15 / 159
第一章 森の生活と孤児院改革:森のソロキャンプと運命のもふもふ
第15話 検索結果:神獣フェンリル(幼体)。……見なかったことにします
しおりを挟む
現代日本人としての危機感が一瞬頭をよぎる!
でも、不思議と体はそれを受け入れた。
そういえば、神様が言ってた。お詫びだから、もちろん健康で頑丈な体にすると。病気や感染症の心配もない、と。……言ってたっけ? いや、多分言ってたはず。うん、言ってたに違いない!
そう自分に言い聞かせている間に、ぺろぺろぺろぺろ!
顔中を舐められる。
「わ、ちょ、くすぐったい!」
『ありがとう! ありがとう! 恩人! 大好き!』
尻尾をブンブン振りながら、全身で喜びを表現している。
可愛い。
めちゃくちゃ可愛い。
◇
白い子が落ち着いたところで、改めてじっくり観察する。
本当に真っ白。
雪みたいに白い。
毛並みは、ふわっふわでもふもふ。
触り心地最高。
顔立ちは、狼というより、やっぱり犬に近いかな。
でも、普通の犬より、ちょっと鼻が長い気がする。
瞳は透き通るような青色。
サファイアみたい。
「君、お名前は?」
『名前? ない』
「家族は? お母さんとかは?」
『お母さん、いなくなった。ずっと前』
しゅんとする白い子。
耳がペタンと下がって、尻尾も垂れる。
「一人ぼっちなの?」
『うん。ずっと一人。寂しい』
ぎゅっと胸が締め付けられる。
こんな小さい子が、一人で森で生きているなんて。
罠にかかったのも、きっと食べ物を探していて不注意だったんだろう。
「じゃあ、私と一緒に来る?」
『え?』
「私も一人なんだ。だから、一緒に暮らそう」
『本当? 本当に一緒にいていい?』
瞳がキラキラ輝いている。
期待と不安が入り混じった表情。
「もちろん。私たち、今日から家族だよ」
『家族! 僕、家族できた!』
また飛びついてきて、顔を舐められる。
もう、この子は私が守る。
絶対に守る。
「名前、つけていい?」
『名前! 僕に名前くれるの?』
「うん。そうだなぁ……」
白くて、丸っこくて、ころころしてて……。
「コロ、っていうのはどう?」
『コロ?』
「うん、コロ。可愛いでしょ?」
『コロ! 僕の名前、コロ!』
ぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。
名前を気に入ってくれたみたい。
『コロ! コロ! 僕、コロ!』
何度も自分の名前を繰り返している。
よっぽど嬉しいんだな。
「コロ、よろしくね」
『うん! よろしく! えーっと……』
「私はコトリ。ヤマネ・コトリ」
『コトリ! コトリとコロ! 一緒!』
この子、本当に可愛い。
もふもふだし、人懐っこいし、素直だし。
最高のパートナーを見つけた。
でも、やっぱりコロの正体は気になる。犬なのか、狼なのか。あるいは、全く違う生き物なのか。
「ちょっとだけごめんね、コロ」
私は【異世界インターネット接続】の検索ウィンドウを開く。スマホのカメラ機能のように、コロの姿をウィンドウに映し出す機能があった。
画像検索だ。
検索窓にキーワードを入力する。
『白い 毛がふわふわ 銀色の耳 子供』
検索ボタンをタップする。
『検索結果:該当する種族データはありません』
あれ? ヒットしない。じゃあ、キーワードを変えてみよう。
『白い狼 子供』
『銀色の狐 子供』
何度か試してみるが、結果は同じ。
『……データベースを拡張し、神話・伝説上の生物カテゴリーを検索しますか?』
そんな項目があるんだ。
『はい』を選択する。
『再検索結果:特徴の一部が一致する可能性のある種族を検出しました』
画面に表示されたのは、たった一つの名前。
『神獣フェンリル(幼体)』
……フェンリル?
たしか、北欧神話に出てくる、神々をも喰らうとんでもない魔狼の名前だったっけ。
『特徴:純白の毛皮を持つが、成長と共に変化する場合がある。耳や尻尾の先に銀色の毛が混じる個体も存在する。極めて高い知性と、絶大な魔力を秘める。通常、人間に懐くことはない』
……いやいや、まさかね。
こんなに人懐っこくて可愛い子が、あの凶暴なフェンリルのはずがない。
きっと、たまたま特徴が似ているだけの、別の生き物だろう。うん、そうに違いない。
そっと検索ウィンドウを閉じる。
ま、可愛いからなんでもいっか!
深く考えるのはやめにした。
どんな種族だろうと、この子が私の大切な家族となったことに変わりはない。
でも、不思議と体はそれを受け入れた。
そういえば、神様が言ってた。お詫びだから、もちろん健康で頑丈な体にすると。病気や感染症の心配もない、と。……言ってたっけ? いや、多分言ってたはず。うん、言ってたに違いない!
そう自分に言い聞かせている間に、ぺろぺろぺろぺろ!
顔中を舐められる。
「わ、ちょ、くすぐったい!」
『ありがとう! ありがとう! 恩人! 大好き!』
尻尾をブンブン振りながら、全身で喜びを表現している。
可愛い。
めちゃくちゃ可愛い。
◇
白い子が落ち着いたところで、改めてじっくり観察する。
本当に真っ白。
雪みたいに白い。
毛並みは、ふわっふわでもふもふ。
触り心地最高。
顔立ちは、狼というより、やっぱり犬に近いかな。
でも、普通の犬より、ちょっと鼻が長い気がする。
瞳は透き通るような青色。
サファイアみたい。
「君、お名前は?」
『名前? ない』
「家族は? お母さんとかは?」
『お母さん、いなくなった。ずっと前』
しゅんとする白い子。
耳がペタンと下がって、尻尾も垂れる。
「一人ぼっちなの?」
『うん。ずっと一人。寂しい』
ぎゅっと胸が締め付けられる。
こんな小さい子が、一人で森で生きているなんて。
罠にかかったのも、きっと食べ物を探していて不注意だったんだろう。
「じゃあ、私と一緒に来る?」
『え?』
「私も一人なんだ。だから、一緒に暮らそう」
『本当? 本当に一緒にいていい?』
瞳がキラキラ輝いている。
期待と不安が入り混じった表情。
「もちろん。私たち、今日から家族だよ」
『家族! 僕、家族できた!』
また飛びついてきて、顔を舐められる。
もう、この子は私が守る。
絶対に守る。
「名前、つけていい?」
『名前! 僕に名前くれるの?』
「うん。そうだなぁ……」
白くて、丸っこくて、ころころしてて……。
「コロ、っていうのはどう?」
『コロ?』
「うん、コロ。可愛いでしょ?」
『コロ! 僕の名前、コロ!』
ぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。
名前を気に入ってくれたみたい。
『コロ! コロ! 僕、コロ!』
何度も自分の名前を繰り返している。
よっぽど嬉しいんだな。
「コロ、よろしくね」
『うん! よろしく! えーっと……』
「私はコトリ。ヤマネ・コトリ」
『コトリ! コトリとコロ! 一緒!』
この子、本当に可愛い。
もふもふだし、人懐っこいし、素直だし。
最高のパートナーを見つけた。
でも、やっぱりコロの正体は気になる。犬なのか、狼なのか。あるいは、全く違う生き物なのか。
「ちょっとだけごめんね、コロ」
私は【異世界インターネット接続】の検索ウィンドウを開く。スマホのカメラ機能のように、コロの姿をウィンドウに映し出す機能があった。
画像検索だ。
検索窓にキーワードを入力する。
『白い 毛がふわふわ 銀色の耳 子供』
検索ボタンをタップする。
『検索結果:該当する種族データはありません』
あれ? ヒットしない。じゃあ、キーワードを変えてみよう。
『白い狼 子供』
『銀色の狐 子供』
何度か試してみるが、結果は同じ。
『……データベースを拡張し、神話・伝説上の生物カテゴリーを検索しますか?』
そんな項目があるんだ。
『はい』を選択する。
『再検索結果:特徴の一部が一致する可能性のある種族を検出しました』
画面に表示されたのは、たった一つの名前。
『神獣フェンリル(幼体)』
……フェンリル?
たしか、北欧神話に出てくる、神々をも喰らうとんでもない魔狼の名前だったっけ。
『特徴:純白の毛皮を持つが、成長と共に変化する場合がある。耳や尻尾の先に銀色の毛が混じる個体も存在する。極めて高い知性と、絶大な魔力を秘める。通常、人間に懐くことはない』
……いやいや、まさかね。
こんなに人懐っこくて可愛い子が、あの凶暴なフェンリルのはずがない。
きっと、たまたま特徴が似ているだけの、別の生き物だろう。うん、そうに違いない。
そっと検索ウィンドウを閉じる。
ま、可愛いからなんでもいっか!
深く考えるのはやめにした。
どんな種族だろうと、この子が私の大切な家族となったことに変わりはない。
400
あなたにおすすめの小説
異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~
九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます!
七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。
しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。
食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。
孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。
これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
グラサン幼女の異世界とらべるっ! ~最強の【魔眼】を宿す転生幼女は、もふかわ神獣を連れてスローライフな旅路を楽しみます~
空戯ケイ
ファンタジー
社畜OL、水城愛璃(みずきあいり)は、女神のうっかりミスにより25歳の若さで死んだ。
お詫びとして女神が提案したのは、オッドアイの幼女ボディへの転生。
そうして幼女の姿で異世界転生を果たしたアイリだったが、
特異体質により『感情が高ぶると暴発する魔眼』が宿っていることが発覚!
しかも両目!?
それを封じるため、女神から与えられたユニークスキルは、『神のサングラス』。
このサングラスをかければ、魔眼の暴発を抑えられるらしいけど……常にグラサンかけてる幼女とか怪しすぎじゃない!?
だけど、とある"激レア魔道具"があれば 、なんと魔眼を完治できるらしい。
ならばその魔道具を手に入れるため、異世界を巡るしかないっ!
さらに旅の道すがら、もふもふフェンリルや忍者少女、特異スライムを仲間にし、珍道中はさらに加速していって――!!
まったりのんびりをモットーに、たまに魔物や刺客に襲われちゃう。
【グラサン幼女】の破天荒な異世界旅が始まる!
※更新は不定期です。
僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる