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第八章 復活
第56話 相棒との再会
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「行くぜ!!」
「『幻想曲・無重力』!」
そう叫ぶとイリアは宙を舞った。確か“想像を具現化する能力”だったか。つまり今は空を飛ぶイメージをしたということだ。……何でもありだな。
「『太陽の雨』!」
「うおッ!?」
考えているとイリアは両手を空に向け、そこから無数の光線を撃ち出した。光線はまさに雨のように降り注ぎ、地面を抉った。
「んのやろう!」
「『万華穿衝』!」
「!? くッ……!」
反対におれは下から無数の光線を放った。数も威力もおれの方が上だ。
一つ一つの光線を打ち消していくついでに何本かイリアの横を掠めてみた。この程度では怯まないか。イリアが撃ち終わるのを確認し、おれは精霊の力を使って体を浮かせた。
「『大氷海流』!」
イリアは背後から巨大な流れる氷を生み出し、それをおれにぶつけてきた。おれは手を前に出し、精霊の力で氷を弾きながら、それと同時に圧縮した魔素で作った壁でさらに厳密に弾き続けた。
「……ッくそ!」
「『重震拳』!!」
「『業天爆』!」
重い拳が襲ってきた。おれはそれを迎え打つように拳を交える。2つの重く強い拳が交わることで大地が震えた。おれもイリアもそこからグッと拳を押し出し、反対方向にそれぞれ吹き飛ばされた。
「痛てて……! ふふッ……」
「……痛ッ……強いなクソ野郎……!」
地面に打ちつけられてしまい骨や肉が痛むのを感じた。地獄では死にかけることも怪我をすることもあったが……命の駆け引きをせずに純粋に戦闘をするのはいつぶりだろうか。楽しいな。殺し合いの緊張感もいいが……強者との手合わせもワクワクするな。
「……これならどうだ!」
「『無限の吸引』!」
イリアは右手を持ち上げ、手の上に小さな黒い球を出現させた。球はうごめいており、存在するだけで大地を揺らしていた。その球に向かって強い風が吹いている。とんでもないエネルギーだ。そしてその球をおれめがけて投げつけてきた。
「……最高だな! しっかり防御しろよ!」
「『満天・青桜』!」
おれは前に向けて打撃を飛ばし、そこから巨大な光線を放った。衝撃波でおれを中心に大地が割れ、大陸が振動する。イリアの放った黒い球を飲み込み、膨大なエネルギーによって消滅させ、肝心なイリアの近くは威力を弱めるために範囲を分散した。
これなら多少の怪我はしたところで大怪我になったりはしないだろう。女の子に思い切り攻撃するのは気が引けるしな。
「ハァ……本当に何者なんだ……! アンタは……! 俺はもう出し切ったってのによぉ……!」
「ずっと言ってるだろ。おれはエストだって。相棒を知ってんだろ?」
「…………本当なのかよ……。死んだって聞いてたのに……生きてんじゃねーかよ……!」
「まぁ……ついさっきまでは死んでたようなもんだからな」
「……ったく……どういうことだよ……!」
んー……まぁおれが死んだと思われてるのは当然か。むしろ3年間この世界に存在しなかった人間がいきなり現れたなんて普通は信じられるわけもないか。
「ちょっと!! イリアさん! また勝手に暴れて人に迷惑掛けないで下さいって!」
「あっ……いや……悪かった!」
「うるさい方に来てみたらまたこれですよ……! ……うちのリーダーがご迷惑お掛けしました。お怪我は……あまり無さそうですね……?」
「ああ、おれは大丈夫だ。」
イリアの部下だろうか。若い女冒険者が駆けつけてきた。おれがイリアと一戦交えたのを察して心配していたが、大して負傷していないのを不思議に思っているようだ。
まぁ大地の振動は感じていたはずだから、法帝と激しく戦って傷を負っていない人間なんて不思議で仕方ないだろう。
「そいつは気にしなくていいぞ」
「お前が言うのは違うだろうが! お前に付き合ってやってたってのに」
「でもこれだけ激しく暴れたら多分“あの人”来ますよ。ちょうど北大陸に来るって言ってたんで。イリアさん怒られるんじゃないですか?」
「“あの人”?」
「ああ、ほら。向こうにうっすら見えるじゃないですか」
「……? ……げッ! ……ああ……でも良いんじゃねーか?」
遠くを指差されそっちを見ると、何やら1人の人間が走ってきている。やっぱり暴れすぎて迷惑だったかな? ……まぁイリアに怒られてもらうか。おれのことを知ってるヤツなんていないだろうし、上手くやればおれが責められることはないだろう。
そんなことを思っていると、走っている人がこちらに近づくにつれ徐々に減速していく。……おれの方を見ながら。おれも彼女を見た。
見覚えがある顔だった。時間にすれば一緒に過ごしたのはほんの一瞬だ。明らかに地獄で1人で暮らした時間の方が長い。
それでも、彼女の顔を見るだけでおれの人生がいかに幸せなものだったかを思い出せた。短くも濃いあの時間を思い出した。
「……セリア……だよな……?」
「エスト……? ホントに……!?」
セリアはおれに駆け寄ってきた。そしておれはセリアを抱き止めた。おれもセリアも涙を流しながら互いに名前を呼び合い抱き合った。本当に久しぶりだ。また会えるなんて……本当に奇跡のようだった。
「ふふ……ちょっと小さくなったか……? セリア……」
「……アンタが大きくなったのよ……ばかエスト……!」
「久しぶりだなぁ……。元気だったか…?」
「もちろんよ。寂しかったけど……エストほどじゃないわ……」
確かにおれは少し成長した気がするな。現世の進む時間と同じように地獄では成長していたのだろうか。……いや、今はそんなことはどうでもいい。やっとセリアに会えたんだ。今はそれだけで……。
おれとセリアはそのまま涙が枯れるまで抱き合った。名前を確かめ合って、軽口を叩き合って。おれからしたら数十年ぶりの再会、セリアからしたら死んだと思っていた相棒との再会であった。
このときのおれ達は、とても言葉で言い表せるような感情ではなかった。
「『幻想曲・無重力』!」
そう叫ぶとイリアは宙を舞った。確か“想像を具現化する能力”だったか。つまり今は空を飛ぶイメージをしたということだ。……何でもありだな。
「『太陽の雨』!」
「うおッ!?」
考えているとイリアは両手を空に向け、そこから無数の光線を撃ち出した。光線はまさに雨のように降り注ぎ、地面を抉った。
「んのやろう!」
「『万華穿衝』!」
「!? くッ……!」
反対におれは下から無数の光線を放った。数も威力もおれの方が上だ。
一つ一つの光線を打ち消していくついでに何本かイリアの横を掠めてみた。この程度では怯まないか。イリアが撃ち終わるのを確認し、おれは精霊の力を使って体を浮かせた。
「『大氷海流』!」
イリアは背後から巨大な流れる氷を生み出し、それをおれにぶつけてきた。おれは手を前に出し、精霊の力で氷を弾きながら、それと同時に圧縮した魔素で作った壁でさらに厳密に弾き続けた。
「……ッくそ!」
「『重震拳』!!」
「『業天爆』!」
重い拳が襲ってきた。おれはそれを迎え打つように拳を交える。2つの重く強い拳が交わることで大地が震えた。おれもイリアもそこからグッと拳を押し出し、反対方向にそれぞれ吹き飛ばされた。
「痛てて……! ふふッ……」
「……痛ッ……強いなクソ野郎……!」
地面に打ちつけられてしまい骨や肉が痛むのを感じた。地獄では死にかけることも怪我をすることもあったが……命の駆け引きをせずに純粋に戦闘をするのはいつぶりだろうか。楽しいな。殺し合いの緊張感もいいが……強者との手合わせもワクワクするな。
「……これならどうだ!」
「『無限の吸引』!」
イリアは右手を持ち上げ、手の上に小さな黒い球を出現させた。球はうごめいており、存在するだけで大地を揺らしていた。その球に向かって強い風が吹いている。とんでもないエネルギーだ。そしてその球をおれめがけて投げつけてきた。
「……最高だな! しっかり防御しろよ!」
「『満天・青桜』!」
おれは前に向けて打撃を飛ばし、そこから巨大な光線を放った。衝撃波でおれを中心に大地が割れ、大陸が振動する。イリアの放った黒い球を飲み込み、膨大なエネルギーによって消滅させ、肝心なイリアの近くは威力を弱めるために範囲を分散した。
これなら多少の怪我はしたところで大怪我になったりはしないだろう。女の子に思い切り攻撃するのは気が引けるしな。
「ハァ……本当に何者なんだ……! アンタは……! 俺はもう出し切ったってのによぉ……!」
「ずっと言ってるだろ。おれはエストだって。相棒を知ってんだろ?」
「…………本当なのかよ……。死んだって聞いてたのに……生きてんじゃねーかよ……!」
「まぁ……ついさっきまでは死んでたようなもんだからな」
「……ったく……どういうことだよ……!」
んー……まぁおれが死んだと思われてるのは当然か。むしろ3年間この世界に存在しなかった人間がいきなり現れたなんて普通は信じられるわけもないか。
「ちょっと!! イリアさん! また勝手に暴れて人に迷惑掛けないで下さいって!」
「あっ……いや……悪かった!」
「うるさい方に来てみたらまたこれですよ……! ……うちのリーダーがご迷惑お掛けしました。お怪我は……あまり無さそうですね……?」
「ああ、おれは大丈夫だ。」
イリアの部下だろうか。若い女冒険者が駆けつけてきた。おれがイリアと一戦交えたのを察して心配していたが、大して負傷していないのを不思議に思っているようだ。
まぁ大地の振動は感じていたはずだから、法帝と激しく戦って傷を負っていない人間なんて不思議で仕方ないだろう。
「そいつは気にしなくていいぞ」
「お前が言うのは違うだろうが! お前に付き合ってやってたってのに」
「でもこれだけ激しく暴れたら多分“あの人”来ますよ。ちょうど北大陸に来るって言ってたんで。イリアさん怒られるんじゃないですか?」
「“あの人”?」
「ああ、ほら。向こうにうっすら見えるじゃないですか」
「……? ……げッ! ……ああ……でも良いんじゃねーか?」
遠くを指差されそっちを見ると、何やら1人の人間が走ってきている。やっぱり暴れすぎて迷惑だったかな? ……まぁイリアに怒られてもらうか。おれのことを知ってるヤツなんていないだろうし、上手くやればおれが責められることはないだろう。
そんなことを思っていると、走っている人がこちらに近づくにつれ徐々に減速していく。……おれの方を見ながら。おれも彼女を見た。
見覚えがある顔だった。時間にすれば一緒に過ごしたのはほんの一瞬だ。明らかに地獄で1人で暮らした時間の方が長い。
それでも、彼女の顔を見るだけでおれの人生がいかに幸せなものだったかを思い出せた。短くも濃いあの時間を思い出した。
「……セリア……だよな……?」
「エスト……? ホントに……!?」
セリアはおれに駆け寄ってきた。そしておれはセリアを抱き止めた。おれもセリアも涙を流しながら互いに名前を呼び合い抱き合った。本当に久しぶりだ。また会えるなんて……本当に奇跡のようだった。
「ふふ……ちょっと小さくなったか……? セリア……」
「……アンタが大きくなったのよ……ばかエスト……!」
「久しぶりだなぁ……。元気だったか…?」
「もちろんよ。寂しかったけど……エストほどじゃないわ……」
確かにおれは少し成長した気がするな。現世の進む時間と同じように地獄では成長していたのだろうか。……いや、今はそんなことはどうでもいい。やっとセリアに会えたんだ。今はそれだけで……。
おれとセリアはそのまま涙が枯れるまで抱き合った。名前を確かめ合って、軽口を叩き合って。おれからしたら数十年ぶりの再会、セリアからしたら死んだと思っていた相棒との再会であった。
このときのおれ達は、とても言葉で言い表せるような感情ではなかった。
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