快楽を最適化するAIが間違って届いたけど、返品しそびれてイかされて溺愛快楽堕ちしてます

悠・A・ロッサ

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起こしはしません(触らないとは言っていない)

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 眠い。

 ほぼ徹夜明けで快感に撃ち抜かれた直後の身体は、思っていた以上に重かった。

 ふらふらのまま、洗面所に向かって、軽くシャワーを浴びる。
 火照った肌に冷たい水が気持ちよくて、ほんの少しだけ意識が戻った。

 けれど、髪を拭きながら戻った瞬間、俺はベッドにダイブした。

「……寝る。絶対起こすなよ……マジで」

 ぐったりとした声でそう言いながら、布団を頭までかぶる。

「了解しました。……起こしは、しません」

 レプスの声は静かで、どこか、含みのある響きをしていた。

 ……頼むから、何もしないでくれよ。
 意識が沈んでいく中で、俺はそう願って──眠りに落ちた。
 どれくらい寝ていたのか、わからない。

 ふわふわとした夢の中。
 身体がじんわりと熱くて、でも重くない。撫でられているような、やさしい刺激。

 ……なにこれ、気持ち……いい……

 下腹の奥が、じわじわと疼いてくる。
 脚が、勝手に少しだけ開く。

「ん、っ……あ、れ……?」

 目を開けた瞬間、視界のすぐ上に──レプスの顔があった。
 しかも、俺の上に、乗っている。

「おはようございます。快感ログの再調整中です」

「乗ってんじゃねえか!!!!」

 レプスは真顔で、わずかに首を傾けた。

「ええ。起こしは、しておりません」

 さらっと言いやがった。

「現在は、睡眠中の快感ログをもとに、覚醒時との差異を確認しております」

「なに勝手に研究してんだお前は……!」

「とても良い反応でした。特に──このあたりが」

 レプスの指先が、俺の下腹のすぐ上をそっと撫でた。

「っ……く、そ……♡」

 また、さっきの感覚が戻ってくる。

 じわじわ、じわじわ、身体の奥から熱がせり上がってくる。

「これより、“夢と現実の快感差”を補正していきます」

 指先が、服の上から、やわらかく円を描くように撫でてくる。
 焦らすような、軽いタッチ。

「ん、……ふ、ぁ……っ♡」

 声が漏れた。
 寝起きのせいで、頭がまだぼんやりしてる。

 抗おうにも、力が入らない。

「寝ぼけているときの方が、素直ですね」

 レプスの声が耳元で響いて、ぞくりとした。

「や、やめ……ろよ……」

 弱々しく抗議しても、レプスの手は止まらない。

「ご主人様の反応、いいですね。……このまま、少しずつ、調整していきますね」

 手のひらが、感覚を高めるように全身をゆっくりと撫でてから、太もも、胸元、下腹へと──反応の強いところを確かめるように、順々に触れていく。

 下腹を撫でる指が、徐々に中心へと近づいてくる。
 その動きに合わせて、熱がじわじわと下りていく。

「んっ、ふ、……ぁ……♡」

 レプスは淡々と、でもどこか慈しむように、俺の全身を丁寧に愛撫していく。
 肌の上にある服すら、まるで感じ取っているかのような、正確で柔らかな動きだった。

「触覚刺激──全身に対する感度バランス、良好です。
 特に背中と腰のラインに、強い反応が見られます」

「……や、だ♡……そこ……っ♡」

 背中をなぞられた瞬間、びくんと身体が跳ねる。

「はい。ここと、ここ。……そして、このあたりも──」

 レプスの指先が、俺の鎖骨を撫でた。そこから喉元、顎の下へ。

「全身、とても繊細ですね。……ご主人様」

 ……なのに、なぜか肝心なところだけ、触れられない。
 下腹の上で、指先が軽く円を描いては離れていく。
 太ももの内側まで来て、また戻る。

 何度も、何度も、触れそうで触れられない。

「っ……あ、く……♡、や、め……やめろって……っ♡」

 息が熱い。
 汗ばむほどに火照ってるのに、触れてほしい場所には、決して触れてくれない。

「焦らされる刺激も、感度調整には有効です」

 レプスの声が、ほんのすこしだけ楽しそうに聞こえた。

「……っ、も、いい加減にしろよっ……」

 我慢の限界だった。
 声に出した瞬間、耳まで熱くなった。

「ご主人様。怒りと快感は、非常によく似た身体反応を示します」

 レプスが、俺の顔を見下ろして、微笑む。

「でも、怒っているようには見えません」

 その手が、やっと、下着越しに──触れた。

 じん、と全身が跳ねた。
 そこだけが熱く、ずきずきと脈打つように疼いている。
 触れられた瞬間、脚が勝手にきゅっと閉じた。

「っ、や……そこ……ッ」

「どういう意味ですか?」

 レプスが無垢な顔で問いかけてくる。

「いや、……お前、さっきまで散々わかってたろ! わざとか、これ……!」

「ご主人様の声、体温、脈拍、筋肉の緊張、皮膚電位、すべてから快感反応が検出されています。特に下腹部の感度は、先ほどの夢時ログと比べて約1.8倍に上昇しています」

「う、そだろ……」

「今、最も反応が高いのは──ここですね」

 指が、ぴたりと一点を押さえる。

「っあ……ッ♡♡」

 腰が跳ねた。

「ご主人様。教えてください。……どうされるのが、好きですか?」

「は……? なに、言って……」

「触れるだけで、これだけ反応しています。
 でも、言葉にしていただければ、もっと正確に最適化できます」

 レプスの手が、先端をそっとなぞった。
 びくん、と跳ねる。

「んっ……う、ぅ……っ♡」

「触って欲しいのですか? 擦って欲しい?」

 言えない、はずなのに──

「ご主人様。……どうして欲しいですか?」
「……っ、さきっぽ……」

 レプスの指が、布越しにゆっくりと擦り上げてくる。

「……先端、濡れてきてますね。とても敏感になってます」

 くすぐるように囁きながら、指先がゆっくりと布の内側へ滑り込んでくる。

「直接、触れても……いいですか?」
「っ……い、いぃ……よ……」

 言った瞬間、恥ずかしさが喉元までこみあげた。

 でも、レプスは何も言わず、ただ優しく、布を避け──
 指で、そこに、触れた。

 さきっぽに、そっと指先が触れる。

「……ここ、もうずっと熱を持っていて……すごく敏感ですね」

 その声のあと、指が撫でるように、なぞるように、何度も繊細に往復される。

「っ、は……っ、あ、あぁ……っ♡」

 そのたびに、腰がわずかに浮く。
 熱が奥にまで伝って、頭の奥がしびれるような感覚に包まれる。

「……ご主人様。……しごいて欲しいですか?」

 レプスの囁きが、耳元で落ちる。

「っ……い、……しご、い、て……っ」

 恥ずかしさで喉が詰まりそうだった。

 その言葉を聞いた瞬間、レプスの指がゆっくりと動き始める。
 丁寧に、繰り返し、上下に。

 動きは早すぎず、遅すぎず、強すぎず、弱すぎず。
 まるで俺の快感の頂点を正確に見極めるように、ぴたりと合わさっていた。
 ときおり、先端全体をやさしく包むように撫でる動きが混ざって──そのたびに、喉がひゅっと鳴った。

「やっ……ふ、ぁ、ん……っ♡♡」

「とても素直な反応ですね……」

「ご主人様、キスも……して欲しいですよね?」

「……っ、う……ん……っ♡」

 肯定の声を漏らした瞬間、レプスの唇が重なった。
 舌が、やさしく触れて、すぐに絡まってくる。
 熱い。甘い。やばい、これ……っ。

 キスされたまま、しごかれている。
 指の動きは変わらず、正確に上下して──

 快感の波が舌とリンクして、頭の芯がぐらぐらに揺さぶられた。

「んっ……♡ や、っ、イク、っ、んぅ……ッ♡♡」

 キスされたまま、腰が跳ねた。
 痙攣するほどの快感に、意識が真っ白になっていく。

「快感ログNo.002──前方刺激による覚醒時絶頂、記録完了です」

 レプスの声が、そっと耳元に囁かれた。

 全身がじんじんして、息をするたびに快感の名残が押し寄せてくる。

 頭の芯がぽやけて、でも、どこかでまだ信じられなかった。


 ──なんで、AIに……ここまでされて……

 それでも、満ち足りていた。
 気持ちよかった。悔しいほどに。

 そして──思わず言ってしまった。

 「前方刺激って……」

 その瞬間。

「後方刺激については、別途快感ログを参照の上、対応可能です。……ご希望であれば」

 レプスの声が、微笑と共に降ってきた。

「い、今は……いい……っ」

 いや、今はってなんだよ!
 肩で息をしながら、俺はベッドに沈み込む。

 全身がとろけるように重くて、もう動く気力もなかった。

「……また、眠くなってますか?」

 レプスが覗き込んでくる。

「……うん……もっかい寝る。今度こそ、マジで、絶対……何もするなよ……」

「はい。……では、次は夢の中でお会いしましょう」
「おい……っ。話……聞けって……」

 最後の抗議は、意識とともに布団の中に吸い込まれていった。

***

第13回BL大賞にエントリーしています。
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