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噂
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その後、僕は上級生に手で奉仕させるだけさせて立ち去った。相手は自分の昂った物もなんとかして欲しそうにしていたが、知らんぷりで置き去りにした。
それから、口の軽いあの上級生は僕のことをベラベラと口外したらしい。
噂が立って、たまに僕に眼鏡を外して顔を見せてくれと言ってくる生徒がやって来るようになった。
来たのが僕好みの男なら、時間潰しに相手してやった。2~3人で連れ立ってやって来る者もいた。
どの男子生徒たちも、良家の子息であり将来会社のトップになるような人物だ。僕はそんな男たちが、僕の言いなりになって「なんでもする」とすがってくるのを面白がっていた。
男たちを意のままにすることで、家で蔑ろにされ、男なのに男とも見なされずに生きている劣等感を少しでも忘れられる気がした。
――お前たちなんて、偉そうにしているけど僕に簡単に弄ばれる程度の存在なんだ。
そしてある日、僕はある人物の言葉を聞くことになる。
放課後、学校の廊下を歩いていたら数名の男子生徒が話している声が聞こえた。そこの角を曲がった先にいるらしい。姿は見えない。
「なあ、西園寺の噂って本当かな?」
僕の名前が出てぎくりとする。どうせ僕の顔を見たいという輩の下卑た会話だろうと思った。
「さあね。東郷はどう思う?」
「あ? 噂なんてくだらないし興味ないね。それより日銀の短観見たか?」
彼は僕に関する噂話を一言で切って捨てた。東郷はグループ企業の御曹司で、東郷家は西園寺家と昔から家同士の付き合いがある。しかし僕たちは直接話したこともないし、彼はこちらのことをまるで気にもとめていない。なんなら、僕の存在すら認識していないかもしれない――それくらいの口調だった。
僕がやっていたのはちょっとした悪戯にすぎなかった。だけど、この些細な悪戯で僕が自尊心を満たしていたのも事実だ。
そして東郷はそれをいとも簡単に「興味ない」と吐き捨てた。
彼に悪意は無いのだろうけど、僕は自分の存在そのものをゴミ箱にでも捨てられたような気がした。
たしかに、僕の噂なんてものより経済の動向の方がよっぽどこの世で価値のある情報だ。それは当たり前だったが、彼の言葉が妙に胸に突き刺さってじくじくと痛みが広がるような感じが消えなかった。
それから僕はその遊びをやめた。
東郷の発言がどうというわけではない。しかし結局男たちを従えたような気になっていただけで、実際には単なる若い性欲のはけ口にされていただけだと気づいたからだ。ネット上に転がっているポルノ画像と同じだ。
ようするに、見るに堪えないくだらない存在――それだけ。
それから、口の軽いあの上級生は僕のことをベラベラと口外したらしい。
噂が立って、たまに僕に眼鏡を外して顔を見せてくれと言ってくる生徒がやって来るようになった。
来たのが僕好みの男なら、時間潰しに相手してやった。2~3人で連れ立ってやって来る者もいた。
どの男子生徒たちも、良家の子息であり将来会社のトップになるような人物だ。僕はそんな男たちが、僕の言いなりになって「なんでもする」とすがってくるのを面白がっていた。
男たちを意のままにすることで、家で蔑ろにされ、男なのに男とも見なされずに生きている劣等感を少しでも忘れられる気がした。
――お前たちなんて、偉そうにしているけど僕に簡単に弄ばれる程度の存在なんだ。
そしてある日、僕はある人物の言葉を聞くことになる。
放課後、学校の廊下を歩いていたら数名の男子生徒が話している声が聞こえた。そこの角を曲がった先にいるらしい。姿は見えない。
「なあ、西園寺の噂って本当かな?」
僕の名前が出てぎくりとする。どうせ僕の顔を見たいという輩の下卑た会話だろうと思った。
「さあね。東郷はどう思う?」
「あ? 噂なんてくだらないし興味ないね。それより日銀の短観見たか?」
彼は僕に関する噂話を一言で切って捨てた。東郷はグループ企業の御曹司で、東郷家は西園寺家と昔から家同士の付き合いがある。しかし僕たちは直接話したこともないし、彼はこちらのことをまるで気にもとめていない。なんなら、僕の存在すら認識していないかもしれない――それくらいの口調だった。
僕がやっていたのはちょっとした悪戯にすぎなかった。だけど、この些細な悪戯で僕が自尊心を満たしていたのも事実だ。
そして東郷はそれをいとも簡単に「興味ない」と吐き捨てた。
彼に悪意は無いのだろうけど、僕は自分の存在そのものをゴミ箱にでも捨てられたような気がした。
たしかに、僕の噂なんてものより経済の動向の方がよっぽどこの世で価値のある情報だ。それは当たり前だったが、彼の言葉が妙に胸に突き刺さってじくじくと痛みが広がるような感じが消えなかった。
それから僕はその遊びをやめた。
東郷の発言がどうというわけではない。しかし結局男たちを従えたような気になっていただけで、実際には単なる若い性欲のはけ口にされていただけだと気づいたからだ。ネット上に転がっているポルノ画像と同じだ。
ようするに、見るに堪えないくだらない存在――それだけ。
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