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二章
13-大奥
しおりを挟むその頃、もう一方のコクーンでは―――
テスは木製の建物の中に立っていた。
その身には、何重にも重なった鮮やかな服を纏っている。
『初めて見る光景だな。これは、城……か?』
周囲の様相に、テスの視界に現れたザットが問う。
「これは、古代のアジアによく見られた建物ね。そして私の服装から察するに、日本という国の西暦1500~1800年代……ってとこかしら」
テスが周りや自分の服を眺めながら答える。どうやらテスには、これらの文化に知識があるらしい。
『流石は歴史オタクのテスだ。AIを使うまでもないな』
「細かい年代までは分からないから、一応AIに分析させておいて」
『了解』
ザットの称賛を笠に着ることなく、テスは詳しい調査を依頼する。
『AIの分析結果が出た。どうやらご名答のようだ、テス。
ここはJPN1700―――つまり、日本の西暦1700年代をモチーフにしたVR世界。そして場所は当時の最大権力者である『将軍』の城。
対象者はその将軍を名乗っているようだ』
「なるほど、将軍……ね」
ザットの報告にテスが暫く考え込むと―――
「OKザット、暫く私を透明化して貰えないかしら」
「その理由は?」
突然の要請に、ザットは短く質問を返す。
「相手が将軍となると、ここは当時の日本のハーレム、大奥とみて間違いないわ。そして対象者は将軍という立場で、権力を行使する生活を満喫している可能性が高い。気に入らないものは見ただけで即排除―――なんてこともあり得るわ。
だからすぐに対象者とは接触せずに、暫く様子を伺いたいの」
「了解。素晴らしい分析力だ」
テスの理由にザットは納得の顔を見せ、すぐさまテスの姿を透明化させた。すると―――
『スタスタスタッ』
テスの後方から大勢の人間が現れ、奥の方へと進んでいく。皆美しい女性ばかりで、テスと同じようにきらびやかな和服を引き摺っている。
そして全員が無言のままテスの体をすり抜けていくと、最奥の扉の前で両脇に並んで座した。
『彼女らは一体何をしているんだ?』
そのただならぬ様子に、ザットは訝しく眉を顰める。
「多分……将軍のお出ましよ」
テスがそう告げると―――
『ガランガランガランッ!』
突如、鈴の音が辺りに大きく鳴り響いた。そして―――
「照嘉様のおなぁああ~~~りいぃ~~~」
一番奥の女性が、甲高い声を上げた。すると奥の扉が『ギイィッ』と鈍い音を立てて開かれる。
そしてその奥から、一人の男が姿を現した。
「ギヒッぐヒヒッ! 今日も美しいおなごが揃っておるのぅ……!」
着物を召したその男は、出てくるなり下品な顔を浮かべながら、床に控える女達を見下ろした。
すると女達は男を見るなり―――
「あぁん、照嘉様ぁっ」
「今日はわたくしとお遊びなさってぇ~」
「いやんっ、わたくしですわぁ」
女達は艶めかしく色めき立ち、美しく着込んだ着物を次から次へとはだけさせていく。
ある者は胸を開いて乳房を揺さぶり、またある者は股を大きく開いて、下着も纏わぬソコを指で搔き回した。
「……これじゃ大奥というより、まるで遊郭ね」
遊女顔負けのはしたない姿に、テスは苦笑いを浮かべた。
『将軍を前に女達がここまで破廉恥な醜態を晒すのは、この大奥とやらの文化か? 或いは対象者の趣向によるものか?』
「後者の方ね。この頃の日本人女性は『大和撫子』と呼ばれ、女性は慎ましくあるべきという価値観が根強かった。日本から大和撫子の文化が失われるのは、もっと後の時代よ。
そして将軍の方も、ハーレムとはいえ日本の大奥の場合は、将軍が女性を直接口説くのはNG、皆の前で手を出すなんていう『御乱行』は以ての外よ」
ザットの疑問に対し、テスがあくまで対象者が改変したものだと説明する。だが目の前で繰り広げられる光景は、テスの説明とはかけ離れたものだった。
「ぐひひっ! 良い眺めじゃのう! そりゃっ!」
「んぁああーーーっ! イックゥゥーーーッ!!」
対象者がいきなり女の乳房を揉みしだく。すると女は腰をガクガクと震わせ、激しく絶頂した。
「キャアーーッ! 照嘉様ぁ~~っ! 私も触ってぇ~~ん!」
「私っ! 私もぉ~~~っ!」
すると周りの女達が歓声を上げながら、対象者に愛撫を求めて胸や性器を突き出す。
「ほれっほれっ」
『クチュクチュクチュッ』
「ンホォオオーーーーッ!! ンギモヂイィィーーーッ!!」
『ブシャアアーーーッ』
対象者が次の女の股に指を突っ込むと、女性は潮を撒き散らしながら喘ぎ狂った。
「ほれっ! 気持ちいいかえっ!?」
「しゅんごい気持ちいい~~~っっ! 最っっっ高ぉおおーーーー!!」
対象者は次々と女達の身体に触れ、触られた女達は基地外の如くよがりまくる。
『どうやら対象者はNPCの感度か、或いは対象者の愛撫を受けた者が感じる快感レベルを引き上げているようだな』
ほんの少しの愛撫でイキ狂う女達の様子に、ザットが推測を述べる。
「恐らく対象者の愛撫によるものね。見て―――周りの女性達は自分の手で体を慰めても、あれ程の快感は得ていないように見受けられるわ」
テスが指差す方を見ると、そこにはひたすら自慰に耽る女達の姿があった。
彼女らは対象者の手によって絶頂する女性に羨望の眼差しを向けながら、もどかしそうに身を捩っている。
『となると―――今回はかなり負担の大きい仕事となりそうだが……大丈夫か?』
「問題ないわ。それよりも―――」
ザットからの身を案じる言葉にテスは軽く応えると、チラリと対象者の方を見やり、何やら"別の問題"に焦点を当てた―――
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