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第1章 魔族に溺愛されすぎて殺されかけましたが、ヒロインたちに囲まれて今日も診てます
第1話 診察台の上にはサキュバス
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「せんせぇ……あたし……くるしいの……♡」
診察台の上で身をくねらせるのは、黒髪ウェーブ巨乳くびれ系サキュバスだった。
ビジュアルはどライク。
あまりにもテンプレすぎる色気台詞に、一瞬、語尾のハートが視覚化された気がして目をこすった。
いやいや。
俺は医者である。
職人である。
欲望に負けない理性の白衣である。
「はい、じゃあ服脱いで。舌、出して」
「わあ、せんせぇってば強引♡」
「舌診だ。あと脈も診る」
どうやら彼女は、典型的な魔力過多による“性障り”——通称サキュバス熱に罹っていた。
「……これまで、何度か魔法医療、受けたんだけどね?」
彼女は、少し口を尖らせながら言った。
「その時は楽になるけど、またすぐ熱くなっちゃって……」
つまり、効果は一時的だったということだ。
大抵は魔法で解熱するが、根っこにある体質のアンバランスを整えないと、何度も再発する。
俺は彼女の体温、脈拍、舌の色と湿度、耳下腺の腫れ具合を確認している間、
彼女は小さく喘ぐような吐息を漏らした。
その声音が妙に艶っぽくて、白衣の下で思わず喉が鳴った。
……落ち着け、俺。
変な意味じゃない。
たぶん。
「おそらく……お前は魔力を吸い取りすぎる」
「腹八分目にしようと心がけてるけど、つい♡」
「ついじゃない」
気を取り直して、すぐに煎じ薬の処方を始めた。
この薬は、体質に合えば意外と飲みやすい。
舌に残る苦味の奥に、ほんのり甘みが立つ。
「……あれ、意外と苦くないんだ」
「それは効いてるってことだな」
「そうなんだ」
つまり、効く時は身体が“うまい”と判断するってわけだ。
「……あれ? なんか、楽になってきた……」
その声には、驚きが混じっていた。
治療が効いた。
つまり、俺の腕が本物だったということだ。
「だろうな。今日中にあと二回服用して、湯浴みは避けてくれ」
「……せんせぇって、ほんとに手、出さないんだね」
「患者には手を出さない主義だ」
「……やぶじゃないんだね。がらがらだからてっきり」
「殺すぞ」
「意外だけど……よかった♡」
なんだか目の中に♡がついてる気がするが。
見なかったことにする。
***
カクヨムで連載中……。
ファンタジー大賞に応募しようと思ったら8月エントリーでしたか。
また機会があれば移植します。
診察台の上で身をくねらせるのは、黒髪ウェーブ巨乳くびれ系サキュバスだった。
ビジュアルはどライク。
あまりにもテンプレすぎる色気台詞に、一瞬、語尾のハートが視覚化された気がして目をこすった。
いやいや。
俺は医者である。
職人である。
欲望に負けない理性の白衣である。
「はい、じゃあ服脱いで。舌、出して」
「わあ、せんせぇってば強引♡」
「舌診だ。あと脈も診る」
どうやら彼女は、典型的な魔力過多による“性障り”——通称サキュバス熱に罹っていた。
「……これまで、何度か魔法医療、受けたんだけどね?」
彼女は、少し口を尖らせながら言った。
「その時は楽になるけど、またすぐ熱くなっちゃって……」
つまり、効果は一時的だったということだ。
大抵は魔法で解熱するが、根っこにある体質のアンバランスを整えないと、何度も再発する。
俺は彼女の体温、脈拍、舌の色と湿度、耳下腺の腫れ具合を確認している間、
彼女は小さく喘ぐような吐息を漏らした。
その声音が妙に艶っぽくて、白衣の下で思わず喉が鳴った。
……落ち着け、俺。
変な意味じゃない。
たぶん。
「おそらく……お前は魔力を吸い取りすぎる」
「腹八分目にしようと心がけてるけど、つい♡」
「ついじゃない」
気を取り直して、すぐに煎じ薬の処方を始めた。
この薬は、体質に合えば意外と飲みやすい。
舌に残る苦味の奥に、ほんのり甘みが立つ。
「……あれ、意外と苦くないんだ」
「それは効いてるってことだな」
「そうなんだ」
つまり、効く時は身体が“うまい”と判断するってわけだ。
「……あれ? なんか、楽になってきた……」
その声には、驚きが混じっていた。
治療が効いた。
つまり、俺の腕が本物だったということだ。
「だろうな。今日中にあと二回服用して、湯浴みは避けてくれ」
「……せんせぇって、ほんとに手、出さないんだね」
「患者には手を出さない主義だ」
「……やぶじゃないんだね。がらがらだからてっきり」
「殺すぞ」
「意外だけど……よかった♡」
なんだか目の中に♡がついてる気がするが。
見なかったことにする。
***
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また機会があれば移植します。
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