手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
 葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
 なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
 その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
 そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
 幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
 ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
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