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幸せのオムライス

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第一章 森の生活と孤児院改革:ギルド登録と初めてのビジネス

第55話 祝・Fランク冒険者! 最初の仕事は『薬草採取』に決定

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「今日からあなたは、このハルモニアギルドがその実力を認めた、正式な冒険者よ! おめでとう、コトリちゃん!」

「ありがとうございます!」

 ギルドカードを受け取り、深々と頭を下げる。
 その瞬間、ギルド内に、再び割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こった。

「Fランクの嬢ちゃん、おめでとう!」
「これからの活躍、期待してるぜ!」

 うん、さっきまで私をボロクソに言ってた人たちの声も混じってるけど、まあいいや!
 お祭りみたいで、ちょっと楽しい!

 しかし、そのお祭り騒ぎは、すぐに別の騒ぎへと発展する。

「なあ、嬢ちゃん! 祝杯だ! 俺が酒をおごってやる!」
「馬鹿野郎! 嬢ちゃんはまだ子供だ! 酒が飲めるか! それより、俺のパーティに入らないか? 支度金として、銀貨10枚出すぞ!」
「銀貨10枚だと!? ケチくせえな! うちは20枚だ! それに、最新のローブも買ってやる!」
「うちのパーティなら、安全な後方支援だけでいい! 戦闘は全部俺たちがやるから!」

(うわー、始まったー! リアルヘッドハンティングだー!)

 私の周りには、あっという間に人だかりができ、あちこちからスカウトの声が飛んでくる。
 提示される金額も、どんどん上がっていく。
 銀貨20枚って、いくらなんだろう。中銅貨1枚で100円。中銅貨100枚で銀貨1枚だから、銀貨20枚で20万円か。結構な大金だな。

 でも、残念ながら、私はパーティに入る気は全くない。
 だって、面倒くさいもん。
 人間関係とか、意見の対立とか、そういうの、前世でもうお腹いっぱいなのだ。

 私の目指すは、自由気ままなソロ活動。
 誰にも縛られず、自分のペースで稼ぐ。それが一番!

「皆さん、お誘いありがとうございます! でも、私、当分はソロで活動しようと思ってるんです」

 私が、にっこりと営業スマイルでそう宣言すると、冒険者たちから「えー!」という残念そうな声が上がる。

「なんでだよ、嬢ちゃん! パーティを組んだ方が、安全で、もっと稼げるぜ!」
「そうよ! あなたの生活魔法があれば、どんなパーティでも大歓迎されるわ!」

 エマさんまで、心配そうにそう言ってくる。
 うん、正論だ。
 でも、私の目的は、大金を稼ぐことじゃない。
 あくまで、「私のスローライフを維持できるだけの、安定した収入」を確保することなのだ。
 そのためには、まず、この世界の『仕事』を、自分のペースで、じっくりと試してみたい。

「大丈夫です。私には、コロがいますから」

 私がそう言って、足元のコロの頭を撫でると、冒険者たちはぐっと言葉を詰まらせた。
 さっきの、ゴーレムを一撃で粉砕した、あの白い悪魔(?)の姿が、脳裏に蘇ったのだろう。

「それに、一人の方が、気楽でいいんです」

 私のきっぱりとした態度に、冒険者たちもそれ以上強くは誘ってこなかった。
 ふう、なんとか切り抜けた。

「それじゃあ、エマさん。早速ですが、何か私でもできそうな依頼、ありませんか?」

 私は、すっかり落ち着きを取り戻したギルドで、最初の仕事を探し始める。
 エマさんは、にっこり笑って、壁の依頼掲示板を指差した。

「もちろんよ! Fランク向けの依頼なら、たくさんあるわ。ゴブリン退治、荷物の護衛、それから……あ、これなんてどうかしら?」

 エマさんが、掲示板から一枚の羊皮紙をひらりと剥がして、私に見せてくれる。

『依頼:薬草採取
 内容:ハルモニア南の森にて、薬草『ナイト・グロウ』を20本採取。
 報酬:中銅貨30枚
 難易度:F(安全)
 備考:薬効成分は根に多く含まれるため、採取の際は、必ず根っこから引き抜き、傷つけないこと』

(薬草採取! キターー! これぞ、ファンタジーの初心者クエストの王道!)
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