神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくり!~

幸せのオムライス

文字の大きさ
90 / 132
第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:新たな拠点探し

第90話 街中をフィールドワーク! ターゲット層を見極めろ

しおりを挟む
 最後に、市場の東側。
 ここは、八百屋や魚屋、肉屋といった、食材を扱う店が密集しているエリアだ。
 買い物かごを提げた主婦や、宿屋の料理人らしき人々で、ごった返している。

(なるほど、こっちは完全に『日常』のエリアね。活気があって、物も売れそうだけど、みんなが求めているのは、安くて、量が多くて、日々の食事に使えるもの。私の『妖精の宝石ジャム』みたいな、ちょっとした贅沢品を売る場所じゃないわね)

 数時間かけて、街の主要なエリアを歩き回った。
 ただ歩いただけじゃない。
 それぞれの場所の雰囲気、人の流れ、そして何より、そこにいる人々の「顔」を、私は自分の肌で感じ、脳内に叩き込んでいった。

『異世界インターネット接続』の正確無比な地図機能。
 手の中の、人々の営みが描かれた紙の地図。
 そして、今、この足で歩いて得た、"生きた情報"。

 それらが、私の頭の中で、カチリ、カチリと音を立てて組み合わさっていく。
 そして、一つの、完璧なマーケティングマップが、完成した。

(……見えたわ)

 私の、最初のビジネスの、成功への道筋が。

 すっかり陽も傾き始めた頃、私は、満足感と心地よい疲労感に包まれながら、宿への帰路についたのだった。

 ◇

 カランコロン、と。
『木漏れ日の宿』のドアベルが、心地よい音を立てて私たちの帰りを告げる。

「あら、おかえりなさい、コトリちゃん。街の探検は楽しかったかしら?」

 カウンターの奥から顔を出した女将さんが、私たちの姿を見て、にこやかに微笑みかけてくれる。
 うん、やっぱりこの宿にして大正解だ。この笑顔だけで、今日の疲れの半分は吹き飛んでしまう。

 部屋に戻り、買ってきた地図やメモを机の上に広げたまま、私はベッドにばふっと倒れ込む。
 心地よい疲労感が、全身を包み込む。
 フィールドワークは、地味だけど、やっぱり重要だ。机の上で数字をこねくり回しているだけじゃ、見えてこないものがたくさんある。

『コトリ、お腹すいたー!』

 ベッドの横で、コロがお座りをしながら、きゅんきゅんと鼻を鳴らしている。
 うんうん、そうだよね。君も一日、私のわがままに付き合って歩き回ってくれたんだもんね。

 夕食は、宿の食堂でいただくことにした。
 もちろん、コロの分も忘れてはいない。
 私は、女将さんに「すみません、この子の食事は、私が持参したものをあげてもいいでしょうか?」と事前に確認済みだ。
 女将さんは「あらあら、ちゃんとしたご飯を持ってきているのね。えらいわねえ」と快く許可してくれた。

 私は、四次元バッグから、コロ専用の食器と、いつもの『総合栄養ドッグフード』を取り出す。
 カリカリという、軽快な音を立てて食器に注がれるフード。
 それに加えて、今日は特別サービス。
 市場で買ってきた、新鮮な猪肉の切れ端をボイルしたもの(もちろん《調理》魔法で一瞬)をトッピングしてあげる。

『わーい! 今日はスペシャルだ!』

 コロは、ちぎれんばかりに尻尾を振り、夢中でご飯にがっつき始めた。
 その幸せそうな姿を見届けた後、私は自分の席に着く。

 今日のメニューは、猪肉のハーブ焼きと、豆のスープ、そして焼きたてのパン。
 猪肉は少し硬いけど、噛めば噛むほどうま味が出てくる。スープも、孤児院の塩水とは比べ物にならないくらい、豆の優しい甘みが溶け出していて美味しい。
 そして何より、女将さん自慢のパン!
 外はカリッと、中は驚くほどふわふわもちもちで、小麦の香りがたまらない。

(うん、美味しい! これが、この世界の『ちゃんとした食事』なのね。なるほどなるほど)
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

処理中です...