百鬼淫行

淀川 乱歩

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其の七 褌蟹(またかぶり)

其の七 褌蟹(またかぶり)の二十

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 ……そして、やがて新年の夜明けが近付くと、海人と陸人の二つの組から一人ずつ、其の年の稚児贄(ちごにえ)の子供が選ばれた。
 ……二人の子供は、菊穴(アヌス)に小縄張形(ちごなまこ)を挿入されたまま、世話役に全裸で肩車されて地下通路を抜け、村長のお屋敷の隠し扉から外に出て、未だ薄暗い海岸へと向かったのだ。
 ……また、そんな肩車された子供が男の子ならば、其の幼い陰茎(ペニス)は勃起させたままだった。

 ……海岸には、二艘(にそう)の木の小船が仲良く、並べて砂浜の上に置かれていた。
 ……稚児贄(ちごにえ)の子供達は、肛門に挿入されていた小縄張形(ちごなまこ)を抜き取られると、其の小船の中に全裸で仰向(あおむ)けに寝かされた。
 ……そして、世話役達が稚児贄達の両足首を掴んで左右に大きく開かせると、涅槃師達が子供達の会陰(えいん)部に奇妙な紋様を描き始めたのだ。
 ……やがて、稚児贄達が可愛(あい)らしく性的快感に喘(あえ)ぎ始めると、催淫呪の印された子供達の白い会陰部に、再び性痕(みしるし)が薔薇色に色鮮やかに浮かび上がった。
 ……そして、そんな稚児贄達が大きく開かされた四肢の手首と足首を、世話役達に、小船に縄で結び付けられて、船底に大の字に磔(はりつけ)にされたのだった。
 ……更に、世話役達は、二人の稚児贄達(ちごにえ)の両耳と鼻の穴に丸めた布を深く押し込み、布で目隠しと猿轡(さるぐつわ)をしてから、涅槃師達と小船から離れたのだ。

 ……そして、提灯や松明を持った村人達が、二艘の小船を遠巻きにして見守る中、二人の稚児贄達(ちごにえ)の裸身の上を、暗褐色の小さな虫達が無数に這い回り始めたのだった。
 ……其れは、村人達が堕魂(だごん)と呼ぶ、村の周囲の海岸にだけ棲む、船虫の様な小さな生き物達で、子供達は腐肉食(うみごきぶり)と呼んで忌(い)み嫌っていた。
 ……二艘の小船の中で、二人の稚児贄の子供達は全裸の全身を、特に敏感な性器を這い回る無数の腐肉食達の悍(おぞ)ましい感触に、目隠しの闇の中で身悶え続けたのだった。

 ……そして、そんな稚児贄達の白い会陰部には、稚児火照(ほたる)が何時までも消えずに、薔薇色に浮かび上がっていた。
 ……実は、稚児贄達は先程、涅槃師達が子供達の会陰部に印した催淫呪の力で、無限に性的絶頂(オルガズム)を繰り返し続ける、稚児涅槃の状態だったのだ。
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