百鬼淫行

淀川 乱歩

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其の参 童菊中天(みつぼう)

其の参 童菊中天(みつぼう)の三十八()

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 ……お蘭の恥部の愛液を、全裸の四つん這いで舐め続けている禿の少女は、名を雪と云い、お蘭の先輩禿で、世話係でもあった。
 ……名前通りに、雪の様に白い肌に長い黒髪の少女もまた、幼い頃に遊廓(ここ)に売られて来たのだった。
 ……彼女もまた、遠い北の異国から、密かに船で連れて来られた少女で、お雪と名付けられた。
 ……お蘭は、お雪に良く懐(なつ)き、本当の姉妹の様に仲が良かったと云う。

 ……処で、そんなお雪には幾つか、奇妙な噂(うわさ)が有った。彼女の唾液には不思議な力が有ると云うのだ。
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