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しおりを挟む玲央は、僕をずっと見つめている。
夕焼けに照らされた玲央の姿は、どこか非現実的な美しさを帯びている。僕はまだ、心臓の鼓動が収まらないのを感じながら玲央の言葉を待っていた。
夕陽が校舎の向こうに沈みかけ、屋上の鉄柵越しにオレンジ色の光が差し込んでいて。
玲央はその光に照らされ、まるで別の世界から来た存在のように、目の前に立っている。
彼の髪は柔らかな光を受けて、金色に輝いていた。まるで一枚の絵を見ているかのようだ。風に揺れる髪の一筋一筋が、光を捉えてはその輝きを放ち、彫刻のように整った顔立ちをさらに際立たせていた。
「美しい」という言葉では言い表せない――まるで神様が創り出したような、そんな完璧さが彼の全身に宿っていた。夕陽に包まれた玲央の姿は、人間とは思えない……非現実的な存在だった。
「なんか、神様みたい」
「ふふっ、いきなり冗談は止めてくれ……! ハッハッハ!」
自然と出た僕の言葉がツボに入ったのか、玲央はしきりに笑っている。とても楽しそうに、嬉しそうに。
玲央が喜んでくれるだけで、何故か無性に嬉しかった。この気持ちは、一体何のだろう……?
そんなことを思っていると、玲央がまだ笑いながら口を開いた。
「今日からこの学校の寮に住むことになったんだ。晴彦が住んでいる寮だよ」
その言葉に、一瞬理解が追いつかなかった。玲央が、あの白銀玲央が、本当にこの学校に通う!
――しかも、僕と同じ寮に住むなんて。本当に彼がここにいることを、改めて実感させられた。驚きと戸惑いが押し寄せてくる。でも不思議と、嬉しくもあって。
「今日から……?」
「そうだよ」
「随分と急だね。まぁ僕のいる寮は空き部屋多いから大丈夫だとは思うよ」
「既に部屋も決めてあるんだ。晴彦の隣さ」
「準備がいいなぁ」
段々と、玲央といる空間にも慣れてきたと思う。たぶん。
玲央もまた、普段の自分を僕に見せてくれるように穏やかな表情だった。
だからこそ聞かねばならない。
どうして、体育館で僕に告白したのかを。
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