神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくり!~

幸せのオムライス

文字の大きさ
56 / 159
第一章 森の生活と孤児院改革:ギルド登録と初めてのビジネス

第56話 森でミッション開始! ターゲットは光る薬草『ナイト・グロウ』

しおりを挟む
 ゴブリン退治は、コロがいるから余裕だろうけど、いきなり生き物の命を奪うのは、ちょっと気が引ける。
 荷物の護衛は、時間がかかりそうだし、人間関係が面倒くさそう。
 その点、薬草採取なら、自分のペースでできるし、危険も少ない。
 まさに、今の私にぴったりの依頼だ。

「これにします!」

「分かったわ。それじゃあ、この依頼書にサインをお願いね」

 私は、エマさんから渡された羽根ペンで、依頼書に自分の名前を書こうとする。
 もちろん、書くのは日本語の『山根ことり』だ。でも、異世界の人に読めるのかな?

(まあ、サインなんてただの記号みたいなものだし、外国の文字と言ったら大丈夫か)

 そう思いながらペンを走らせて、私は自分の目を疑った。

(……え?)

 私が書いているのは、見慣れた漢字やひらがなじゃない。前世では、まるで見たことがない文字。
 でも、不思議と私の手は止まらない。頭の中では「山根ことり」と書いているつもりなのに、ペン先からは、スラスラと流れるような異世界の文字が紡ぎ出されていくのだ。

(うわ、何これ!? 【翻訳】能力、書き込みにも対応してるの!? しかもオートコンプリート機能付き!? ポンコツ神様、たまには気が利くじゃない!)

 自分の意志とは裏腹に、知らないはずの異世界文字でサインを終えた私。その文字を見て、エマさんがにっこりと微笑む。

「綺麗な字ね、コトリちゃん。はい、これで受注完了よ」

 自分の書いた文字は、頭の中では「山根ことり」と翻訳されているけど、どうやら、他の人にもちゃんと読めているらしい。
 よかった……のかな? なんだか、自分の体なのに乗っ取られたみたいで、ちょっとだけ複雑な気分だ。まあ、便利だからいっか!

「はい、これで受注完了よ。ナイト・グロウは、銀色のギザギザの葉が特徴よ。夜になると葉っぱが淡く光るから、見つけやすいと思うわ。気をつけて行ってきてね!」

「はい! いってきます!」

 私は、エマさんと、いつの間にか私のファンクラブ会員みたいになっている冒険者たちに見送られながら、颯爽と(コロと一緒に)ギルドを後にする。
 背後から「頑張れよ、嬢ちゃん!」「無事に帰ってこいよ!」という、温かい声援が聞こえてくる。

(ふふふ、なんだかんだ言って、みんないい人たちじゃないか)

 私の冒険者としての第一歩は、なかなか良い形でスタートできたんじゃないかな。
 これは、幸先がいい!

 ◇

 ギルドを出て、まっすぐハルモニアの南門へ向かう。
 陽はまだ高く、メインストリートは朝よりもさらに多くの人々でごった返していた。

「ふぅ、ちょっとお腹が空いたね。作戦会議と行こうか」

 ギルド登録と初依頼の受注という、怒涛の午前中を乗り切った私は、心地よい疲労感と、それに伴う空腹を感じていた。

 いきなり森に突入する前に、まずは腹ごしらえと、頭の中の整理が必要だ。
 私たちは、人通りの多い通りから少し外れた、南門近くの小さな広場のベンチに腰を下ろす。

 四次元バッグから、ぽん、と。
 まずは私の分の、銀紙に包まれたチョコレートバーを一本。
 そして、今日のMVPである、頼れる我が相棒のためには……。

「はい、コロ。今日の頑張ったで賞、特盛りだよ!」

 カパッ、と小気味の良い音を立てて、コンビーフの缶詰を開ける。3個分。
 もちろん、お皿もちゃんと用意する。

『わーい! お肉だ! お肉だー!』

 缶詰から漂う、あの独特の、ジャンキーで香ばしい匂い。
 コロは、ちぎれんばかりに尻尾を振り、キラキラした目で私とお皿を交互に見ている。
 うんうん、その顔が見たかった!

 お皿にコンビーフをどさっと盛り付けてあげると、コロは「待ってました!」とばかりに、夢中でがっつき始めた。
 その幸せそうな食べっぷりを見ているだけで、こっちまでお腹が空いてくる。
 私も、自分の分のチョコレートバーの包装を破る。
 濃厚な甘さが、疲れた脳に染み渡っていくのが分かる。

(ふぅ、生き返るわ……)

 便利な通販食品も、こうして外で食べると、なんだかピクニックみたいで格別に美味しい。
 コロがコンビーフを平らげるのを待ちながら、私は、これから向かう森でのミッションについて、頭の中で最終確認を行う。

 ターゲットは『ナイト・グロウ』。特徴は銀色のギザギザの葉。必ず根っこから引き抜く。よし、覚えた。

 腹ごしらえを済ませた私たちは、ハルモニアの南門を抜けて、しばらく広い街道を歩く。

 だんだんと、街の石壁が背後に遠ざかっていき、辺りの景色も、畑から草原へと姿を変えていく。
 15分ほど歩いただろうか。
 ようやく、目的地の入り口が見えてきた。

 ハルモニア南の森。
 私たちは、その森へと足を踏み入れる。
 ギルドや街の喧騒が嘘のように、静かで、穏やかな空間。ひんやりとした空気が、土と木の匂いを運んでくる。

 うん、やっぱり、私はこっちの方が落ち着くなあ。

「さて、と。ミッション開始だね、コロ」

『うん! がんばる!』

 まずは、ターゲットの確認から。
 エマさんは「葉っぱが光る」って言ってたけど、今はまだ昼間だ。
 光ってない状態の『ナイト・グロウ』を、どうやって見分けるか。
 「銀色のギザギザの葉」という特徴だけでは、少し不安がある。

「こういう時は、文明の利器に頼るべし!」

 私は、おもむろに【異世界インターネット接続】のウィンドウを開く。
 検索機能をタップし、『ナイト・グロウ』と入力。
 ポチッとな。
 数秒後、ウィンドウに、ナイト・グロウの画像と詳細なデータが表示された。

『ナイト・グロウ
 特徴:銀色がかった、ギザギザの葉を持つ。夜間、月の光を浴びると、葉脈が青白く発光する。
 効能:傷の治りを早める効果があり、回復薬(ポーション)の主成分として広く利用される』

(ふむふむ、なるほど。ポーションの材料か。だから需要があるんだな)
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます! 七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。 しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。 食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。 孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。 これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

グラサン幼女の異世界とらべるっ! ~最強の【魔眼】を宿す転生幼女は、もふかわ神獣を連れてスローライフな旅路を楽しみます~

空戯ケイ
ファンタジー
社畜OL、水城愛璃(みずきあいり)は、女神のうっかりミスにより25歳の若さで死んだ。 お詫びとして女神が提案したのは、オッドアイの幼女ボディへの転生。 そうして幼女の姿で異世界転生を果たしたアイリだったが、 特異体質により『感情が高ぶると暴発する魔眼』が宿っていることが発覚! しかも両目!? それを封じるため、女神から与えられたユニークスキルは、『神のサングラス』。 このサングラスをかければ、魔眼の暴発を抑えられるらしいけど……常にグラサンかけてる幼女とか怪しすぎじゃない!? だけど、とある"激レア魔道具"があれば 、なんと魔眼を完治できるらしい。 ならばその魔道具を手に入れるため、異世界を巡るしかないっ! さらに旅の道すがら、もふもふフェンリルや忍者少女、特異スライムを仲間にし、珍道中はさらに加速していって――!! まったりのんびりをモットーに、たまに魔物や刺客に襲われちゃう。 【グラサン幼女】の破天荒な異世界旅が始まる! ※更新は不定期です。

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり
ファンタジー
20歳で事故に遭った下門快斗は、目を覚ますと――― “塩しか存在しない世界”に転生していた。 前世の記憶を持ったまま生まれ変わった少年、カイト・ブラウン・マーシュ。 塩だけの世界に少しずつ調味料を足し、沖縄風の料理を作り、仲間たちと笑い合い、小さな領地を発展させていく日々。 家族に愛され、周囲に愛され、穏やかに育っていく―― はずだった。 5歳の誕生日。 王都でカイトを待っていたのは、 300年前の“稀人”との遺物、 王太子妃を巡る陰謀、 そして王家を揺るがす思惑。 これは、ただのスローライフでは終わらない。 食は人を変え、 人は国を変え、 やがて世界の均衡さえ動かしていく。 グルメ×領地発展×国家ドラマ 愛に包まれて育った少年が 世界の“調和”を変えてしまう物語。

処理中です...