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第一章 森の生活と孤児院改革:ギルド登録と初めてのビジネス
第56話 森でミッション開始! ターゲットは光る薬草『ナイト・グロウ』
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ゴブリン退治は、コロがいるから余裕だろうけど、いきなり生き物の命を奪うのは、ちょっと気が引ける。
荷物の護衛は、時間がかかりそうだし、人間関係が面倒くさそう。
その点、薬草採取なら、自分のペースでできるし、危険も少ない。
まさに、今の私にぴったりの依頼だ。
「これにします!」
「分かったわ。それじゃあ、この依頼書にサインをお願いね」
私は、エマさんから渡された羽根ペンで、依頼書に自分の名前を書こうとする。
もちろん、書くのは日本語の『山根ことり』だ。でも、異世界の人に読めるのかな?
(まあ、サインなんてただの記号みたいなものだし、外国の文字と言ったら大丈夫か)
そう思いながらペンを走らせて、私は自分の目を疑った。
(……え?)
私が書いているのは、見慣れた漢字やひらがなじゃない。前世では、まるで見たことがない文字。
でも、不思議と私の手は止まらない。頭の中では「山根ことり」と書いているつもりなのに、ペン先からは、スラスラと流れるような異世界の文字が紡ぎ出されていくのだ。
(うわ、何これ!? 【翻訳】能力、書き込みにも対応してるの!? しかもオートコンプリート機能付き!? ポンコツ神様、たまには気が利くじゃない!)
自分の意志とは裏腹に、知らないはずの異世界文字でサインを終えた私。その文字を見て、エマさんがにっこりと微笑む。
「綺麗な字ね、コトリちゃん。はい、これで受注完了よ」
自分の書いた文字は、頭の中では「山根ことり」と翻訳されているけど、どうやら、他の人にもちゃんと読めているらしい。
よかった……のかな? なんだか、自分の体なのに乗っ取られたみたいで、ちょっとだけ複雑な気分だ。まあ、便利だからいっか!
「はい、これで受注完了よ。ナイト・グロウは、銀色のギザギザの葉が特徴よ。夜になると葉っぱが淡く光るから、見つけやすいと思うわ。気をつけて行ってきてね!」
「はい! いってきます!」
私は、エマさんと、いつの間にか私のファンクラブ会員みたいになっている冒険者たちに見送られながら、颯爽と(コロと一緒に)ギルドを後にする。
背後から「頑張れよ、嬢ちゃん!」「無事に帰ってこいよ!」という、温かい声援が聞こえてくる。
(ふふふ、なんだかんだ言って、みんないい人たちじゃないか)
私の冒険者としての第一歩は、なかなか良い形でスタートできたんじゃないかな。
これは、幸先がいい!
◇
ギルドを出て、まっすぐハルモニアの南門へ向かう。
陽はまだ高く、メインストリートは朝よりもさらに多くの人々でごった返していた。
「ふぅ、ちょっとお腹が空いたね。作戦会議と行こうか」
ギルド登録と初依頼の受注という、怒涛の午前中を乗り切った私は、心地よい疲労感と、それに伴う空腹を感じていた。
いきなり森に突入する前に、まずは腹ごしらえと、頭の中の整理が必要だ。
私たちは、人通りの多い通りから少し外れた、南門近くの小さな広場のベンチに腰を下ろす。
四次元バッグから、ぽん、と。
まずは私の分の、銀紙に包まれたチョコレートバーを一本。
そして、今日のMVPである、頼れる我が相棒のためには……。
「はい、コロ。今日の頑張ったで賞、特盛りだよ!」
カパッ、と小気味の良い音を立てて、コンビーフの缶詰を開ける。3個分。
もちろん、お皿もちゃんと用意する。
『わーい! お肉だ! お肉だー!』
缶詰から漂う、あの独特の、ジャンキーで香ばしい匂い。
コロは、ちぎれんばかりに尻尾を振り、キラキラした目で私とお皿を交互に見ている。
うんうん、その顔が見たかった!
お皿にコンビーフをどさっと盛り付けてあげると、コロは「待ってました!」とばかりに、夢中でがっつき始めた。
その幸せそうな食べっぷりを見ているだけで、こっちまでお腹が空いてくる。
私も、自分の分のチョコレートバーの包装を破る。
濃厚な甘さが、疲れた脳に染み渡っていくのが分かる。
(ふぅ、生き返るわ……)
便利な通販食品も、こうして外で食べると、なんだかピクニックみたいで格別に美味しい。
コロがコンビーフを平らげるのを待ちながら、私は、これから向かう森でのミッションについて、頭の中で最終確認を行う。
ターゲットは『ナイト・グロウ』。特徴は銀色のギザギザの葉。必ず根っこから引き抜く。よし、覚えた。
腹ごしらえを済ませた私たちは、ハルモニアの南門を抜けて、しばらく広い街道を歩く。
だんだんと、街の石壁が背後に遠ざかっていき、辺りの景色も、畑から草原へと姿を変えていく。
15分ほど歩いただろうか。
ようやく、目的地の入り口が見えてきた。
ハルモニア南の森。
私たちは、その森へと足を踏み入れる。
ギルドや街の喧騒が嘘のように、静かで、穏やかな空間。ひんやりとした空気が、土と木の匂いを運んでくる。
うん、やっぱり、私はこっちの方が落ち着くなあ。
「さて、と。ミッション開始だね、コロ」
『うん! がんばる!』
まずは、ターゲットの確認から。
エマさんは「葉っぱが光る」って言ってたけど、今はまだ昼間だ。
光ってない状態の『ナイト・グロウ』を、どうやって見分けるか。
「銀色のギザギザの葉」という特徴だけでは、少し不安がある。
「こういう時は、文明の利器に頼るべし!」
私は、おもむろに【異世界インターネット接続】のウィンドウを開く。
検索機能をタップし、『ナイト・グロウ』と入力。
ポチッとな。
数秒後、ウィンドウに、ナイト・グロウの画像と詳細なデータが表示された。
『ナイト・グロウ
特徴:銀色がかった、ギザギザの葉を持つ。夜間、月の光を浴びると、葉脈が青白く発光する。
効能:傷の治りを早める効果があり、回復薬(ポーション)の主成分として広く利用される』
(ふむふむ、なるほど。ポーションの材料か。だから需要があるんだな)
荷物の護衛は、時間がかかりそうだし、人間関係が面倒くさそう。
その点、薬草採取なら、自分のペースでできるし、危険も少ない。
まさに、今の私にぴったりの依頼だ。
「これにします!」
「分かったわ。それじゃあ、この依頼書にサインをお願いね」
私は、エマさんから渡された羽根ペンで、依頼書に自分の名前を書こうとする。
もちろん、書くのは日本語の『山根ことり』だ。でも、異世界の人に読めるのかな?
(まあ、サインなんてただの記号みたいなものだし、外国の文字と言ったら大丈夫か)
そう思いながらペンを走らせて、私は自分の目を疑った。
(……え?)
私が書いているのは、見慣れた漢字やひらがなじゃない。前世では、まるで見たことがない文字。
でも、不思議と私の手は止まらない。頭の中では「山根ことり」と書いているつもりなのに、ペン先からは、スラスラと流れるような異世界の文字が紡ぎ出されていくのだ。
(うわ、何これ!? 【翻訳】能力、書き込みにも対応してるの!? しかもオートコンプリート機能付き!? ポンコツ神様、たまには気が利くじゃない!)
自分の意志とは裏腹に、知らないはずの異世界文字でサインを終えた私。その文字を見て、エマさんがにっこりと微笑む。
「綺麗な字ね、コトリちゃん。はい、これで受注完了よ」
自分の書いた文字は、頭の中では「山根ことり」と翻訳されているけど、どうやら、他の人にもちゃんと読めているらしい。
よかった……のかな? なんだか、自分の体なのに乗っ取られたみたいで、ちょっとだけ複雑な気分だ。まあ、便利だからいっか!
「はい、これで受注完了よ。ナイト・グロウは、銀色のギザギザの葉が特徴よ。夜になると葉っぱが淡く光るから、見つけやすいと思うわ。気をつけて行ってきてね!」
「はい! いってきます!」
私は、エマさんと、いつの間にか私のファンクラブ会員みたいになっている冒険者たちに見送られながら、颯爽と(コロと一緒に)ギルドを後にする。
背後から「頑張れよ、嬢ちゃん!」「無事に帰ってこいよ!」という、温かい声援が聞こえてくる。
(ふふふ、なんだかんだ言って、みんないい人たちじゃないか)
私の冒険者としての第一歩は、なかなか良い形でスタートできたんじゃないかな。
これは、幸先がいい!
◇
ギルドを出て、まっすぐハルモニアの南門へ向かう。
陽はまだ高く、メインストリートは朝よりもさらに多くの人々でごった返していた。
「ふぅ、ちょっとお腹が空いたね。作戦会議と行こうか」
ギルド登録と初依頼の受注という、怒涛の午前中を乗り切った私は、心地よい疲労感と、それに伴う空腹を感じていた。
いきなり森に突入する前に、まずは腹ごしらえと、頭の中の整理が必要だ。
私たちは、人通りの多い通りから少し外れた、南門近くの小さな広場のベンチに腰を下ろす。
四次元バッグから、ぽん、と。
まずは私の分の、銀紙に包まれたチョコレートバーを一本。
そして、今日のMVPである、頼れる我が相棒のためには……。
「はい、コロ。今日の頑張ったで賞、特盛りだよ!」
カパッ、と小気味の良い音を立てて、コンビーフの缶詰を開ける。3個分。
もちろん、お皿もちゃんと用意する。
『わーい! お肉だ! お肉だー!』
缶詰から漂う、あの独特の、ジャンキーで香ばしい匂い。
コロは、ちぎれんばかりに尻尾を振り、キラキラした目で私とお皿を交互に見ている。
うんうん、その顔が見たかった!
お皿にコンビーフをどさっと盛り付けてあげると、コロは「待ってました!」とばかりに、夢中でがっつき始めた。
その幸せそうな食べっぷりを見ているだけで、こっちまでお腹が空いてくる。
私も、自分の分のチョコレートバーの包装を破る。
濃厚な甘さが、疲れた脳に染み渡っていくのが分かる。
(ふぅ、生き返るわ……)
便利な通販食品も、こうして外で食べると、なんだかピクニックみたいで格別に美味しい。
コロがコンビーフを平らげるのを待ちながら、私は、これから向かう森でのミッションについて、頭の中で最終確認を行う。
ターゲットは『ナイト・グロウ』。特徴は銀色のギザギザの葉。必ず根っこから引き抜く。よし、覚えた。
腹ごしらえを済ませた私たちは、ハルモニアの南門を抜けて、しばらく広い街道を歩く。
だんだんと、街の石壁が背後に遠ざかっていき、辺りの景色も、畑から草原へと姿を変えていく。
15分ほど歩いただろうか。
ようやく、目的地の入り口が見えてきた。
ハルモニア南の森。
私たちは、その森へと足を踏み入れる。
ギルドや街の喧騒が嘘のように、静かで、穏やかな空間。ひんやりとした空気が、土と木の匂いを運んでくる。
うん、やっぱり、私はこっちの方が落ち着くなあ。
「さて、と。ミッション開始だね、コロ」
『うん! がんばる!』
まずは、ターゲットの確認から。
エマさんは「葉っぱが光る」って言ってたけど、今はまだ昼間だ。
光ってない状態の『ナイト・グロウ』を、どうやって見分けるか。
「銀色のギザギザの葉」という特徴だけでは、少し不安がある。
「こういう時は、文明の利器に頼るべし!」
私は、おもむろに【異世界インターネット接続】のウィンドウを開く。
検索機能をタップし、『ナイト・グロウ』と入力。
ポチッとな。
数秒後、ウィンドウに、ナイト・グロウの画像と詳細なデータが表示された。
『ナイト・グロウ
特徴:銀色がかった、ギザギザの葉を持つ。夜間、月の光を浴びると、葉脈が青白く発光する。
効能:傷の治りを早める効果があり、回復薬(ポーション)の主成分として広く利用される』
(ふむふむ、なるほど。ポーションの材料か。だから需要があるんだな)
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