9 / 62
第二章 ポタージュ
9.タイムリミットの話
しおりを挟む
店を出たところで夕希は隼一に頭をさげた。
「申し訳ありませんでした。お誕生日とは知らず、ご馳走になってしまって……」
「え?」
隼一は彼に似合わずポカンとした顔でこちらを見た。そして夕希が謝った意味を察して苦笑した。
「いやいや、何を言ってるんだ。俺こそ誕生日だと黙って誘ったりして悪かったよ。騙し討ちするつもりはなかったんだが」
隼一は少しも怒っていないようだけど、夕希としてはファン失格ものの失態だ。すると彼がうなだれる夕希の背中を優しく叩いた。
「それにこの仕事を依頼したのは俺の方だ。食事代のことは君は一切気にしなくて良い」
「でも、やっぱり申し訳ないです。もしよければこの後別のお店で僕が――」
「いいから。それよりワインが飲みたい気分なんだ。今日は車で来てるからこの後うちでテイスティングの練習をしないか?」
「隼一さんのお宅でですか?」
「ああ。今後のことも話したいしね」
まさか自宅にお邪魔するなんて思ってなかったし、誕生日プレゼントどころか手土産も何も無い。
「失敗した……」
――誕生日に気づいてたら会社に戻る前に何か買えたのに……。
「ん? 何か言った?」
「いえ、なんでもありません」
僕のつぶやきはV型十二気筒エンジンの排気音にかき消された。一見スマートでエレガントなイギリス車だけど、アクセルを踏むと比較的高めで爽快感のある音が出る。この車の見た目と音のギャップは隼一の冷たく整った顔立ちと内面に秘める食への情熱を彷彿とさせた。
「いい音しますね」
「もし苦手なら次からはもっと静かな車で迎えに行く」
「いえ、僕は好きです」
「君とは趣味が合いそうだな」
そう言われて夕希も悪い気はしなかった。
◇◇◇
隼一の自宅は渋谷区にあるマンションだった。彼がこの部屋を選んだ理由は備え付けのワインセラーがあるからだという。そもそも一年のうち半分は海外で過ごしているから、住み心地にはこだわりが無いそうだ。
とはいえ、夕希が住んでいるマンションと比較して広さも高級感も格段に上だった。壁やファブリックはダークグレーで統一され、床や椅子の木目がアクセントとなっている。
「君がこの仕事を引き受けてくれてほっとしているよ。おかげで今夜も久々にディナーを楽しめた」
――隼一さん、食べてる間はほぼ無表情だったけどあれで楽しんでたんだ……。
「夕希が隣に居てくれるだけで匂いのことを忘れられるんだ。君の香りは感じられるから。それに君の説明はつたないけれど、不思議と伝わったよ」
夕希は憧れの美食家の役に立てたことが嬉しかった。
「だから今夜の寿司は美味しく感じた。これからもよろしく」
目を細めた彼の表情は美味しいものを食べた喜びを純粋に示していた。ときに辛辣なところもあるが、それが逆に本音で話してくれている証拠でもあるので安心できる。
自分はベータだと嘘をついておきながら夕希は裏表のある人間は苦手だ。隼一はストレートに物を言うためこちらも遠慮なく話せるのが気楽だった。
「さて、今夜はこれを飲んでみようか。夕希はワインが好き?」
「普通に飲めますけどそこまでは……」
「そうか、それは良くないな」
――ワインがそんなに大事なの?
隼一は特にお気に入りだというワインを開けてくれた。夕希はお酒の場は好きだけど、あまり強くはない。
彼はグラスに注ぎながら尋ねる。
「君はコラムニストをプロとしてやりたいんだよね。メディアに寄稿する形で」
「はい、そうなんです」
「有料で記事を書いたことは?」
「以前webライターをやったことはあります。だけど、自分の書きたいものが書けるとは限らないので……」
夕希としては、自分の観点で発信できるコラムの連載を持つのが希望だ。
「そうか。まあ、俺の鼻がすぐに治るとも思えないし時間はたっぷりあるから焦らずゆっくりやっていこう」
彼はそう言ったが、夕希にはタイムリミットがある。誕生日以降は見合いと結婚で自由に身動きできなくなるだろう。
「その件なんですけど、事情があって僕、今年の誕生日までになんとかコラムの仕事の足がかりをつかんでおきたいんです」
「誕生日? 一体いつなんだ?」
「七月三日です」
「七月? あと三ヶ月しかないじゃないか」
彼は目を丸くした。
「そうか、それならぼやぼやしてる暇は無いな」
彼が思案するのを見て夕希は少し不安になった。
「間に合いそうにないですか? できれば会社を辞める七月末までにはある程度――と思ってるんですが……」
「君は七月で会社を辞めるのか?」
「はい。家庭の事情で……」
「なるほどね……わかった。じゃあなるべく短期間で店を回ってどんどん食レポ記事を書くんだ。それをwebで公開しつつ俺の担当編集者に見てもらおう」
「はい」
自分でも無理があるのはわかっていた。だけど、退職後には隼一に会うことも婚約者が許してくれない可能性がある。
「とりあえず今夜はワインの味を比べてみよう」
「申し訳ありませんでした。お誕生日とは知らず、ご馳走になってしまって……」
「え?」
隼一は彼に似合わずポカンとした顔でこちらを見た。そして夕希が謝った意味を察して苦笑した。
「いやいや、何を言ってるんだ。俺こそ誕生日だと黙って誘ったりして悪かったよ。騙し討ちするつもりはなかったんだが」
隼一は少しも怒っていないようだけど、夕希としてはファン失格ものの失態だ。すると彼がうなだれる夕希の背中を優しく叩いた。
「それにこの仕事を依頼したのは俺の方だ。食事代のことは君は一切気にしなくて良い」
「でも、やっぱり申し訳ないです。もしよければこの後別のお店で僕が――」
「いいから。それよりワインが飲みたい気分なんだ。今日は車で来てるからこの後うちでテイスティングの練習をしないか?」
「隼一さんのお宅でですか?」
「ああ。今後のことも話したいしね」
まさか自宅にお邪魔するなんて思ってなかったし、誕生日プレゼントどころか手土産も何も無い。
「失敗した……」
――誕生日に気づいてたら会社に戻る前に何か買えたのに……。
「ん? 何か言った?」
「いえ、なんでもありません」
僕のつぶやきはV型十二気筒エンジンの排気音にかき消された。一見スマートでエレガントなイギリス車だけど、アクセルを踏むと比較的高めで爽快感のある音が出る。この車の見た目と音のギャップは隼一の冷たく整った顔立ちと内面に秘める食への情熱を彷彿とさせた。
「いい音しますね」
「もし苦手なら次からはもっと静かな車で迎えに行く」
「いえ、僕は好きです」
「君とは趣味が合いそうだな」
そう言われて夕希も悪い気はしなかった。
◇◇◇
隼一の自宅は渋谷区にあるマンションだった。彼がこの部屋を選んだ理由は備え付けのワインセラーがあるからだという。そもそも一年のうち半分は海外で過ごしているから、住み心地にはこだわりが無いそうだ。
とはいえ、夕希が住んでいるマンションと比較して広さも高級感も格段に上だった。壁やファブリックはダークグレーで統一され、床や椅子の木目がアクセントとなっている。
「君がこの仕事を引き受けてくれてほっとしているよ。おかげで今夜も久々にディナーを楽しめた」
――隼一さん、食べてる間はほぼ無表情だったけどあれで楽しんでたんだ……。
「夕希が隣に居てくれるだけで匂いのことを忘れられるんだ。君の香りは感じられるから。それに君の説明はつたないけれど、不思議と伝わったよ」
夕希は憧れの美食家の役に立てたことが嬉しかった。
「だから今夜の寿司は美味しく感じた。これからもよろしく」
目を細めた彼の表情は美味しいものを食べた喜びを純粋に示していた。ときに辛辣なところもあるが、それが逆に本音で話してくれている証拠でもあるので安心できる。
自分はベータだと嘘をついておきながら夕希は裏表のある人間は苦手だ。隼一はストレートに物を言うためこちらも遠慮なく話せるのが気楽だった。
「さて、今夜はこれを飲んでみようか。夕希はワインが好き?」
「普通に飲めますけどそこまでは……」
「そうか、それは良くないな」
――ワインがそんなに大事なの?
隼一は特にお気に入りだというワインを開けてくれた。夕希はお酒の場は好きだけど、あまり強くはない。
彼はグラスに注ぎながら尋ねる。
「君はコラムニストをプロとしてやりたいんだよね。メディアに寄稿する形で」
「はい、そうなんです」
「有料で記事を書いたことは?」
「以前webライターをやったことはあります。だけど、自分の書きたいものが書けるとは限らないので……」
夕希としては、自分の観点で発信できるコラムの連載を持つのが希望だ。
「そうか。まあ、俺の鼻がすぐに治るとも思えないし時間はたっぷりあるから焦らずゆっくりやっていこう」
彼はそう言ったが、夕希にはタイムリミットがある。誕生日以降は見合いと結婚で自由に身動きできなくなるだろう。
「その件なんですけど、事情があって僕、今年の誕生日までになんとかコラムの仕事の足がかりをつかんでおきたいんです」
「誕生日? 一体いつなんだ?」
「七月三日です」
「七月? あと三ヶ月しかないじゃないか」
彼は目を丸くした。
「そうか、それならぼやぼやしてる暇は無いな」
彼が思案するのを見て夕希は少し不安になった。
「間に合いそうにないですか? できれば会社を辞める七月末までにはある程度――と思ってるんですが……」
「君は七月で会社を辞めるのか?」
「はい。家庭の事情で……」
「なるほどね……わかった。じゃあなるべく短期間で店を回ってどんどん食レポ記事を書くんだ。それをwebで公開しつつ俺の担当編集者に見てもらおう」
「はい」
自分でも無理があるのはわかっていた。だけど、退職後には隼一に会うことも婚約者が許してくれない可能性がある。
「とりあえず今夜はワインの味を比べてみよう」
19
あなたにおすすめの小説
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
胎児の頃から執着されていたらしい
夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。
◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。
◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
異世界召喚されたのに命を狙われまくるなんて聞いてない。
u
BL
裏タイトル『執着の檻から逃げ出して、』
いつも通り大学から帰ってきてご飯を食べて眠って目が覚めたら、なぜかそこは異世界だった。どうやら俺、鵺野心翔(ヌエノミト)は、異世界召喚というものをされたらしい。
異世界召喚をしたペンドリック王国の王様から第一王子のライナスと結婚し、子をなせと言われる。男である俺に何を言い出すんだと思ったが、どうやら異世界人は子が生めるようになるらしい。
俺は拒否した。だってどう見てもライナス王子も嫌そうな顔をしているし、毎日違う女を閨に呼ぶような奴と結婚どころか仲良くなれるはずがない。そもそも俺は一夫多妻制断固反対派だ。
どうやら異世界召喚した本当の理由、陰謀に巻き込まれていることに気付かない俺は異世界に来てしまったなら学ばねばとこの世界のことを知っていく。
この世界はピラミッド型をしていて上から神界、天界、魔界、妖精界、妖界、獣人界、そして俺が召喚された元・人間界であり現・底辺界と呼ばれる7つの層に分かれた世界らしい。
召喚される理由があるから召喚されたはずなのに、なぜか俺はあらゆるところから命を狙われ始める。しまいには、召喚したはずの当人にまで。………え?なんで?
異世界召喚されたミトは護衛で常にそばにいる騎士、アルウィン・シーボルトに一目惚れのような思いを寄せるようになる。しかし彼には幼い頃からの婚約者がおり、ミトはアルウィンに命を守られながらも叶わない恋心に苦しんでいく。どうやら彼にも何か秘密があるようで……。さらに最初は嫌われていたはずのライナス第一王子から強い執着心を持たれるようになり……。
次第に次々と明らかになるこの世界における様々な秘密。そして明かされる、異世界召喚の衝撃の真実とは――――。
訳あり一途ド執着攻め×努力家一途童顔受けが様々な問題を乗り越え2人で幸せを掴むお話。
※複数攻めですが総受けではありません。
※複数攻めのうち確定で一人死にます。死ネタが苦手な方はご注意ください。
※最後は必ずハッピーエンドです。
※異世界系初挑戦です。この世界はそういうものなんだと温かい目でお読み頂けると幸いです。
※完結までノンストップで毎日2話ずつ更新。
器量なしのオメガの僕は
いちみやりょう
BL
四宮晴臣 × 石崎千秋
多くの美しいオメガを生み出す石崎家の中で、特に美しい容姿もしておらず、その上、フェロモン異常で発情の兆しもなく、そのフェロモンはアルファを引きつけることのない体質らしい千秋は落ちこぼれだった。もはやベータだと言ったほうが妥当な体だったけれど、血液検査ではオメガだと診断された。
石崎家のオメガと縁談を望む名門のアルファ家系は多い。けれど、その中の誰も当然の事のように千秋を選ぶことはなく、20歳になった今日、ついに家を追い出されてしまった千秋は、寒い中、街を目指して歩いていた。
かつてベータに恋をしていたらしいアルファの四宮に拾われ、その屋敷で働くことになる
※話のつながりは特にありませんが、「俺を好きになってよ!」にてこちらのお話に出てくる泉先生の話を書き始めました。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
抹茶砂糖
BL
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
第13回BL大賞にエントリーしています。
応援いただけるとうれしいです!
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】
きど
BL
愛されていないのに形だけの番になるのは、ごめんだ。
オメガの王族でもアルファと番えば王位継承を認めているエステート王国。
そこの第一王子でオメガのヴィルムには長年思い続けている相手がいる。それは幼馴染で王位継承権を得るための番候補でもあるアルファのアーシュレイ・フィリアス。
アーシュレイは、自分を王太子にするために、番になろうとしてると勘違いしているヴィルムは、アーシュレイを拒絶し続ける。しかし、発情期の度にアーシュレイに抱かれる幻想をみてしまい思いに蓋をし続けることが難しくなっていた。
そんな時に大国のアルファの王族から番になる打診が来て、アーシュレイを諦めるためにそれを受けようとしたら、とうとうアーシュレイが痺れを切らして…。
二人の想いは無事通じ合うのか。
現在、スピンオフ作品の
ヤンデレベータ×性悪アルファを連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる