最初の出来事だった―――
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