百鬼淫行

淀川 乱歩

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其の七 褌蟹(またかぶり)

其の七 褌蟹(またかぶり)の十八

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 ……だから、村の子供達が兄弟や姉妹で入浴する時にも、弟や妹達は兄や姉の指を肛門に挿入されて嬲(なぶ)られ、催眠状態で無抵抗に裸身を玩具(おもちゃ)にされ、毎晩お風呂の湯の中で性的絶頂(オルガズム)させられ続けていたのだった。

 ……さて、やがて村の少年少女達は鍾乳洞の地下集会所で、世話役に全裸で抱き抱えられて中央に置かれた細長い木机の上に、数人ずつ並べて仰向(あおむ)けに寝かされた。
 ……そして、一人ずつ順番に世話役達に、足首を掴(つか)まれて両足を大きく開いて上げさせられ、周囲の村人達の視線に幼い性器と肛門の間の会陰(えいん)部を晒(さら)されたまま、涅槃師の指で裸身に紋様を繰り返し描かれて、やがて木机の上で素裸で性的絶頂させられて仕舞ったのだ。
 ……すると、其の子の性的絶頂と共に、白い会陰部に現れた薔薇色の稚児火照(ほたる)に村長が顔を近付け、確かに其の子が村の子供で或る事を確認して、周囲の村人達に告げた。
 ……其れが、鯱鉾の儀の性痕改(みしるしあらた)めの儀で、其の子が間違い無く村の血族で或る事を村長達は確認したのだった。

 ……また、そんな性痕改めの儀の時に、性的快感に耐え切れずに、村人達の視線の中、机の上で精通、つまり射精(おもらし)して仕舞う少年達もいた。
 ……其の少年は垂恥根(おはつ)と呼ばれ、来る年の吉兆(めでた)として村人達全員の拍手で祝福されたのだった。

 ……村の涅槃師達は一旦、其の射精した子の菊穴(アヌス)から小縄張形(ちごなまこ)を抜き取った。
 ……そして、少年の射精を封じる特別な小縄張形を改めて村人達の見守る中で、其の子の肛門に挿入してやったのだ。
 ……やがて、鯱鉾の儀に参加する稚児贄達が全員、木机の上で順番に性的絶頂させられて会陰部(こかん)の稚児火照を村長と村人達に確かめられると、世話役達に海人と陸人との二組に分けられた。
 ……そして、世話役に抱き抱えられて各組から一人ずつ、細長い木机の左右の端から上がり、頭部を向き合って俯(うつぶ)せに寝かされたのだ。
 ……すると、全裸の村の子供達は俯(うつぶ)せの両足を、反射的に左右に大きく開いたので、村人の世話役が裸の子供の両足の足首を机の革(かわ)の足枷に、それぞれ固定した。
 ……そして、世話役は、そんな木机の上の全裸の子供達の両手もまた、背中で後ろ手に革の手錠で、手首を交差させて縛ってやったのだ。
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