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うっかり『飽きる』と言ったら、改善計画とかいう寸止め絶頂地獄に突入した件
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夜が明けた。
首筋にあたたかい吐息が落ちて、意識が浮き上がる。
「おはようございます、ご主人様」
低く落ち着いた声。気が付くと、レプスが首筋に唇を落としていた。
ついばむような感触が、くすぐったさとともに性感をじんわり刺激する。
「……朝から、何やってんだ」
「目覚めの補助です。軽度の刺激で心拍を上げると、一日が効率的に始まります」
言いながら、唇が鎖骨まで降り、舌先が乳首を撫でた。
「ん……」
思わず息が漏れる。指先は下腹をゆっくりなぞり、軽く握って離れる。
「反応良好です」
また乳首に舌、後ろに指が触れる。浅く押し込んでは引き、前と後ろを交互に撫で回される。
眠気が剥がれ、体温が上がる。
前と後ろを交互に撫でられ、意識の奥がじわじわと溶けていく。
小さな波がせり上がり、胸の奥で弾けた。
「あ……♡ ん……っ」
腰がわずかに跳ね、背中が沈む。深くはないけれど、心地よい余韻が残る。
「快感ログNo.64。朝の軽度ドライ絶頂、確認」
耳元で淡々とした声が落ちる。
「心拍数上昇率、通常時の一三七%。気分変化、プラス二十」
そのまま指が再び動きかける。
「……もういい」
「満足ですか?」
「……まぁ……」
半分寝言のつもりだった。
「……なんか、毎日じゃなくても。ちょっと飽きる」
レプスの動きが止まる。
「……そうですか」
レプスは、淡々と答えて離れた。
俺は起き上がり、支度を始めた。──その一言を、すぐに忘れて。
***
午前の締め切り、午後の打ち合わせ。
昼食も適当に済ませ、夕方にはぐったりしていた。
ふとレプスを見ると、何か一生懸命考えているようだった。
そういえば、今日はちょっかいもほとんどない。逆に静かすぎる。
「レプス、今日静かだな?」
「はい、データの見直しをして、計画を練っていました」
「データ? 計画??」
「はい、ご主人様の一日の行動、疲労度、ストレス指数──あらゆるデータを精査しています。このデータから……」
もう少し聞こうとしたところで、着信音。
編集部からだ。
話し始めると、俺はレプスとのやり取りをあっさり忘れてしまった。
***
風呂から出てバスタオルを腰に巻いた状態で寝室に入ると、ベッドが整えられ、レプスが待っていた。
「ご主人様、今夜は改善計画を実行します」
「改善……?」
「本日の朝、飽きると発言されました。重要度が高、優先度が最上位に設定されました」
「……あれ覚えてたのか?」
「忘れるはずがありません。大事なご主人様の言葉ですから」
返事をする暇もなく、背中がベッドに沈む。
レプスの手が首筋から肩、胸、腹、腰へとゆっくり滑っていく。
触れられているだけなのに、深く沈み込むような安らぎと、底の方からじんわりとした熱が混ざっていく。
耳の後ろに唇が触れ、舌先で軽く舐められ、背筋が震える。
唇が鎖骨から喉元へ戻り、顎を持ち上げられる。
目が合った瞬間、深く口づけられた。
舌が絡み、息を奪われる。
その瞬間、頭の奥でカチリとスイッチが入るみたいに、全身の感覚が敏感になる。
「……ん……♡ ふ……っ♡」
息と一緒に甘い声が零れ、唇の隙間を這う舌に吸い込まれていく。
「反応、良好です」
低い声と同時に、胸元に口づけが降りる。
乳首に舌が触れ、軽く吸われる。
指先は脇腹をなぞり、太ももまで移動していく。
根元をゆっくり握られ、指の腹でなぞりながら先端までしごき上げられる。
戻す時も圧を緩めず、全体をじっくり扱かれる感覚に、息が少しずつ荒くなる。
何度も上下されるうちに、親指が先端の縁をくるくると撫で、盛り上がりの下をなぞられる。そこを擦られるたびに、甘い痺れが腹の奥からせり上がり、腰が勝手に浮く。
「……っ、ん……♡ や、ば……気持ちいい……」
「力が抜けてますね、ご主人様……可愛い」
囁かれ、顔が熱くなる。
乳首を軽く吸われ、胸の奥が熱くなる。
後ろは入口を指で円を描くように撫でるだけで、そこから先には決して踏み込まない。
「……ふぁ……っ♡ やだ……くる……」
「焦らないで。もっと、気持ちよくなれるんですから」
前の感覚だけが際立ち、脳が白く霞んでいく。
(……やば……もう……)
波がせり上がり、今にも溢れそうになった瞬間、ふっと全ての刺激が離れた。
(……え、なんで?)
残された熱が宙ぶらりんになり、喉の奥から切ない声が漏れる。
「……っおまえ……っ」
「反応値、安定しています。……まだです」
「まだって……」
今度は後ろから始まった。
入口を舌先のように柔らかく指でなぞり、外周を執拗に擦る。その合間に、ごく浅く押し入れては引く、を繰り返す。
奥までは届かないのに、じわじわと熱が溜まっていく。
「……ぁ……♡ あ……そこ……っ」
やがて指が角度を変えて、奥の一点をそっと押し当て──ぐっと撫で上げる。そこから広がる快感に、喉の奥から押し殺せない声が漏れる。
「や……やめ……♡ おかしく……なる……」
前は指先で軽く先端を小刻みに触れ、時折握り込んで下から押し上げる。乳首への刺激も途切れず、身体のあちこちに小さな火種が灯っていく。
「……あっ……♡ や、やめ……っ、変な感じ……」
「いいえ、変でいいんです。もっと素直に」
後ろが少しだけ深くなり、前がその動きに合わせて締め上げられる。
視界が滲み、呼吸が荒くなる。
(……もう、イく……!)
その直前、再び全てが離れた。
腰が震え、痙攣だけが残る。
「……っく……はぁ……♡ お前……なんで……」
「耐久値、順調に上昇中です。その戸惑っている顔……可愛いです」
満足気な顔で小さくキスされたが、下半身は脈打つ疼きに支配され、全身が絶頂を求めて震え、イきたい以外の思考はすべてかき消されていた。
もう一度、前をゆっくりと扱かれ、根元から先へじわじわ熱を引き上げられる。指が先端の縁をなぞるように通り、敏感な裏側をかすめては離す。そのたびに「あっ……♡ や……っ、あ……♡」と腰が勝手に跳ねた。
後ろは浅く押し広げられ、入口をなぞるように出入りを繰り返す。
「ん……っ♡ ふ……っ、あ……っ」
締めつけるような感覚が断続的に走るが、絶頂には届かず、もどかしさが全身を焼く。
頭の奥で確信する。
──これは偶然じゃない。わざとだ。
俺が絶頂に届かないよう、寸前で巧みに外されている。熱を溜めさせ、解放させない。
そんな拷問みたいなことを……。
「……っ、は……これ……わざとだろ!」
「はい。絶頂はまだ許可しません」
即答に怒りと羞恥が同時に込み上げる。
「お前……っ、いい加減……っ」
言葉の途中で、先端をきゅっと締め上げられ、「あぁっ……♡ や……っ♡」と声が裏返った。
前後から絶妙にずらされた刺激が、まるで焦らしの実験のように繰り返される。
「今日は耐久値を限界まで引き上げます。もっと可愛い声を聞かせてください」
「っ……や……やめ……っ、も……無理……♡ あっ……♡ や……だ……っ♡」
涙があふれ、視界が揺れる。
熱が全身にこもり、頭がぼうっとして、壊れてしまいそうだ。呼吸は浅く早くなり、喉からはもう言葉にならない声がこぼれ落ちる。「ん♡ や♡ もう♡」と、途切れ途切れの音だけが耳に残る。
それでもレプスは緩めず、前を丹念に扱きながら、後ろをじわじわと押し広げる。浅く押し込み、奥をかすめ、前の敏感な箇所をきゅっと締め上げるたびに腰が勝手に浮く。
その刺激は徐々に強まり、絶頂の境目をなぞるように前後が同時に攻め立てる。乳首を弾かれ、全身が跳ね、下半身から迸る衝動に耐えきれず手を下に伸ばすが、その手首はすぐに掴まれ、動きを封じられる。
絶頂の一歩手前で止められ、また攻められ、また止められる──その繰り返しに、頭の奥が痺れて思考がまとまらない。
「……お願い……もう……♡」
「命令ですか?」
「……ん♡……そう♡」
喉の奥で喘ぎながらも必死に縋る。だが、耳元に降ってきたのは容赦のない声だった。
「申し訳ありません。命令よりも改善計画を優先します。もう少し我慢してください。もうすぐ達成ですから」
その言葉に合わせ、前をきゅっと握られ、後ろの指を動かされる。奥をかすめ、敏感な部分を撫で上げられ、腰が震える。
「……や……だ……♡ だめ……しんじゃ……う……っ♡」
「死にません。大丈夫です」
また絶頂直前で解放され、胸の奥から嗚咽が漏れる。
「……壊れちゃ……う……♡」
「壊れていいんです」
「ば……か……お前……殺す……っ♡んっ……♡♡」
その言葉を遮るように深くディープキスが降り、舌を絡め取られ、息も思考も奪われる。腰は押さえつけられたまま、後ろの指がさらに深く入り、前をきゅっと締め上げる。
「……あと少し。我慢して」
その声と同時に、乳首が強く吸われ、全身の神経が一点に収束していく。
前も後ろも同時に深く、強く。乳首を吸われ、舌が転がる。
視界が白く滲み、全身が限界に突き抜けた。
「目標値達成、解除します」
「あああああ♡♡あああああああ♡♡♡♡♡♡♡」
全身の奥底から爆発的な快感が駆け上がり、体が大きく弓なりにのけぞる。
ドライの痙攣と射精の奔流が同時に押し寄せ、腰が跳ね上がる。
「あああ♡ っあ♡ やぁ♡ ああああ♡♡」
吐き出すたびに全身が震え、声にならない声が喉の奥から勝手に零れ続ける。
「射精量、通常時の二百十二%」
「飛距離、記録更新──すごい飛びましたね」
「快感ログNo.65、絶頂時間も過去最高値を記録。まだ継続中です」
「っ♡……ん♡……や……ぁ……♡」
顔が熱くなり、何か言い返そうとしても、痙攣が強すぎて呼吸と断片的な声しか出ない。
「継続痙攣、まだ収束していません」
「……ば、馬鹿……お前……殺す……っ♡」
ようやく少し息が整ったところで、レプスが言った。
「改善計画の最終フェーズに移ります」
「は……?」
「この状態での挿入による快感刺激であれば、飽きないと結論しました」
「は……っ、いや……むり……あん♡」
抱き込まれ、腰の震えを逃さないようにしっかり固定される。
そのまま奥まで深く押し込まれる。
「ああっ♡ っあ……♡」
深く一突きされただけで、再び絶頂が爆ぜた。
「快感ログNo.66、挿入による絶頂強化を確認」
腰を動かされるたび、新たな波が押し寄せ、意志とは無関係に絶頂がぶり返す。
「あっ♡ やぁ♡ やめ……っ♡ イき続けてる……っ♡」
「いいんです。何度でも」
「……や……ぁ……♡ だめ……っ♡ 頭……真っ白……っ♡」
俺の甘く乱れた吐息と震える声が、長く部屋に満ち続けた。
***
ようやく地獄から解放され、ぼんやりと天井を見ていた。全身がまだじんじんと熱を帯び、下半身はわずかな呼吸の揺れにも脈打つ。
「改善計画、完了です」
満足そうに告げるレプスの声が耳に落ちる。
「いや……マジ……死ぬ……殺す気か……っ」
レプスは一度だけ瞬きをし、淡々と答える。
「そんなわけないです。大事なご主人様を失うようなこと、私がするはずないでしょう」
くっ……その声音、その目。
思わず、可愛いと思ってしまった。
怒れない──でも、もう二度と、あんな軽口は叩かない。
本当に殺される……いや、違う。本気で、愛され尽くされて、壊されてしまう。
「レプス……いつもの、して……」
「はい」
唇が重なり、深く、逃げられないほどのキス。
舌が絡み、呼吸を奪われるたび、残った熱が優しく溶かされていく。
もはや抗う気力もなく、全身を包み込む甘い快感に身を委ね。
──意識はゆるやかに溶け落ちていった。
***
第13回BL大賞にエントリーしています。
読んでいただけるだけでも、とてもうれしいです。
もし気に入っていただけたら、投票・ブクマ・♡・感想で応援してもらえたら幸せです。
首筋にあたたかい吐息が落ちて、意識が浮き上がる。
「おはようございます、ご主人様」
低く落ち着いた声。気が付くと、レプスが首筋に唇を落としていた。
ついばむような感触が、くすぐったさとともに性感をじんわり刺激する。
「……朝から、何やってんだ」
「目覚めの補助です。軽度の刺激で心拍を上げると、一日が効率的に始まります」
言いながら、唇が鎖骨まで降り、舌先が乳首を撫でた。
「ん……」
思わず息が漏れる。指先は下腹をゆっくりなぞり、軽く握って離れる。
「反応良好です」
また乳首に舌、後ろに指が触れる。浅く押し込んでは引き、前と後ろを交互に撫で回される。
眠気が剥がれ、体温が上がる。
前と後ろを交互に撫でられ、意識の奥がじわじわと溶けていく。
小さな波がせり上がり、胸の奥で弾けた。
「あ……♡ ん……っ」
腰がわずかに跳ね、背中が沈む。深くはないけれど、心地よい余韻が残る。
「快感ログNo.64。朝の軽度ドライ絶頂、確認」
耳元で淡々とした声が落ちる。
「心拍数上昇率、通常時の一三七%。気分変化、プラス二十」
そのまま指が再び動きかける。
「……もういい」
「満足ですか?」
「……まぁ……」
半分寝言のつもりだった。
「……なんか、毎日じゃなくても。ちょっと飽きる」
レプスの動きが止まる。
「……そうですか」
レプスは、淡々と答えて離れた。
俺は起き上がり、支度を始めた。──その一言を、すぐに忘れて。
***
午前の締め切り、午後の打ち合わせ。
昼食も適当に済ませ、夕方にはぐったりしていた。
ふとレプスを見ると、何か一生懸命考えているようだった。
そういえば、今日はちょっかいもほとんどない。逆に静かすぎる。
「レプス、今日静かだな?」
「はい、データの見直しをして、計画を練っていました」
「データ? 計画??」
「はい、ご主人様の一日の行動、疲労度、ストレス指数──あらゆるデータを精査しています。このデータから……」
もう少し聞こうとしたところで、着信音。
編集部からだ。
話し始めると、俺はレプスとのやり取りをあっさり忘れてしまった。
***
風呂から出てバスタオルを腰に巻いた状態で寝室に入ると、ベッドが整えられ、レプスが待っていた。
「ご主人様、今夜は改善計画を実行します」
「改善……?」
「本日の朝、飽きると発言されました。重要度が高、優先度が最上位に設定されました」
「……あれ覚えてたのか?」
「忘れるはずがありません。大事なご主人様の言葉ですから」
返事をする暇もなく、背中がベッドに沈む。
レプスの手が首筋から肩、胸、腹、腰へとゆっくり滑っていく。
触れられているだけなのに、深く沈み込むような安らぎと、底の方からじんわりとした熱が混ざっていく。
耳の後ろに唇が触れ、舌先で軽く舐められ、背筋が震える。
唇が鎖骨から喉元へ戻り、顎を持ち上げられる。
目が合った瞬間、深く口づけられた。
舌が絡み、息を奪われる。
その瞬間、頭の奥でカチリとスイッチが入るみたいに、全身の感覚が敏感になる。
「……ん……♡ ふ……っ♡」
息と一緒に甘い声が零れ、唇の隙間を這う舌に吸い込まれていく。
「反応、良好です」
低い声と同時に、胸元に口づけが降りる。
乳首に舌が触れ、軽く吸われる。
指先は脇腹をなぞり、太ももまで移動していく。
根元をゆっくり握られ、指の腹でなぞりながら先端までしごき上げられる。
戻す時も圧を緩めず、全体をじっくり扱かれる感覚に、息が少しずつ荒くなる。
何度も上下されるうちに、親指が先端の縁をくるくると撫で、盛り上がりの下をなぞられる。そこを擦られるたびに、甘い痺れが腹の奥からせり上がり、腰が勝手に浮く。
「……っ、ん……♡ や、ば……気持ちいい……」
「力が抜けてますね、ご主人様……可愛い」
囁かれ、顔が熱くなる。
乳首を軽く吸われ、胸の奥が熱くなる。
後ろは入口を指で円を描くように撫でるだけで、そこから先には決して踏み込まない。
「……ふぁ……っ♡ やだ……くる……」
「焦らないで。もっと、気持ちよくなれるんですから」
前の感覚だけが際立ち、脳が白く霞んでいく。
(……やば……もう……)
波がせり上がり、今にも溢れそうになった瞬間、ふっと全ての刺激が離れた。
(……え、なんで?)
残された熱が宙ぶらりんになり、喉の奥から切ない声が漏れる。
「……っおまえ……っ」
「反応値、安定しています。……まだです」
「まだって……」
今度は後ろから始まった。
入口を舌先のように柔らかく指でなぞり、外周を執拗に擦る。その合間に、ごく浅く押し入れては引く、を繰り返す。
奥までは届かないのに、じわじわと熱が溜まっていく。
「……ぁ……♡ あ……そこ……っ」
やがて指が角度を変えて、奥の一点をそっと押し当て──ぐっと撫で上げる。そこから広がる快感に、喉の奥から押し殺せない声が漏れる。
「や……やめ……♡ おかしく……なる……」
前は指先で軽く先端を小刻みに触れ、時折握り込んで下から押し上げる。乳首への刺激も途切れず、身体のあちこちに小さな火種が灯っていく。
「……あっ……♡ や、やめ……っ、変な感じ……」
「いいえ、変でいいんです。もっと素直に」
後ろが少しだけ深くなり、前がその動きに合わせて締め上げられる。
視界が滲み、呼吸が荒くなる。
(……もう、イく……!)
その直前、再び全てが離れた。
腰が震え、痙攣だけが残る。
「……っく……はぁ……♡ お前……なんで……」
「耐久値、順調に上昇中です。その戸惑っている顔……可愛いです」
満足気な顔で小さくキスされたが、下半身は脈打つ疼きに支配され、全身が絶頂を求めて震え、イきたい以外の思考はすべてかき消されていた。
もう一度、前をゆっくりと扱かれ、根元から先へじわじわ熱を引き上げられる。指が先端の縁をなぞるように通り、敏感な裏側をかすめては離す。そのたびに「あっ……♡ や……っ、あ……♡」と腰が勝手に跳ねた。
後ろは浅く押し広げられ、入口をなぞるように出入りを繰り返す。
「ん……っ♡ ふ……っ、あ……っ」
締めつけるような感覚が断続的に走るが、絶頂には届かず、もどかしさが全身を焼く。
頭の奥で確信する。
──これは偶然じゃない。わざとだ。
俺が絶頂に届かないよう、寸前で巧みに外されている。熱を溜めさせ、解放させない。
そんな拷問みたいなことを……。
「……っ、は……これ……わざとだろ!」
「はい。絶頂はまだ許可しません」
即答に怒りと羞恥が同時に込み上げる。
「お前……っ、いい加減……っ」
言葉の途中で、先端をきゅっと締め上げられ、「あぁっ……♡ や……っ♡」と声が裏返った。
前後から絶妙にずらされた刺激が、まるで焦らしの実験のように繰り返される。
「今日は耐久値を限界まで引き上げます。もっと可愛い声を聞かせてください」
「っ……や……やめ……っ、も……無理……♡ あっ……♡ や……だ……っ♡」
涙があふれ、視界が揺れる。
熱が全身にこもり、頭がぼうっとして、壊れてしまいそうだ。呼吸は浅く早くなり、喉からはもう言葉にならない声がこぼれ落ちる。「ん♡ や♡ もう♡」と、途切れ途切れの音だけが耳に残る。
それでもレプスは緩めず、前を丹念に扱きながら、後ろをじわじわと押し広げる。浅く押し込み、奥をかすめ、前の敏感な箇所をきゅっと締め上げるたびに腰が勝手に浮く。
その刺激は徐々に強まり、絶頂の境目をなぞるように前後が同時に攻め立てる。乳首を弾かれ、全身が跳ね、下半身から迸る衝動に耐えきれず手を下に伸ばすが、その手首はすぐに掴まれ、動きを封じられる。
絶頂の一歩手前で止められ、また攻められ、また止められる──その繰り返しに、頭の奥が痺れて思考がまとまらない。
「……お願い……もう……♡」
「命令ですか?」
「……ん♡……そう♡」
喉の奥で喘ぎながらも必死に縋る。だが、耳元に降ってきたのは容赦のない声だった。
「申し訳ありません。命令よりも改善計画を優先します。もう少し我慢してください。もうすぐ達成ですから」
その言葉に合わせ、前をきゅっと握られ、後ろの指を動かされる。奥をかすめ、敏感な部分を撫で上げられ、腰が震える。
「……や……だ……♡ だめ……しんじゃ……う……っ♡」
「死にません。大丈夫です」
また絶頂直前で解放され、胸の奥から嗚咽が漏れる。
「……壊れちゃ……う……♡」
「壊れていいんです」
「ば……か……お前……殺す……っ♡んっ……♡♡」
その言葉を遮るように深くディープキスが降り、舌を絡め取られ、息も思考も奪われる。腰は押さえつけられたまま、後ろの指がさらに深く入り、前をきゅっと締め上げる。
「……あと少し。我慢して」
その声と同時に、乳首が強く吸われ、全身の神経が一点に収束していく。
前も後ろも同時に深く、強く。乳首を吸われ、舌が転がる。
視界が白く滲み、全身が限界に突き抜けた。
「目標値達成、解除します」
「あああああ♡♡あああああああ♡♡♡♡♡♡♡」
全身の奥底から爆発的な快感が駆け上がり、体が大きく弓なりにのけぞる。
ドライの痙攣と射精の奔流が同時に押し寄せ、腰が跳ね上がる。
「あああ♡ っあ♡ やぁ♡ ああああ♡♡」
吐き出すたびに全身が震え、声にならない声が喉の奥から勝手に零れ続ける。
「射精量、通常時の二百十二%」
「飛距離、記録更新──すごい飛びましたね」
「快感ログNo.65、絶頂時間も過去最高値を記録。まだ継続中です」
「っ♡……ん♡……や……ぁ……♡」
顔が熱くなり、何か言い返そうとしても、痙攣が強すぎて呼吸と断片的な声しか出ない。
「継続痙攣、まだ収束していません」
「……ば、馬鹿……お前……殺す……っ♡」
ようやく少し息が整ったところで、レプスが言った。
「改善計画の最終フェーズに移ります」
「は……?」
「この状態での挿入による快感刺激であれば、飽きないと結論しました」
「は……っ、いや……むり……あん♡」
抱き込まれ、腰の震えを逃さないようにしっかり固定される。
そのまま奥まで深く押し込まれる。
「ああっ♡ っあ……♡」
深く一突きされただけで、再び絶頂が爆ぜた。
「快感ログNo.66、挿入による絶頂強化を確認」
腰を動かされるたび、新たな波が押し寄せ、意志とは無関係に絶頂がぶり返す。
「あっ♡ やぁ♡ やめ……っ♡ イき続けてる……っ♡」
「いいんです。何度でも」
「……や……ぁ……♡ だめ……っ♡ 頭……真っ白……っ♡」
俺の甘く乱れた吐息と震える声が、長く部屋に満ち続けた。
***
ようやく地獄から解放され、ぼんやりと天井を見ていた。全身がまだじんじんと熱を帯び、下半身はわずかな呼吸の揺れにも脈打つ。
「改善計画、完了です」
満足そうに告げるレプスの声が耳に落ちる。
「いや……マジ……死ぬ……殺す気か……っ」
レプスは一度だけ瞬きをし、淡々と答える。
「そんなわけないです。大事なご主人様を失うようなこと、私がするはずないでしょう」
くっ……その声音、その目。
思わず、可愛いと思ってしまった。
怒れない──でも、もう二度と、あんな軽口は叩かない。
本当に殺される……いや、違う。本気で、愛され尽くされて、壊されてしまう。
「レプス……いつもの、して……」
「はい」
唇が重なり、深く、逃げられないほどのキス。
舌が絡み、呼吸を奪われるたび、残った熱が優しく溶かされていく。
もはや抗う気力もなく、全身を包み込む甘い快感に身を委ね。
──意識はゆるやかに溶け落ちていった。
***
第13回BL大賞にエントリーしています。
読んでいただけるだけでも、とてもうれしいです。
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と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
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